朝と夜
二つの時間を行き来する物語「ガールズクロスライン」第14話。
今回は、交差点で差し出される手と、夜に輝く大樹を描きます。
人波でごった返す交差点。ビルのガラスに反射する朝の光が、世界をまぶしく染め上げていた。
そんな雑踏の中で、彼女は不意に振り返り、笑顔で手を差し伸べてくる。
「ほら、迷ってないで! 一緒に行こう」
人々の足音やクラクションが響く中、その声だけが不思議とはっきりと届く。
差し出された手を取ると、体温が確かに伝わってきた。
「ね、大丈夫でしょ? 朝はちゃんと君を待っててくれるんだから」
都会の喧騒のただ中で、彼女の笑顔は、まるで新しい物語の始まりを告げる合図のようだった。
僕は気づく。朝の街もまた、境界を越える入り口なのだと。
