表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/20

第0話 誰かのプロローグ

ずっと書きたかった令嬢もの!

カクヨムでも連載していますが、よろしくお願いいたします!

「あら? おかしいわね……イベントが起こらないじゃない」


 少女は首をかしげる。おかしな話だ、何せ物語はここから始まるっていうのに。可憐なヒロインと美しい青年たちの、目くるめく愛の物語の幕開け。

 麗しく清廉な乙女は世界を見守る女神の声に呼ばれ、運命の出会いを果たす……。そういうシナリオだったはずだ。それなのに。

 その舞台となるはずだった中庭には、彼女以外人っ子一人見当たらない。時間を間違えただろうか? いいや、入学式のすぐ後のことだったはず。

 しかし、しばらく待ってみたものの誰もやってきそうにない。遠く聞こえていたざわめきも去り、辺りは静寂に包まれている。


「うーん……。まあ、いっか」


 物語と違う動きをするだろう駒のことはわかっている。きっと彼女が、シナリオ通り進ませまいと小細工をしているのだろう。

 彼女がどんな動きをしようと、結末は決まっている。イベントが一つ起こらなかったことくらい、些細なことだ。


「最後に勝つのは、私だもの」


 少女はクスリと勝ち誇った笑みを浮かべ、踵を返した。この後、物語が大きく変わっていくとも知らずに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ