デートでショッピング!
遅くなりました...
「これとかどうかな」
「ん〜、こっちの方がいいんじゃない?」
「そっか…じゃあこれとこれと…これは試着しようかな」
「おー」
昼食を終えて早速とばかりに女性向けファッションの多い服屋にやってきた僕は、さっきまでとは打って変わって落ち着いて服選びできてると思う。
だって服に意識がいって涼くん意識しなくて済むんだもん…って別に意識してドキドキとかしたりとかしないよ??
ま、まあとにかくもうすぐ秋になるから夏のうちに秋物も増やしてたけどせっかくだからと涼くんにも選んでもらってるところだ。
「そのマネキンのやつとかどう?」
「これ? うーん…僕に着こなせるかなぁ…背低いから…」
「まあ背低いけど…でも小顔でスタイルいいし違和感なく着れそうだけどな」
「そ、そうかな…っスタイルって…涼くんのえっち…」
「なんでそうなる!?」
「だってそういう目で見てたのかな〜って…」
僕は自分の胸の前でわざとらしく腕を交差させてジト目になる。
ちょっといじわるかもしれないけど涼くんがタジタジになってるのちょっと可愛いからいいよね…?
「そ、そんな目で見てたわけじゃないよ」
「ほんとかな〜」
「も、もういいだろ。ほら、これ試着してこいよ」
「うん…」
あからさまに僕から視線を外してマネキンが着ている服を指さす涼くん。
スタイル…かあ…涼くんって僕の身体の事どう思ってるんだろう…。
涼くんは普通に女の子として扱ってくれるけど男の子だった事実は伝えてるわけだし…。
「涼くん…僕ってさ…つい二ヶ月ちょっと前まで男の子だったのにこんなふうに女の子してるのってやっぱりおかしいかな…」
「またそれか、前にも言ったけど俺は別に変だとは思わないって。その頃の楓をほとんど知らないわけだし今は女の子の楓なわけじゃん?」
「ま、まあそうなんだけど…でもやっぱり自分の中で引っかかるというか…」
「まあそれは仕方ないよな…」
「こんなふうにお化粧して可愛い服着て、涼くんとデートしてる…」
涼くんはまたそれかという表情してるけどやっぱり僕の中では引っかかる部分ではあるんだよ…。
そうすると涼くんは持っていた試着予定の服の入った袋を持ち直して僕の頭を撫でる。
「前にも言ったけどさ、俺にとっては楓は女の子なんだよ。それに元がどうであれ今の楓が女の子なら女の子らしく可愛いものを着て可愛く化粧しておかしいことってないと思う。楓は気にしちゃうだろうけど、気にせず女の子すればいいんじゃないかな?」
「うん…わかってはいるんだけどね…でも周りがどう思ってるかとか気になっちゃって…ほら、学校も始まったから…」
「まあ変に思うやつはいるかもしれないけど、楓のそばにいる人はみんなわかってくれて楓が前向いて歩いてること知ってる人達だろ。少なくとも俺はそうやって女の子として前向いてる楓が好きだよ」
「うん…ありがとう…って好き!?」
「えっ、あぁ…他意はない…前を向く人がいいって話で決して恋愛的な意味じゃ…」
「う、うん…そうだよね! へ、変な誤解しちゃってごめんね…!?」
「あ、あぁ…」
しばらく無言になる僕達。
も、もう…涼くんってば、そうやって女の子にしか好きとか言っちゃダメなんだよ!?
ご、誤解して喜んじゃったらどうしてくれるのさ…って別に僕は喜んでるわけじゃないよ!?
い、嫌じゃないけど…。
「と、とにかく!! 試着しに行くね!!」
「お、おう…」
逃げるように試着室へ向かう僕達
試着室は店の奥の方にあって試着したい服の数でカードを受け取って試着室へはいる。
涼くんには外で待っといて貰って着替えたら見てもらおう…。
僕は熱くなる頬を隠して試着室に飛び込んで涼くんから袋を受け取る。
カーテンを閉めてひとつ目に着替えていく。
黒のフレアミニスカートと赤のニットセーター、秋らしい可愛いデザインのコーデ。
タイツとかと組み合わせても可愛いと思う。
「涼くん、着替えたよ…どうかな?」
カーテンを開けて涼くんの前でくるっと回ってみる。
「うん、いいんじゃないかな、似合ってる」
「えへへ、涼くんのチョイスだもんね!」
「そ、そうだな、よかった」
少し照れくさそうに笑う涼くんに僕も自然と頬が緩む。
こうやって選んでもらって褒めて貰えるの嬉しいなぁ…もっと涼くんの好みの服知りたいな…って、別にそういう事じゃなくてせっかく選んでもらうんだからってことだよ!?
す、好きだから知りたいとかそういう訳じゃないんだからね!?
…って…ちょっと待ってあれ…。
「涼くんちょっと」
「えっ、おいっ」
「しーっ」
「どうしたんだよ…」
「あれ、真由ちゃんと美咲ちゃん。真由ちゃんに見つかったら絶対色々言われちゃう…涼くんも隠れてて…」
そう、試着コーナーの入口の方に見知った顔を見つけて慌てて涼くんを試着室の中に引っ張りこんだのだ。
談笑しながら試着室が並ぶこっちに歩いてくる。
涼くんもこの前真由ちゃんに顔見られてたし僕と一緒にいるところなんて見られたら絶対邪推されちゃう…。
間一髪カーテンを閉めて涼くん事試着室内に隠れた。
「なあ楓、あの二人がどこか行くまで待つの?」
「うん…!」
「隙を見て外出ようか?」
「でもそしたら着替えてみて貰えないし…二人帰るまで待と?」
「お客様〜、いかがですか?」
「えっ、えっと…大丈夫です…!」
「まじか…」
外に店員さん来ちゃって出られない…僕が入ってからだいぶ時間かかってるから様子見に来たんだよね…急いで試着しないと…。
だけど涼くんいるし、外に店員さんと真由ちゃん達もいるから出られないし……。
「楓どうする?」
「う、うん…」
「待つしかないよな…」
「うん…」
う、うぅ…試着してる服だし外出るなら元の服に着替えないといけないし…どうしよう…。
こ、こうなったら…もう、ええーい!
「涼くん、このまま全部試着しちゃうから向こう向いてて」
「は? 本気で言ってるの?」
「うん、見たらやだよ?」
「いや、さすがに見ないけど…」
「じゃあ着替えちゃうね」
「おいおい…」
涼くんに背中を向けたのを確認して、セーターを脱いで中のシャツも脱ぐ。
上半身が白のブラだけになって一応涼くんを確認…見られてないよね…?
涼くんは壁に向かってさらに目を手で隠している…これなら大丈夫だよね…。
恥ずかしさに胸の鼓動が早鐘を打つ中、次にスカートのファスナーを下げる。
ふわっとスカートが床に落ちて僕のショーツも露出、下着だけになった自分の姿が鏡に映る。
横には顔を背ける涼くんの姿…ちょっとドキドキしちゃう…へ、変な意味じゃないよ!?
足元に落ちたスカートを拾おうとして…
「よいしょ…っ、わわわっ」
「ぐえっ…大丈夫か…? って」
「へっ…」
バランスを崩し涼くんに背中から突っ込む僕。
脱いだばかりなので当然何も来ていない下着姿、心配して振り向いたりょうくんと目が合う…。
下着だけの僕、バッチリ目が合った涼くん、固まったまま顔がどんどん熱くなっていくのを感じる。
「な、なな、な…むぐっ」
「しーっ、ごめん、怒るならあとでいくらでも怒っていいから頼む今は叫ぶな……」
「むぐぐぐ……ぷはぁ、うん…」
「と、とにかく、今は服着てくれ…目のやり場に困る…」
「涼くんのえっち……」
「あとでいくらでも言ってくれ」
慌てて僕の口を塞いだ涼くんのおかげで叫ばずに済んだけどその時に思い切り抱きしめられた。
き、緊急とはいえ下着の女の子抱きしめるのはどうなのかな…!!
意外と冷静な涼くんに言われた通り元通り服を着て試着に持ってきたものを持って外へ。
まだ試着できてないものもあったけどサイズは一緒だから、もうこの際全部買っちゃえと勢いで全て購入して店を後にする。
今日帰ってから二度も下着を見られたことを思い出して枕に向かって叫んだのだった。
「涼くん、意外と冷静だよね……」
「いや…俺も叫びそうになったけど…人ってやばい時は冷静になれるんだな……」
「僕なんて見られて抱きしめられて……ばか……」
「っ……なんとでも言ってくれ……」
服をもっと色々登場させるつもりが結局時間ばかり使ってひとつしか、しかも2種類しか使わなかったあまおとです。
ここ数話楓と涼の距離が急に近くなってないか?という疑問をお持ちの方...もう少しお待ちください...ちゃんとまとめます...。
それからコメントにて配信回、掲示板回がもっと欲しいという希望がありましてもちろん書きたいと思ってるんですが配信はなかなかネタが思いつかない、掲示板回はすぐ忘れる...という壊滅的な状況...。
デートが終わったら初スパチャ配信の掲示板、コラボ配信の掲示板を書くのでもう少しお待ちを...!!
(ネタがあれば配信回は書ける。ネタください)
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コメントにて配信の時のマシュマロ、質問、スパチャ(金額とコメント)を送ってくだされば配信回でしっかり書いていきます。




