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猫課長( ΦωΦ )  作者: 櫻木サヱ


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8/15

朝礼でのaccident☆

朝9時。

営業部フロアに全員が揃い、いつものように朝礼が始まる。


部下A「では、加藤課長。ご挨拶をお願いします」


加藤課長は堂々と前に立つ。

威厳そのもの…のはずなのに、部下たちはすでに内心ざわついていた。


(今日の課長…ちょっと機嫌よさそう…?)

(いや、耳の角度が…なんか可愛い…)


もちろん言えない。

言った瞬間に終わる。


加藤課長「おはようございます。本日は――」


その時だった。


カサッ……


朝礼スペースの端で、誰かが紙袋を動かした音がした。


加藤課長の耳がピクリ。


ほんの一瞬だが、誰もが見た。


(……動いた…?)

(やばっ、可愛い……いや違う、課長!課長だから!!)

(私の集中力が終わる…!やめて…!)


加藤本人はまったく気づいていない。

気づくはずがない。威厳の塊だ。


加藤課長「本日は15時から、社長が視察に来られます。各自、応対の準備を――」


再び、カサッ。


今度は紙袋の中から、パンの甘い匂いが漂ってきた。


加藤の目が、一瞬だけ細くなる。


(……甘い……)


完全に無意識。

心の声は本人にしか聞こえない。


が、その一秒の“間”が、部下たちには衝撃だった。


部下B(今…絶対、匂いに気を取られたよね!?)

部下C(明らかに可愛い…いやちがっ…落ち着け私!!)

部下D(課長が匂いに気を取られるとか尊…あっいや仕事中!!)


しかし加藤課長はすぐに平静を取り戻す。


加藤課長「――というわけで、以上です。何か質問は?」


「「「……ありませんっ!!」」」


皆の声が揃いすぎて逆に不自然。


加藤課長は首をかしげる。


加藤課長(今日は妙に反応がよい…。

いや、部下が優秀なのは良いことだ。うむ。)


満足げに頷いた瞬間――


ぽとっ


後ろの机から、ペンが一本落ちた。


その音に、加藤課長のしっぽ(※想像)が反射的に跳ね上がる勢いで、身体が一瞬だけピンッと伸びた。


部下たち(やばいやばいやばい!!!)

部下たち(今の可愛さは反則!!!)

部下たち(でも声に出したら終わる!!!!)


朝礼の緊張感はどこへやら。

みんな心の中で絶叫していた。


加藤課長は気まずそうに咳払いを一つ。


加藤課長(驚くのは、いけないことではない。

ただ…もう少し、落ち着かねば…)


本人は必死に威厳を保とうとしていた。


部下たちは思う。


(課長…必死で可愛い……)

(いや違う!必死で“偉い”の!)

(でも可愛い……)

(違う違う違う!!)


朝礼終了の声がかかった瞬間、全員が一斉に散っていった。


誰も気づかないフリに全力を注ぎながら。


加藤課長だけが、堂々と胸を張ってフロアに戻る。


加藤課長(よし。今日も完璧だ)


――完璧に可愛いと思われているとは知らずに。


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