Ⅱ
パールピンクに塗装された楕円フォルムの高速小型宇宙船号。
名前がある事をみんなは知らないけどね。
第3エリアは大きさこそ正義な風潮があるため、静音小型化の特別仕様。
船は小さめだが、姫様含め4人で航行するには十分な大きさだ。
とはいえ、この第3エリアと呼ばれる空域にたどり着くまでにあった技術はもうすでに無い。
空域内完結な生態系が出来上がったため、星間ワープはすでにロストテクノロジーとなっている。
第3エリア製造の宇宙船で外宇宙の星間航路をどこまでいけるか不安ではある。
今や、空域外追放の処刑者以外で外宇宙の来訪者は滅多にないのだ。
一応、式典に来訪するフロンティアの使者の方から、近くの星間航路ステーションの位置は聞いてあるので、多分大丈夫と、思う。
姫様は16歳で母上を亡くされてから5年。
盟主の父当主を補佐をよく補佐をしてきたというのに、こんな報われない事になるとは。
若さとメイクで強引に保っているが、折れてしまった御心を思うと20歳を過ぎたばかりのはずなのに外見にまで心労が滲み出ている。
しょげてる顔がお辛かったが、思い切った決断をして晴れやかなお顔をされている。
航路ナビを見ながら進むこと3日。
いよいよ外宇宙・・・うわぁ、恐。
姫様の宇宙船号も、操舵手のあたし、ジェラルミンも外宇宙は初めてです。
第3エリアの空域を繋ぐ回廊と、星間航路合流場所にフロンティアのステーションがあるはずなので・・・自信のある顔で操舵します。
皆に不安に思わせてはいけまないから・・・。
いけませんから!
頑張れジェラルミン!




