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幼なじみは、僕の母親!?  作者: じんべい
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聖霊

第6章


〔精霊〕



次の日、友生は不思議な夢で、目が覚めた。


真っ暗な闇の中、両側から押し潰されるような感覚、息苦しい。

もがいても、もがいても、抜け出せない…


そんな、闇の中をさまよっている友生の前に、

1人の女性が現れる。


そう、昨日夢の中で見た、あの女性だ。


昨日は、誰だかわからなかったが、なぜか今日は、ハッキリとわかった。



「憂稀…、」


大人になってはいるが、確かに憂稀だ。


憂稀は友生の前に立つと、


「お願い、友生、みんなを、この世界を救って…お願い…」


とても悲しそうな目だった。


そう言い残すと、憂稀は何かに引っ張られるように、それでも友生の目を見つめながら、闇の中に消えて行った。



友生は憂稀が消えて行った、真っ暗な闇に向かって、精一杯腕を伸ばした。


「憂稀!憂稀!!ゆう~き~!!!」




友生は、ハッと我に帰った。多分、目は覚めてるはずなのだが、まだ目の前は真っ暗だ。


ただ、さっきの夢と違うところがあった。


さっきまで両側から、押し潰されそうな感覚だったが、今は、両側に柔らかく暖かい物が、友生の顔を包んでいた。



何だろうと思い、手を伸ばし、触ってみると、柔らかい。


まるで柔らかい餅みたいだ。


そして、さらに触っていると、


「アンッ、トモキ~ッ。」


「ん?スーの声??」


ちょうどその時、



ドドドドドドドド!



誰かが階段を、駆け上がって来た。


ガチャ!


「ちょっと、スー!友生のベッドで、なにやってんの!!」



「オー、ユウキ、オハヨーゴザイマス。」


「オハヨーじゃないでしょ!って、あなた裸じゃない!?」


「オー、チガイマ~ス、チャント、パンティーハイテマ~ス。」


スーは、布団をめくり、パンティーを見せた。



「見せなくていいから…で、なんで友生のベッドにいるのよ!」


「ワタシ、トモキヲ、オコシ二キマシタ。

トモキノオカアサン、イッテマシタ。

イツモ、ユウキガ、パンティーミセナガラ、トモキヲオコシテルッテ。」



「違う違う!いや、違わないけど…

ちゃんと服は着てるもん。

友生も、いつまでスーの胸に頭を突っ込んでんのよ!!」



憂稀は友生の衿を掴むと、スーの胸から引っ張り出した。


友生は、いきなり目の前が明るくなった。

そして、何もつけてないスーの胸が目に飛び込んできた。


「わっ、わっ!わぁ~!」


友生は、すぐに目を後ろに反らした。

しかし、反らした先には、鬼のような形相をした、憂稀が立っていた。



「友生~、あとでゆっくりと、話をしましょうか。

スーは早く服を着なさい。」


「ハーイ、ワカリマシタ。」


スーは、ベッドから降りると、パンティー1枚のまま、友生の部屋から出ていった。




しばらくして、3人が玄関から出て来た。


いつもと同じ通学路だか、いつもと違う光景があった。


いつもは友生の隣にいる憂稀だが、今日は不機嫌そうに、友生の後ろを歩いていた。


そして、いつもは憂稀が居た場所には、スーがベッタリと友生の腕を組んで歩いてる。


友生は、たまに憂稀を気にして、後ろを振り向くが、憂稀は目を合わさない。


「友生のバカ…」



3人が、学校に着き、憂稀が下駄箱を開けると、

中に手紙のような物が入っていた。


「何だろ?手紙…?」


憂稀は、誰にも気付かれないように、手紙を取り出し、ポケットに入れた。


教室に向かってる途中も、憂稀は手紙の事が気になっていた。


「誰からだろう?友生じゃないよね…」


憂稀はチラッと友生を見たが、スーにベッタリとまとわり付かれ、迷惑そうな顔をしてる。


これといっていつもと変わらない様子だった。



そこへ、いつものように、翔が現れた。


「オッス、友生。今日も相変わらず顔色が悪いな。アハハ」


友生の方をポンと叩き、


「あれ?今日は憂稀ちゃんが、隣にいないんだ。

ケンカでもしたの?」


「いや、そういうわけじゃないけど…」


友生が憂稀に助けを求めようとするが、どこか憂稀は上の空だ。


「憂稀、憂稀ってば。」


「え?!あ、うん。スーが押しかけて来ちゃって、友生にベッタリなの。」


「へ~、スーちゃんがね~。モテる男は辛いね~。」



翔は友生の肩をグッと抱き寄せた。そして耳元で、友生にしか聞こえないような、小さな声でささやいた。


「今日の放課後、大切な話がある。屋上に来てくれ…」



友生は「え?」っと思ったが、「あの翔がこんなこと言うなんて、ただ事じゃない。」直感的にそう思い。小さくうなずいた。


「じゃあな、友生!!」



翔は、すぐにいつもの翔に戻り、笑顔で去って行った。



その日の昼休み、トイレの中で手紙を読んでる、憂稀の姿があった。


封筒の表には「神成 憂稀様」


裏に差出人の名前はない。


封を開け、手紙を読んでみると、


「突然、このような手紙を差し上げ、申し訳ありません。

ただ、どうしても、神成さんに上地君の事で、伝えておかなくてはならない事があるので、今日の放課後、1人で屋上に来て下さい。

氷河 透 」



「氷河君?何だろ、友生の話って…」


憂稀は少し不安な気持ちになった。


その日の放課後、友生が帰る用意をしてると憂稀が、


「友生、ゴメン。今日、清美達と一緒に帰るから、先に帰ってて。スーちゃんがいるから、大丈夫だよね?」


友生は、何かいつもの憂稀とは違う感じがしたが、翔との約束もあったので、


「うん、わかった。僕も翔と約束があるから、また明日ね。」


「うん…。」


憂稀は無理矢理、笑顔を作り友生を見送った。


友生は屋上に行く前に、スーを玄関まで送って行った。

なかなか1人で帰ろうとしないからだ。

今日は一緒の部屋で寝ていいという条件で、やっと説得した。



友生達が、下駄箱に着くと、帰ろうとしている、清美と香を見つけた。


しかし、そこには憂稀の姿はなかった。


「あれ?水川さんと花咲さん、憂稀は一緒じゃないの?」


「憂稀?ううん、知らない。友生君達と、一緒に帰るんじゃないの?」


「いや、憂稀が「水川さん達と一緒に帰るから、先に帰ってて。」て言ってたから。



「ん?でも、憂稀ちゃん、さっき屋上の方に向かってたよ。」


香が思い出したように言った。



「屋上…?」


友生は、胸騒ぎがした。


「ゴメン、スーをお願い!」


そう言い残すと、友生は屋上に向かって走って行った。




屋上では、もうすでに憂稀が透に会っていた。



「氷河君、友生の大事な話って?」


「あまり、大きな声じゃ言えないから、もう少し近くに来て。」



憂稀はゆっくりと近づいた。


手を伸ばせば届きそうな距離に来ると、透は手を伸ばし、黙ったまま憂稀のおでこに、人差し指を当てた。


すると、その瞬間、憂稀は意識を失い、透に倒れ込んだ。



「君は死なせたくないからね。」


透はそう言うと、憂稀を抱き上げた。


その時、


「ガチャ!!」



「ハァ、ハァ、ハァ…」


今にも倒れそうな友生が入って来た。


そして、憂稀を抱いて立っている、透を見つけた。


「憂稀!!!」

「氷河!貴様、憂稀に何をした~!!」


こんな友生は見たことがない。


「上地 友生…なぜ、お前がここにいる?」


「そんなことはどうでもいい!憂稀を離せ!」


「ふん、まあいい。どうせ、お前も後で始末するつもりだったからな。」




「そんな事はさせないわ!!」


友生は、聞き覚えのある声に振り向いた。


そこには、緑、清美、香、スー、の4人が立っていた。


「君達、なんでここに?」


4人は、顔を見合わせ、


「当たり前でしょ、私達はあなたを守るために、生きているんだから。」


清美は友生の目を見ながら言った。


「さぁ、憂稀を助けるよ!」


緑の言葉と同時に、4人は駆け出した。


「アハハ、それはどうかな?」

「僕達もいるんだけどな。」

「イエス!」



右から、レイが、左から、冬季と光が現れた。


「あなた達も…?」



「さてと、これで全員揃ったわけだ。

それじゃ、始めるとするか、精霊戦争を。」






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