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七話

 それなりに楽しかった中等部が終わるとエスカレーター式なので自動的に高等部に上がる。気合を入れて挑むもやはり肝心の佐藤美紀は見当たらない。悔しい、まさか探し足りなかったのかと肩を落とすも、高等部にいないはずはないと首を振って耐える。今の桃理なら権力もあるので多少の我儘を通せるが、もっとコネ作りに励んだほうが良いのかもしれない。

 中等部で生徒会役員になったことから、高等部では認知度が高くファンもいる。なので、初っ端から飛ばして一年で生徒会入りして、自分の派閥をもっと勢力拡大させて学園を支配下に置くような悪役的行動とかしてみようと思う。全て成功するとは思わないがなかなか良い案のように思える。

 桃理の支持率は当たり前のように東洋系の龍、そして西洋系の竜にも有効だ。後はロリコンの変態や妹系が好きな百合の影がちらつく者で、龍や竜以外のノーマル思考の女子には激しく嫌われているが、桃理の後ろには夜理がいるので嫌がらせとか悪口はない。中等部のフルボッコ事件から同じことはなくなったのだ。さっすが自分の手駒だと褒めたら積極的に桃理の悪口を叩く奴は潰されるようになった。今では一部の女子達に怖がられてさえいる。

 原作でも夜理は強かったが真面目に修練してきた結果だろう、純粋な強さならおそらく世界でも上から数えたほうが早い。これならどんな相手でも怖くないと桃理は他力本願バリバリになるくらいだが、佐藤美紀の能力が龍殺しとかだったら不利なのはこちらだ。並の龍殺しの能力じゃ殺すことはできないが、どんな能力を持っているのか分からないのは正直怖い。なるべく慎重に調べて相手をしたい。

 派閥を広げるのは決定。龍と竜以外にも交流を広げたほうが良いかもしれない。幸い、生徒会だったので生徒会系のキャラ達とは交流があるけど、副会長予定の妖狐である真に完璧に嫌われているのでもう一人の副会長も敵に回る可能性があり、庶務予定の淫魔の灯魅は桃理より佐藤美紀を気に入ってしまえば手のひらを返したようにエグイ手だって使うし、生徒会長の紅夜に至っては全く読めない。無表情ってわけじゃないが、好感度が高くても低くても浮かべる表情は微笑。書記だけが唯一平気だが、補佐達は夜理が居れば手出ししてこないはず。誰も進んで虎の尾など踏みたくはない。風紀委員達からは桃理のキャラとバックに夜理がいることで苦手意識持たれているし、他キャラはどんなのがいただろうか。取り込めそうなのは味方にしておこう。

 高等部の目標は地盤を築くこと。万全の状態にしてアウェー感満載の中で復讐してやる。

 佐藤美紀のことを思うだけで心が満たされていく。憎しみは留まることを知らないほど湧く。

――絶対に許さない。

 もう、思い出せない顔を浮かべながら桃理はナイフの痛さに浸り体を震わせる。


今回は短めです。


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