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学パロ短編集  作者: 都神
学パロコラボSS
17/22

ひな祭りにお願いっ☆

クレイジーサイコシスコン(直樹とアレックス)コンビのひな祭り。

 遠くから部活動に励む生徒の声が聞こえてくる。オレンジ色の西日が差し込む家庭科室に、突然親王飾りが姿を現わした。持ってきたのは暴食トリオのハゲタカこと白井直樹で、ひな人形の前でパン、パン、と柏手を打っている。

 

 暴食トリオのオオカミことリアトリスが、神前特性ひし餅風ミルフィーユを食べながら、不思議そうに首を傾げた。

 

「……直樹、なにやってるですかー?」


 暴食トリオのハイエナ瑠美も不審そうに眉を顰める。

 

「もう3月3日もおわりですよー?」


 直樹は初詣ばりの熱心さでひな人形に祈りを捧げたのち、ふっと顔をあげて2人を見た。

 

「だからだよ。これからこの雛飾り、一週間くらい飾っておくんだ」


 紅茶の準備をしていた神前もとうとう直樹に不審そうな目を向ける。直樹は突き刺さる3つの視線を意に介さず、すこぶる真剣な表情でもって、聞いただけで呪われそうな低い声を絞り出した。

 

 

「――1年1ヶ月1日1分1秒でも、姉さんの婚期が遅れますように、って」



 リアトリスと瑠美は顔を見合わせ、神前は家庭科室から勢いよく逃げ出した。

 

 ◇

 

「……アレックス、3月3日はそろそろ終るぞ……?」


 たまたま職員室に顔を出した深夜が、隅の方にあらわれた親王飾りを見て首を傾げる。ひな人形の前では体育教師のアレックスがなにを勘違いしたのか真剣な表情でパン、パン、と柏手を打っている。日本暮らしの長いアレックスなら知っているかと思ったが、なにか勘違いしているらしい。

 

「ひな人形はお祈りするもんじゃないぞ」


 深夜の言葉にアレックスがふと顔をあげ、口元だけ笑った。目がまったく笑っていない。

 

「いや、これでいいんだよ。これから一週間くらい、ここに飾っておこうとおもってね」


「なんでだよ」


 そうして彼は、家庭科室の男子生徒が言った様に――すこぶる真剣な表情でもって口元だけで笑い、聞いただけで呪われそうな低い声を絞り出した。

 

 

「――1年1ヶ月1日1分1秒でも、リリーの婚期が遅れますように、と思ってね」


 

 壮絶な笑顔を目の前にして、深夜は背筋に薄ら寒いものが走り――職員室から勢いよく逃げ出した。

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