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テンカノ~10人の彼女たち~  作者: あいかわまこと
序章 恋の始発駅
2/5

モテない男子高校生

オレの名前は「愛川誠あいかわまこと」17歳。

北関東栃木県最大都市にある餃子の街「うつのみや」に住む高校二年生。


先日誕生日が来て17歳になったばかり・・・ついに彼女居ない歴17年目に突入してしまった。


中学時代は女子とまともに会話も出来ず、彼女はおろか女子の友達すら出来なかった。


高校に行けば彼女や女子の友達くらい簡単にできるだろうと考えていたのだが・・・現実は残酷だ。


気が付けば、そのまま高校二年生となり一人ぼっちのまま17歳になってしまっていた。


でも、もうすぐ夏休みだ!


夏休みと言えば海やプールやお祭りやイベントが盛り沢山!きっとかわいい女の子と出会って仲良くなってそのまま彼女になって・・・


今日も朝からそんな妄想をしながら、オレは学校へと向かう。


オレの愛車は赤色のママチャリ。通称「ベンツ」。


朝日が眩しい中、自転車のペダルを軽快にこぎながら学校に向かっていた。


ちょうど横断歩道の信号が赤になったので、自転車を止めて交差点で信号待ちをしていた。


・・・その時だった。


横断歩道の信号待ちをしている所に仲の良さそうな他校の高校生カップルが居た。


カップルの会話が聞こえてくる。


男子「今度の休みどうする?」


女子「買い物いきた~い」


ああ・・・朝から羨ましいなあ・・・。


みんなどうやって彼女作ってるんだろう??


てか、朝から一緒に通学ってどっかで待ち合わせ?


ま、まさかお泊り!?


そんな事を考えていると横断歩道の信号が青になった。


オレはその場を逃げるように、立ちこぎしながら全力で自転車のペダルをこぎ始めた。


彼女が欲しい・・・。


でもオレはモテない。


モテないどころか、女の子とまともに会話が出来ない。


女の子と目が合わせられない。


もはや目が合ったら好きになるレベル。


まず女の子と仲良くなる前に嫌われたらどうしよう?って先に考えてしまい、自分から身を引いてしまうタイプ。


どうする?どうすれば彼女ができる?


それにしても、どうしてカップルはあんなに自然に彼女と会話出来るんだ?


特訓か?どこかに恋愛塾でもあって特訓したのか?


学校の授業でも「恋愛」という科目があって女の子との目の合わせ方や女の子との喋り方・彼女の作り方とかやった方がいいんじゃないか?


いや、むしろやるべきだ!


だいたい、社会の授業で昔の歴史を学んでもテストに出るだけで生活をする上で徳川家康がいつ幕府を開いたとか、数学で因数分解やら一次方程式なんて学んでもリアルな生活でそんなの知ってたって彼女は出来ない・・・。



だけど「恋愛」は別だ!「恋愛」の先には「家庭」を持ち生活を行う上で、やがて子供に恵まれてこの少子化問題を解決するに違いない!



「恋愛」こそ学校の授業に導入すべき!「恋愛」こそ学ぶべきだ!オレがモテないのも、オレに彼女ができないのも全部大人が悪い!社会が悪い!


くそー!オレも彼女欲しい!


恋人が欲しいいいいい!!


何故だ?何故オレはモテない?


このまま自転車をこいでいれば曲がり角でパンを咥えたまま走ってくる謎の美少女転校生とぶつかって恋に落ちないかな・・・。


謎の美少女転校生「あー!あんた今朝の赤いママチャリの人!」


オレ「あー!君は今朝のパン咥えたまま走ってた子!」


先生「ん?なんだおまえら知り合いか?じゃあ愛川の隣の席でいいな?教科書見せてやってくれ」


オレ「あの・・・今朝はごめんね。」


謎の美少女転校生「ううん、私の方こそ・・・急いでたから」


オレ「じゃあ、オレの机と君の机くっつけるね。教科書一緒に見よう。」


謎の美少女転校生「ありがとう。愛川くんて彼女居るの?」


オレ「え?居ないけど・・・突然どうして?」


謎の美少女転校生「好き」


オレ「えっ?」


謎の美少女転校生「付き合って」


オレ「いいとも」


そんな妄想をしながら気付くと学校に着いていた・・・。




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