表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢十夜考  作者: 彩煙
3/6

他作品への影響「星新一「ノックの音が」」

星新一の「ノックの音が」と云う作品をご存じだろうか。この作品は全15作品によって編集された星にしては少し長めの、短編小説集なのだが、この15作品は全て「ノックの音がした。」という一文から物語がスタートする。では、それはいったいどんな意味を持っているのだろうか。

星自身は、あとがきにおいて次のように述べている。

 「フレドリックブラウンの『ノック』という、たった二行の怪談がある。それは『地球上で最後に残った男が、ただ一人部屋のなかに座っていた。すると、ドアにノックの音が……。』というもので、ここでの恐怖とは、ノックの音。つまり扉の向こう側という未知の世界。そこには一体どんな者がいるのか。風ではつまらない。宇宙人は月並み。答えは最後の女性なのだが、私はこの作品と同様に、観測できていないものへの恐怖を描いたのだ」

 ここで、目を向けたいのが『観測できないものへの恐怖』と云う点である。

夢十夜に限らず、当たり前のことではあるが、「夢」というものはそれを、観測(見る)まで観測(見る)出来ない。これは、先の「ノックの音の向こう側」と同様の存在であると言えるだろう。そして、「ノックの音が」における「恐怖」。これは、夢十夜を呼んでいてみんなが感じるであろう、「不安感」に置き換えることが可能であると考えられる。

つまり、夏目漱石も、星新一と同じく、「観測し得ない」物への恐怖(不安感)によって、読者に「続きを読みたい」、もしくは彼らの購買欲をそそるエッセンスとしているのだろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ