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猫課長( ΦωΦ )  作者: 櫻木サヱ


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12/15

課長と職場

朝8時45分。

加藤課長はオフィスのドアを押し開ける。

今日も部下たちが揃っているか確認するのが日課だ。


(皆、まだ眠そうだな…)

課長の視線は鋭い。威厳を保つため、目はしっかり開けている。

でも尾(※想像)は少し揺れている。


「今日も一日、しっかり指導せねば…」


部下の佐伯が書類を整理している。

その手際は悪くないが、目線がたまに課長に向く。

加藤課長は気づいている。

(ちらっと見ているな…集中力を保て、佐伯)


次に山根がコーヒーを淹れている。

香りが漂う。

加藤課長(心の声:ふむ…香りの調整は悪くない。だが仕事の邪魔にはならぬように)


課長は自分が可愛いなどとは微塵も思っていない。

ただ、部下たちの仕事が円滑に進むかどうかだけに集中している。


午前中の会議。

課長は机の端に座り、資料を前足でちょいっと押す。

(人間から見れば可愛いかもしれないが、これはただ効率的な配置だ)


部下たちはひそかに息を呑む。

(課長…やっぱり猫っぽくて可愛い…!)

加藤課長は気づかない。

威厳を保つため、ひたすら真剣に書類と向き合っているだけだ。


昼休み。

課長は自分の席で書類整理中、ふと窓の外を見る。

(天気が良い…午後からも部下たちにしっかり働いてもらおう)


資料に頭を突っ込んでいる間、部下の加代がちらっと課長を見ているのを感じる。

(見られている…集中せねば…)

でも課長は「自分が可愛い」とは一切思っていない。

ただ、今日の目標を達成するために全力を注ぐのみ。


午後の外回り。

加藤課長は颯爽と歩く。

猫らしいしなやかさは無意識。

部下たちが内心ざわつくのも知らない。


(今日も完璧だ…)

心の中でそう思いながら、書類を片手に軽やかに歩く。

威厳は絶対に崩さない。


夕方。

フロアに戻ると、部下たちが黙々と作業している。

目線を確認しながら、軽く前足を動かして書類を整える。

(微妙な仕草かもしれないが、業務上の必要な動きだ)


部下たちは完全にノックアウトされている。

課長は気づかない。

なぜなら、今日も目標を達成したことしか頭にないのだ。


退社前。

フロアを一周して、書類や資料の最終確認。

(明日も部下たちがしっかり仕事できるように…)

そして、自分が猫っぽく見えるかどうかなど、考えもしない。


加藤課長は胸を張ってオフィスを後にする。

部下たちの心に残るのは、威厳と可愛さが絶妙に混ざった、ギリギリの尊さだけである。


――加藤課長目線では、今日も完璧な一日が終わったのだった。


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