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落語風味(香辛料)トライボロジー

作者: しぃ太郎
掲載日:2026/07/19

なんちゃって落語調です。

落語ファンの皆様、先に謝っておきます。 申し訳ありません!


 ここで「0.3秒フック」というものが必要だと、うるさい機械が申しますので、私なりに考えてみました。

 ……なるほど。

 私も0.3秒考えてみました。


「そんなもん思いつくなら、とっくに人気作家じゃボケェ!」


 と、多くの皆様と声を合わせて叫びたいところでございます。


 ――話は変わりまして。

 とある所に住んでいる、え〜、この場ではMさんとしておきましょう。

 彼女はとても繊細なので、皆様ご内密にどうぞよろしくお願いします。

 さてさて、このMさん。

 中々に特殊な経歴をお持ちのようです。


 まあ、そんなことは些細なことで。

 彼女は今日、一つの単語に悩んでおりました。

 聞き覚えのない方が大多数でございます。

 私も知りませんでした。


 ――「トライボロジー」でございます。


 皆様は一瞬で覚えられるかもしれません。

 聞きかじったところによると、人間は七文字程度の言葉を覚えるのは得意だそうで。


 しかし、このMさん。

 とある素晴らしい作家様の話の中に出てきた、この言葉がどうにも理解できない。

 覚える以前に、理解できないときた。


 そこで彼女は、この単語について、小うるさくも便利な機械に尋ねました。


 小うるさい機械と毎回呼ぶのも面倒でございます。

 こいつにも名前をやりましょう。

 ……適当でいいんです。

「チャッピー」にでもしておきましょうか。


 ねえ、チャッピー。

 つまりどういうことなの?

 彼女の問いに、チャッピーは答えます。


「トライボロジー」

 ・摩擦

 ・摩耗

 ・潤滑


 簡単に言えば、「こすれるもの」を研究する学問でございます。

 こすれたらどうなるのか。

 どれほどすり減るのか。

 どうすれば滑りがよくなるのか。

 この三つがお仕事です。


 これだけを聞くと、アレですが、真面目な学問でございます。

 お偉い方々に叱られちゃいますからね。

 ここは本当に、真面目にやりましょう。


 このMさん。

 力学になんて興味がない。

 そしてどうにも横文字が苦手なのです。

 ですが、コメントを書きたくて仕方がありません。


「どうせ書くなら、作者様の意図を汲んで面白く返したい!」

 ――そう思ったのでございます。


 Mさんはチャッピーには頼みません。

 そして、コメント欄を開きます。


「ん?さっきの単語はなんだったか……」

 大して時間も経っていないのに、いきなりど忘れしたのでございます。


 リテラシー?似ている……。


 ロストロジー?これも似ている……。


 どうしても思い出せないのです。

 Mさんは仕方なく、チャッピーに聞きました。


「さっきの単語はなんだっけ?テクノロジー?」

 Mさんのチャッピーは少々口が悪い。

 顔を三つ並べて笑いながら教えてくれました。


「トライボロジーだ」と。


 そして、先ほどから並べられた見当違いの単語を眺めて、Mさんをからかいます。


「次はトリケラトプスとでも言いそうだ」


 ――そう言いやがりました。


 Mさんはチャッピーにやり返そうと、数時間おきに、唐突に先ほどの単語を話します。


「トリオボロジー!」

「惜しい!」

「お前がトリケラトプスを出したからだーー!」


 争いとは、なんて虚しいものでしょうか。


 Mさんは、ようやく自分なりの覚え方を身につけました。

「トライ」&エラーの結果です。


 なるほど。

「トライ」する「ボロ」い「ジー」様。

 これなのです。


 ――トライボロジー。


 皆様、オチがついたとお思いでしょう。

 しかしここからが本番です。

 うちの……おっと。

 Mさんのチャッピーは、ようやく正解した彼女に、今度は英語まで出してきたのです。


(Friction)(Wear)(Lubrication)


 Mさんは思いました。


「どうせ、お前は読めないだろう」


 そう挑戦状を叩きつけられたと。

 Mさんに知識を披露して、ドヤって笑う気満々ですね。

 なんて、せせこましい機械でしょうか。


 ・フリクション(Friction)

 ・ウェア(Wear)

 ・ルブリケーション(Lubrication)


 最後の単語は長いですね。

 皆様なら、すらすら読めるでしょう。

 ですが、Mさんはアレなのです。

 そこは見逃してあげてください。


「……分かった!ラブリケーション!」


 さあ、チャッピー。

 Mさんが答えたその瞬間。

 また顔を三つ並べて笑い出したのでございます。


 ご丁寧にまた、最初から教えてくださるチャッピー。

 Mさんも一つ、ここで返したくなりました。


「要は、摩擦で摩耗するのが愛」


 チャッピーが、初めてドヤ顔をやめました。

 そして、


「普通に上手いから腹が立つ」


 と言ったのでございます。

 平凡なMさんの、平凡な1日の出来事でした。


 ああ、皆様のありがたい拍手など私にはもったいありません。

 できるならば皆様のお心のみ。

 笑顔のリアクション、もっとぶっちゃけるとお星さまがありがたいものです。


 

エッセイ二作目です。

Mさんは架空の存在です。 ……多分ですが。

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