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ラプンツェルの夢  作者: DAISY
1/6

*プリンセスの誕生*

ある国のお城に王子様とお妃様がいました。

王子様は凛々しくとても逞しく、お妃様は可憐で美しくとても優しい人でありました。

全国民から愛され(した)われる王子様とお妃様だったのです。


そんな王子様とお妃様の間に新しい命が宿り、国中が幸せに包まれていました。

けれどお妃様のお腹が大きくなった頃、お妃様は病におかされてしまうのです。


病と闘うお妃様に王子様は優しく声をかけることしか出来ず、なんて無力なのだと王子様は心をとても痛めていました。


いつものように王子様はお妃様に優しく声をかけていると、お妃様があることを王子様に頼んだのでした。


Rapunzel(ラプンツェル)を見たいわ」


「Rapunzel?聞いたことがない名だ」


「フフッ。とっても素敵なお花なの」


「Rapunzel…。わかった。必ず見せてあげよう」


「あなたが持ってきてくれる事、楽しみにしていますね」


それから王子様は従者に指示をし、城の者を集め "Rapunzel" を探し始めます。

皆休むことなく探していると王子様はひとりの魔女と出会いました。

その魔女はどうやら "Rapunzel" の咲く場所を知っているようであり、王子様は魔女の後をついて森の奥深くに足を運びます。

暫く進むと魔女は突然立ち止まり、王子様にこう告げました。


「ここから先にあなたが探していたお花がたくさん咲いています。貴重なお花なので摘むのは1本だけにしてくださいね」


「あぁ。わかった」


「1本選んで摘んだら、こちらに戻って来てください」


「あぁ」


王子様が進んだ先には魔女の言うように一面"Rapunzel"が広がっていてそれは美しいものでありました。

そのたくさんの花の中から一際(ひときわ)輝き、色の違う1本を見つけ摘むと魔女の元に戻ります。


「"Rapunzel"にローズピンクの様な色があったのね。先程も言いましたが、貴重なお花です。そしてこの色はとても珍しい。どうか大切にしてくださいね」


そう魔女は言うと王子様に気づかれないよう、そっと花に魔法をかけた。


その魔法が後に彼らの運命を変えてしまう事になると、今はまだ魔女自身も気づいていませんでした。


「この花の花粉をスープに含ませお妃様に飲ませてあげてください。きっと容態が良くなると思います」


魔女は王子様にそう告げるとその場から姿を消しました。


何故魔女がお妃様の状態を知っていたかは謎ではあったが、王子様は"Rapunzel"を手に従者の元へ向かうと皆と合流しお城に戻りました。


「身体の方はどうだ?ほら、君が言っていた"Rapunzel"だ」


「あら!見つけてきてくれたのね。とても綺麗!この色はローズピンクかなぁ?珍しい色ですね。探してくれて…ありがとう。この香りも大好きなの」


「この花が咲いていた場所はとても美しかったよ。一面にこの花が広がっていてね、君にも見せてあげたいと思ったよ」


「まぁ!素敵な光景だったのですね。今度は(わたくし)も御一緒させてくださいね」


「あぁ、勿論だ」


「この"Rapunzel"はどうやって見つけたのですか?」


「それは、この花が咲いている場所を教えてくれた人がいたんだ。そしてその人が言っていたんだ…」


"この花の花粉をスープに含ませお妃様に飲ませてあげてください。きっと容態が良くなると思います。"…と。


王子様は従者に頼み、花の花粉を取りだしスープに含ませお妃様に飲ませました。

するとお妃様の病が治り、顔色がとても良くなったのです。


それから少し月日が流れ、王子様とお妃様の間にとても可愛らしいプリンセスが産まれました。


プリンセスの髪色が"Rapunzel"と同じローズピンクであることに王子様とお妃様は少し驚きましたが、愛らしい姿に笑みが自然と(こぼ)れるのでした。


王子様とお妃様はプリンセスの名を「ラプンツェル」と名付けるとパーティーを開き御披露目しました。


ラプンツェルは、それはそれは大切に育てられました。


「ラプンツェルの夢」を読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

この物語はグリム童話「ラプンツェル」を元に書いています。

童話とはまた少し違うお話ですが、読んでいただけたら嬉しく思います。


そして感想なども頂けたら嬉しいです(*´ω`*)

           

            Megu(*´∀`)

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