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ガールズクロスライン 第2話(夜) 夏色ジャンプ

 目を開けた瞬間、潮風が頬を撫でた。

 見上げると、真っ青な空に無数の白い建物が浮かんでいる。

 その隙間から覗く海は、昼間よりも鮮やかで、まるで宝石を砕いたような青だった。


「いそいでいくよ!場所とられちゃう!」


 そう言って、彼女は軽く助走をつけ、空へ飛び出す。

 ビーチのパラソルが下へ遠ざかり、代わりに白い街並みが目の前に迫る。

 重力なんて存在しないかのように、彼女は宙を舞う。

 僕も足を踏み切った瞬間、身体がふわりと浮き上がった。


 空と海と街が交わる場所で、彼女がピースサインを決める。

 その笑顔は、朝の街角で見たものと同じだったけれど——

 光は、もう夏の昼でも夜でもない、不思議な色に変わっていた。


挿絵(By みてみん)

お読みいただきありがとうございます!

今回は「真夏の街角」と「空に浮かぶ白い街」を行き来するお話でした。

次回はまた違う朝と夜でお会いしましょう。



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