課長とやすらぎ
夕方17時。
営業部フロアは一日の仕事が終わり、少しずつ静かになってきた。
部下A「ふぅ…今日も無事終わった…」
部下B「でも課長の動きで、心がなんかほわっとした…」
その頃、加藤課長はデスクで書類の最終確認中。
青い瞳は真剣そのもの。
…のはずなのに、前足の置き方や、座り方の仕草が絶妙に猫らしい。
部下C(心の声:あれ…課長、威厳あるのにちょっと丸くなってる…可愛い…!)
部下D(心の声:でも絶対本人は自覚してない…!そこが尊い…!!)
加藤課長は書類を片付けると、ふと窓の外を見やる。
夕日が差し込み、フロアの隅々を黄金色に染める。
加藤課長(今日はよく頑張ったな…部下も成長している…うむ)
心の中で、自分が可愛いだなんて思うことはない。
ただ、仕事を完璧にこなした満足感に満ちているだけだ。
しかし部下たちは違った。
部下A「課長…今日も完璧だった…」
部下B「でも…あの後ろ姿、ほんと猫っぽくて…」
部下C「威厳あるのに…可愛い…やばい…」
加藤課長は気づかず、デスクの椅子に座り直す。
その背中に、ふわっとした毛並みが揺れる…
誰もが思わず目を奪われる、見えない可愛さ。
部下たちはこっそりため息をつく。
(課長…完璧すぎる…でも可愛い…!)
(威厳と可愛さのバランス、反則だ…!)
加藤課長は資料を片付け終えると、静かに立ち上がる。
フロアに軽やかな足音が響く。
時折、椅子や書類の隙間にちょいっと前足をかけるしぐさ。
完璧な猫課長の締めくくり。
部下たちは思う。
(今日も癒された…
威厳ある課長に叱られつつも、心はほっこり…
あぁ…猫課長…やっぱ最強…!)
加藤課長はその全てを知らず、ただ静かに退社する。
加藤課長(明日も部下がしっかり仕事をこなせるよう、しっかり指導せねば…)
心の中は仕事モード全開。
可愛さなんて微塵も気づかない。
フロアには、ほのかな笑い声と、心の中で課長を見守る部下たちの尊い思いだけが残った。
――加藤課長の一日、完璧に終了。




