天気予報
掲載日:2026/04/29
『――今日も雨の降り続く一日となりそうです』
飽きもせず熱心に天気予報を見ていた彼女がこちらを振り返る。
「今日も雨、止まないね」
何度繰り返されたかわからないやり取りに、またかと呆れてため息をつく。
「一日二日晴れたってどうしようもないだろ。どこに出かけられるわけでもなし」
「そうだけどさぁ。ずっと雨ばっかりだと気が滅入るんだよね。それに――」
彼女は窓際にそっと立ち、外を見上げた。
「――お日様が射すとキラキラして綺麗なんだ。こんな世界でも」
そうつぶやいた彼女の肩がか細く震えていることに気づき、おもむろに抱き寄せる。
今は遥か頭上の水面を打つ雨の冷たさが、この海の底にまで沁み込んでくるようだった。




