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猫課長( ΦωΦ )  作者: 櫻木サヱ


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6/15

朝のSpeechは危険がいっぱい☆

朝8時55分。

営業部フロアには、いつもより妙な緊張感が漂っていた。


理由はただひとつ。

今日はミスティ課長が“全体朝礼スピーチ担当”の日だから。


佐伯「山根…大丈夫かな…」

山根「いや…毎回ギリギリなんだよね…猫だってバレそうでバレない、あのスレスレ感…」


佐伯(心の声:課長、今日も絶対やらかすけど…なんか奇跡的に誤解で乗り切るんだよな…)

山根(心の声:前回なんて、レーザーポインタ追っかけて“社員の集中力をテストした”って誤解されて褒められてたし…)


8時59分。

トコ…トコ…トコ…


フロアの隅から歩いてきたのは、堂々とした姿勢のシャム猫。

ミスティ課長である。


課長「全員、整列しろ」


社員一同「お、おはようございます!!」


社員A(心の声:今日も綺麗すぎる…なんなのあの毛並み…)

社員B(心の声:威厳ある声なのに、見た目が天使のシャム猫なのずるい…)


課長は演台(猫用の高さ調整台あり)にピョン、と軽く飛び乗る。

その瞬間——


ピャッ…!


ふわふわのしっぽが、軽く社員の頬をかすめる。


社員C(心の声:うわああああ!しっぽが…ほわほわ…ッ!!)

社員D(心の声:死ぬ…!朝から天使アタック…!)


課長は気づいていない。

あくまで“威厳あるポジション取り”をしただけだ。


課長「今期の営業方針について話す」


声は堂々。

でも、風が吹いてヒゲがふるふる揺れてる。


社員E(心の声:ヒゲ…ゆれてる…可愛すぎて耳に内容入らん…)

社員F(心の声:でもスピーチ自体は普通にしっかりしてるのが余計にギャップ…)


課長は続ける。


課長「まず、顧客との信頼関係を——む?」


その瞬間、

フロアを横切っていく“赤いレーザーポインタの光”。


事務の人が使っていたレーザーポインタが誤って点灯したのだ。


課長の青い瞳が、

スッ…と一点を追う。


佐伯(心の声:やばい!!)

山根(心の声:課長ッ!耐えてッッ!!!)


課長「…………」


レーザーは床をツーッと滑る。


課長の後ろ足が、わずかに“タッ”と動く。

反応してしまったのだ。


佐伯(心の声:やばいやばいやばい!!!)

山根(心の声:飛ぶな!飛ぶな!飛んだら終わりだ!!)


だが奇跡が起きた。


課長はグッと踏みとどまり、

そのまま前を向いてスピーチを続けた。


課長「失礼。話を続けよう」


社員たちは「おぉ…」と感嘆。


社員A(心の声:あれ…?いま課長、危うく何かに反応した…?)

社員B(心の声:でも冷静に戻った…さすが…落ち着いてる…)

社員C(心の声:なんか…すごい集中力のある課長に見えた…)


そう、ギリギリ猫の本能だったのに

“冷静さを保ってエラーを修正した”

と誤解されている。


課長は続ける。


課長「次に、各担当の進捗管理についてだが——」


すると今度は、

後方の社員が落とした紙が、ひらひらと課長の横へ舞ってきた。


シャッ!


課長が無意識に前足で紙を押さえた。


完璧な猫パンチのフォーム。


佐伯(心の声:終わった…)

山根(心の声:いやこれ…無理…絶対猫にしか見えない…)


しかし。


社員D「す、すごい…!課長…紙が飛ぶ前に押さえるなんて…!」

社員E「反射神経ヤバ…!さすが課長…仕事速い…!」


全員が、

猫パンチ → “反射的な神対応”

と誤解。


課長は得意げに胸を張る。


課長「当然だ。基礎がなっていれば誰でもできる」


社員たち(心の声:いやできないわ!!)


だが誰も言えない。


スピーチは再び続く。


課長「最後に——」


その瞬間、

演台の端に乗っていた“ペン”がコトン、と転がり落ちた。


コロコロコロ…


課長の青い瞳が追う。


佐伯(心の声:あっ…)

山根(心の声:もうダメだ…耐えられない…)


転がるペンに、

課長はゆっくりと、

ゆっ……くりと前足を伸ばす。


チョン。


“優しくタッチ”。


静まり返るフロア。


社員A(心の声:……え?)

社員B(心の声:た、たっち…?)


だが課長は淡々と言う。


課長「……危うく社員の足元まで転がるところだった。事故防止のためだ」


社員全員「おおおおお……!」


社員C「課長…!細かいところまで気を遣ってる…!」

社員D「リスク管理の鬼だ…!!」


奇跡の全員誤解。


課長は満足げにうなずき、しっぽをゆっくり下ろす。


課長「以上だ。今日も励め」


社員全員「はいっ!!」


心の中(なんでこんなに可愛いのに威厳が保てるの!?)


トコ…トコ…と去っていく課長。


その背中は、

“猫のまま、なぜか圧倒的なカリスマを保つ奇跡の存在”

そのものだった。

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