re: azure
こんにちはこんばんは。
桜雫あもる です。
今作は、次回の恋愛ファンタジー大賞に応募するための作品のつもりです。
そのため、かなり急ピッチで仕上げるつもりでいます。
「紙飛行機」という題材は、友人にどんな話がいいかお題を決めてくれと強引にリクエストした結果提案されたものです。
これは以前この友人が書いた小説の題材でもあり、同じ題材で頑張ってみよう、ということで書き進めることを決意しました。
〆切に間に合うかはかなり微妙ですが、今は熱意が消えてしまわないうちに少しでも多く文を書きたいので、新規作品を執筆しています。
筆者が以前から手がけていて、何ヶ月も、下手をすれば年単位で更新が止まっている連載小説のほうを心待ちにしてくださっている方には、本当にご迷惑をかけます。
もちろんそちらのことも忘れていません、これが終われば必ず投稿してみせます。今も少しずつ書いてはいるのですが、設定を凝りすぎてにっちもさっちも行かないというのが現状です。
最近どんな文体で書こうか悩んだりもしているのですが、それよりもまず味のある小説を書くための知識を学生生活の間に吸収したいと思っております。
どうか生温かい目で見守ってくださいませ。
それでは、目眩く図書の世界をご堪能あれ。
「うあああーっ!」
おおよそ年頃の女子学生に似つかわしくない雄叫びを上げながら、少女は勢いに任せて右腕を空に向かってぶんと振った。
その手に握られていた白いなにかが推力を得て冷たい空気をかき分ける。
なにかは、すぐには墜落しなかった。
重力から自由になるための揚力が、その白い体躯を夕焼けの空に止まらせる。
飛翔を命じた少女の眺めるまえで、白いなにかは風を切り、風を切り、重力の一部を推力としながら、照り映える夕日に近づいて、やがて波間へと吸い込まれた。
少女はそれを最後まで見つめていた。
その白い体躯が広い海原に呑み込まれるのをずっと見ていた。
そして少女はまた叫ぶ。
「……紙飛行機のばかやろーっ!」
少女の期待に副えなかった一片の紙飛行機は、口数少なく海光の真中に沈んでいった。
「…………」
目元の涙を袖で拭う少女は、紙飛行機の落ちた一点を睨みながら悪態を吐く。
恨めしそうな、それでいて悲しみに打ち拉がれた、少女の声で。
「紙飛行機の………ばかやろう」
水平線の向こうでは、瑠璃色の光が瞬いていた。
ここから、時間は数日前に遡る。