表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生まれ故郷

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

故郷が一番良いんだって思います。

だから、争いは止まないとも。

「都会っていうのは偶に遊ぶには良いけれど、住むには少しね……」

「排気ガスとかの臭いがキツくてね……」

地方の、自然が多く残る場所に住む友人は、そんな事をボヤいていた。

生まれも育ちも都会っ子。生まれた時から、濁ったドブ川と、排気ガス、それから高層ビルと一緒に過ごして来た私から言わせれば、それはほぼ日常である。臭いと思った事はないし、地方特有の交通の不便さが逆に気になった。

そういえば、と思う。私の担当教師も似たような事を言っていた。

――都会は水が不味い。水が不味いから、何一つ料理が美味しくない。と。


「そんなことがありましてね。いやいや、別に地方がどうとか、都会がどうとか、そんな事を批判するつもりは毛頭ないのですよ。ただ生まれ故郷というのは、育った場所というのは、それ程までに愛着が湧くものだと思ったのですよ」

排気ガスもドブ川も程遠い、香り高いジャスミンの甘さと、澄んだ真水の川を見ながら私はそう申し上げた。お隣にはこの香りと、土地の持主、梅香の君が静かに寄り添っていらした。

御方は静かに笑って、軽く私の髪にお触れになる。

「其れは勿論、生まれた時からそこに居ることを許された場所だ。誰からも受け入れられなくても、弾かれても、場所だけは許してくれるから。愛さずとも許してくれるから」

中々に重たい話が帰ってきた。それもそうか。どれだけ荒れていても、生まれ故郷だけは傷付けなかったこの方だ。それ相応に、故郷に対する思い入れは強いのだろう。

「迫害するのは何時だって人間だよ」

顔は穏やかであったけれど、凄みがある。

「そうですね……」

例え周りが排気ガス塗れだとか、ドブとヘドロで汚れた川だとか、言ったとしても、私はこの場所と共に過ごして来た。真緑に穢れた川の上に、桜並木が生い茂る様の美しさを知っている。足の変わりになる鉄の塊を知っている。それから離れられるか、と言われればきっとわたしはクビを横に振るだろう。

「私、この場所が好きです。地方育ちの子も、自分の土地をきっと同じように言うでしょう」

育ったからこそ分かることがある。馴染みがあるからこそ愛着が湧く。それはこの土地が住むことを許してくれたから。

最近の私の会話と、テレビを見て思った事。


都会っ子は都会が、地方っ子は地方が、良いって言うと思うんです。


違う場所に移り住むと、これまでのローカルルールから外れたところがやっぱりどうしても気になるんですよ。

都会には排気ガスとか、地方には交通の便とか。

だからこそ結局、戻るのは故郷が良いんだなと感じた話。


それ程まで愛着を持っているから、梅香の君の方のモデルの方だって、生まれ故郷は傷付けられないし、奪われたら争いに発展するのだと。


場所に感情はありません。

だから迫害するなんて事も無い。

何時だって追い出すのは人間なんだと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ