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気弱な君と憑依野郎   作者: とっっっってもスパイシードーナッツ
1/4

死ぬ前に頑張ってみない?

この作品は作者の勢いとその場しのぎで作られております。

やっぱり僕は何をやっても、ダメなんだ。

僕、ユーリ=トラベスは最期の瞬間にもそんな事を考えていた。


地方貴族の三男として生まれ、兄妹の保険としてこの世に生まれた僕。それだけなら良かった。だが、持って生まれてしまった禁忌の特徴。白髪に赤目。はるか昔から、その姿はいずれ悪魔になるという伝承があった。


魔力量も低ければ、特に目立ったスキルなども持っていない。頭も運動能力も人並み並み、いや、以下かもしれない。血が怖く、傷つくのも傷つけるのも嫌いな弱虫。



それに加え兄妹は優秀であった。いずれトワイレス王国を支える立派な人間になるんだろう。





学園に入学したころは周りは一応、期待の目で見ていた。腐っても名家トラベスの息子だから。


だけど、それも日々が経過するにつれて哀れみへ、最終的には疎外の対象へと変わっていった。


あいつは落ちこぼれだから何をしても良い。


そんな歪んだ認識が広まっていってしまった。


そして、今、僕は反対したのに肝試しとして無理やり連れてこられたダンジョンのモンスターの生贄としてされてしまった。



僕を連れてきた奴らはもうかなり遠くに逃げている。そして、狼種の巨大なモンスターは僕の目の前で涎を垂らしている。




「死にたくない....」


このまま惨めに死ぬなんで嫌だ!

そんな思いが僕の足を動かすという奇跡を起こした。

逃げている皆とは逆方向に走り出す。


狼はまさか自分の方に走ってくるとは思ってもいなかったようだ。自分の足の下を走り抜けていく僕をそのま嚙みつこうとしてバランスを崩した。


必死に薄暗いダンジョンを走る、後先考えず。そして、


「あっ...!」


間抜けな声とともに崖下にダイブしていた。











「ユーリ!お前みたいな能無しはこの家にはいらん!」


立派な髭を生やした人物が言う。

本来は大地のように自分を守ってくれる存在なのに。


「ユーリ、何故貴方は何もできないの?」


お淑やかな女性が言う。

本来はお日様の光のように包み込んでくれるはずこ存在が。


「お前、本当に血が繋がっているのか?」

「まあ、そんなもんだよな、だから諦めろ」

「弱い者に、興味はない」

「............」


金髪の青年と少女、黒髪の青年と少女が冷たい眼差しで見る。


本来は支え合うはずの存在が...


「ユーリ、すまない...」


長い金髪をまとめた恐ろしい程美しい少女が背を向ける。


初恋、尊敬の対象には拒絶された。


「落ちこぼれ!」

「なんであいついるの?気持ち悪」

「無視するのが一番だよ」

「邪魔」

「トラベス家の恥晒し」

「あいつといると不幸になるんだって!」



多くの非難が自分を痛めつける。



もう、これで良かったのかも知れない。



誰にも望まれない。愛されない。



だから、ここで眠ってしまってもいいのかも知れない。


そうだ、もういい、悔しいし、痛いし、辛いけど。

努力はしたよ。毎日走った。木剣だっていくつもの豆が潰れるくらい振った。雨が降っても、雪が降ろうと、灼熱の太陽に焼かれようと。孤独と闘いながら。


それでも、報われない。だからもういいだろう?

寝よう。それでいい。眠ろう。

死ぬ事で救われるなら、それでいいよ。



ゆっくりと目を閉じる。いや、閉じなくてもこの出血なら自然と意識は無くなる。自然に理解した。

僕は助からない。だからせめて最期は...











本当にそれでいいのかよ?












その声は突然響いた。心の中で。



本当にこのまま人生おしまいで満足かよ?ユーリ=トラベスさんよ



貴方は誰ですか?



んな事は今はどうだっていいんだよ。俺が聞いてるのは、本当にこのままおっちんでいいのかってことよ?



だって、どうせ生きてたって。誰にも認められないよ。もう、嫌なんだ。あの目は。



あん?おめぇは他人の視線が嫌だから死ぬのか?だっせぇ、死に方だな。俺なら死んでもごめんだな。

死ぬなら自分が満足いったところで死にやがれ。




カチンときた。突然でてきて好き勝手言ってくれるこの心の声に。





急に出てきてなんなんですか!?貴方に何がわかるんですか!?貴方に僕の苦しみの何がわかるんですか!?



叫ぶ、今までの不満をぶつけるように。悲しみや憎しみをぶつける。





んなもん知るか!!!!!




今まで1番大きな声だった。





だがな!てめぇがてめぇを認めないまま死ぬほど惨めったらしい死に方はねぇよ。それは知ってる!



その声は熱かった。まるで怒り狂う焔のように。

問いかける。



なら、僕はどうしたらいいんですか?



すぐに乱暴だが迷いの無い声で答えが返ってくる。



それも自分で探せぇや!人の評価なんて知ったこっちゃねぇだろぉ!!!それでも不安でしょうがねぇならよ!!!俺の名前を呼べ!呼ばれたら力を貸してやっよぉ!!! さあ!どうするユーリ!!!死ぬか?生きるか?選べやぁ!!!



あまりにも自分勝手であまりにも熱いからおかしくなって笑ってしまった。久しぶりに笑ってしまった。だから、、、



「とりあえず生きて、もう一回最初から頑張ってみます。レーヴァテイン」




少年の瞳に焔が宿った。









大狼はイラついていた。生きのいい白い餌をわざわざ見逃してしまったから。白い餌は崖下へと自ら飛び込んでしまった。大老にすればこれぐらいの崖は問題ないがあの餌にとってはそうではないだろう。


大狼は生きたまま獲物を食らうのが好きだった。

生きてた方が喰らっている時に素晴らしい悲鳴が聞ける。その声が好きなのだ。だから、もうすでに死んでしまっているであろう餌にあまり興味はなかった。


だが、一応餌は餌だ。あまり腹は空いていないが、小腹に入れておいて損はないだろう。

そう思い、崖を降りた。


しかし、ここで大狼は戸惑う。いくら探しても死体が見つからない。


そして、 代わりに圧倒的な存在がそこに立っていたから。



「よぉ、わざわざ墓でも作りにきたのか?そんなわけねぇよな?この犬っころぉ!!!」



そう言う、ユーリの髪はまるで燃えさかる焔のように赤く染まり、その髪と同じくらい赤く燃えている人が持つにはあまりにも巨大な剣を肩に担いでいた


そして、その表情はいつもの気弱な表情ではなく。狂暴な笑みを浮かべていた。


「さぁ!!!ここからが本番だぜぇ!!!」



大狼はダンジョン内で多くの年月を生き、多くの経験を持つものだった。

今のユーリと自身の実力差を瞬時に掴み、撤退を試みたが崖下に降りてきた時点で既に詰んでいた。



「派手に燃え上がれよ!!!!大爆焰!!!!」



ユーリが大剣を振るった瞬間、大狼の視界が白く染まった。




その日、ダンジョン内に一つの観光地?が現れることになる。その場所は水晶の崖と呼ばるようになる。突然現れたそれはダンジョン内で何かある前兆かと当時騒がれたが、そんな事はなく次第にその光景が自然となっていく。


彼らは高熱で石が水晶に変化することなどは知らない。









楽しく書いてます。駄文に注意。途中で止める可能性大です。評価なんかしてくれたら続くかもしれないし、続かないかもしれません。

暖かい目で見守って下さい

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