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テンカノ~10人の彼女たち~  作者: あいかわまこと
序章 恋の始発駅
3/5

彼女の作り方

学校に着くと他の生徒たちも学校に向かって歩いていたり、自転車に乗っていたりたくさんの生徒が登校している。


「おはよう!」


「おはよー!昨日さー・・・」


あちらこちらから生徒たちの声が聞こえてくる。


オレの通っている学校は餃子の街「うつのみや」の駅から近い場所にある「うつのみや餃子学園」という共学の高校だ。


生徒は全校生徒を合わせると3000人くらい。そのうちの約半分が女子である。


学校に着いたオレは、愛車のママチャリを自転車置き場に止めて下駄箱に向かい歩き出す。


今朝は日差しが強い。今日も暑くなりそうだ。


並木道を歩いて下駄箱に着いたオレは上履きを手に取り、上履きに履き替えようとしていると後ろから声が聞こえた。


???「まこっちゃん!おはよう!」


振り返ると、同じクラスメイトのイケメンスポーツ万能の秀才生きるイケメンこと「一条 光」(いちじょうひかる)が歩いてきた。


彼はクラスの人気者で頭も良く、性格も良く、スポーツも万能で男子からも女子からも信頼されている。しかもイケメンなのでオレとは逆にモテる。


一条くんも上履きに履き替えてオレたちは、校舎の階段を二階に上りながら自分達の教室に向かった。


オレ「やあ、一条くんおはよう・・・」


一条「どうした?まこっちゃん今日は元気無いね?」


オレ「いやー、今朝さあ、学校に来る途中に他校の高校生カップルが居て・・・」


一条「うん、それで?」


オレ「朝からいちゃいちゃしてるカップル見るとテンション下がるよね。」


一条「あーそういう事!じゃあ、まこっちゃんも彼女作っちゃえば?」


オレ「いや、オレはモテないし・・・

女の子の友達も居ないし彼女欲しいけど作り方が分からないよ。」


一条「いやいや、まこっちゃんなら出来るよ」


オレ「いや無理だよ。もしかしたらオレこのまま一生彼女出来ないかもしれないし」


一条「大丈夫だって!まこっちゃん好きな女居ないの?」


オレ「好きな女?今は別に居ないけど・・・」


一条「じゃあ彼女を作ろう」


オレ「どうやって?」


一条「とりあえずまこっちゃんイメチェンしてみたら?」


オレ「イメチェンて何?どうすればいいの?」


一条「うーん・・・そうだな・・・」


そのまま教室に入ると、クラスメイト達が先生が来るまで朝の時間をそれぞれ自由に過ごしている。


ちなみにオレの席は窓際の後ろから二番目で一条くんはオレの前の前の席だ。


オレと一条くんは他のクラスメイト達と軽く挨拶を交わすと自分の席にカバンを置いた。


一条「そうだ!まこっちゃんにコレ貸してあげるよ」


そう言うと一条くんは自分のカバンから雑誌を取り出してオレに手渡した。


雑誌の表紙にはこう書いてある。


「月刊イケてるうつのみや」


・モテ男ヘアスタイル特集


・夏の最新ファッションで差をつけろ!


・これはダメ!女の子に嫌われるNGワード


・今月のベストカップル高校生・・・etc


オレ「ありがとう。一条くん・・・これは?」


一条「とりあえずそれ読んでみてよ」


そう言ったまま一条くんはオレに背を向けると自分の席に戻ってしまった。


オレの机には「月刊イケてるうつのみや」だけが残されていた。


先生「ハイ、おはようー!」


ちょうどその時、教室に先生が入って来た。朝のホームルームが始まる。


慌ててオレは雑誌を急いで机の中に入れた。


もしかしたら、この雑誌に彼女の作り方が書いてあるのだろうか?


それとも告白の仕方とか台詞とか?


まさか、これを読めばオレもイケメンに・・・?


期待と不安がオレの心を揺さぶる中、オレは窓から雲一つない綺麗な青い空を眺めて居た・・・。


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