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仮装障害物競走!

 


「一緒に写真いいですか!?」


「それFa〇eのセ〇バーですよね、一緒に写真撮りませんか!?」


「レ〇とラ〇のコスかわいい…」


「生徒さんでこんなに完成度高いのやば…」


 テントを出て待機場所にやってきた僕達は早速外部参加者のコスプレイヤーに囲まれていた。


 コスプレイヤーからしたらこの仮装障害物競走はコスプレイヤーと関わるひとつの機会で、よっぽどしっかりしてない限り生徒のコスプレに興味はないらしい。


 今年は予算が上がったのもあって生徒のコスプレの質もかなり上がっているが、それでもこの人たちからしたら大して変わらないと思う。


 逆に僕達は矢崎さんが作り上げた衣装なわけで…コスプレイヤーから写真と質問を浴びせられていた。


「こ、小雪…恥ずかしぃ…」


「うん…僕も恥ずかしい…」


「次はどなたですか。さあ、早く撮りましょう」


 美咲ちゃん…強い…。


 毎年走る前と走った後は多少こういう時間は用意されるけど今年は長い気がする…もう既に生徒たちで前の方の人達は走り始めてるのに僕達はいつまでも写真撮影…。


 うぅ…恥ずかしい…。


 僕と小雪ちゃんは手を握りあって視線の嵐から逃げるように身体を寄せあってくっついていたんだけど…それもコスプレイヤーの心に火をつけちゃったみたい…。


「二人とも恋人繋ぎでこんな感じにね!」


「あ、そんな感じ、可愛いなぁ」


「これはすごいレイヤーさんに出会っちまったな」


「小雪ちゃん…」


「楓ちゃん…」


 小雪ちゃんの瞳が潤んでる…あ、僕もだ…恥ずかしいもんね小雪ちゃん…。


 なんか有無を言わさぬ圧で両手を恋人繋ぎで身体を寄せあってカメラに目線を向ける僕と小雪ちゃん。


 ひたすらに恥ずかしい思いをしながら早く番が回ってこないか願い続けた。


 ちなみにこの写真…何故かお姉ちゃんから送られてきて自分でもすごく可愛いと思ってしまった。




 ーーーーーーーー




「あ…走った後に何か言わなきゃいけないんだけど小雪ちゃん考えた…?」


「え…考えてない…」


 そう、当然コスプレして走るだけがこの競技では無い。


 走り終わったら先生席の前でマイクの前でコスプレの紹介とアピールポイント、それからポーズを決めて一言言わなければならないのだ。


 恥ずかしい…。


「ええ、構いませんよ。次は…アー〇ャー、なぜこんなとこにいるのですか」


「お、やるのか? セイ〇ー」


「望むところです」


 隣の美咲ちゃんは心配なさそう…。


 なんて言おうかなぁ…こうなったら小雪ちゃんと一緒に並んでなにかしたいなぁ…。


「小雪ちゃん、一緒に走ろ?」


「うん…一緒に走る…!」


 仮装障害物競走のコースを説明していくと、初めにネットが設置されており選手はその下を潜らなければならない。


 もちろん衣装が汚れないようにマットは敷かれてるからその辺は心配ない。


 次にぐるぐるバットをやってからスプーンにピンポン玉を乗せて走る。


 落ちたらすぐに拾って同じ場所から始めればいいんだけどぐるぐるバットの直後だからフラフラして難しい。


 次に幼児用の三輪車を漕いで移動したら高めの跳び箱が横向きに並んで設置されていて、簡単に飛び越えられる高さじゃないのでよじ登って越える必要がある。


 もちろんマットも用意されてるから転んでも大丈夫!


 それを越えたら次は平均台を通ってゴールまで走るだけ!


 でもゴールしたらマイクの前でやらなきゃいけないんだよね…うぅ…。


「小雪ちゃん…頑張ろうね!」


「うん…がんばる!」




 ーーーーーーーー




「あの〜、セイ〇ーのそこの方〜」


「おや、あなたは…胡〇しのぶ…」


「合ってますよ〜、良かったら一緒に走りませんか〜? もちろん私が勝たせてもらいます〜」


「承知しました。その勝負、受けて立ちましょう」




 ーーーーーーーー




 生徒たちは生徒同士で走ることが多いはずなのだが僕と小雪ちゃん、美咲ちゃんはコスプレイヤーに捕まっていた結果、生徒達に置いていかれコスプレイヤーに混ざって走ることになってしまった。


 僕と小雪ちゃんで並んで走ることにしたら私も俺とあっという間に残りも埋まってしまい美咲ちゃんは胡蝶〇のぶのコスプレイヤーさんと話しているようで一緒に走れなくなってしまった。


 美咲ちゃん大丈夫かな…まあ大丈夫かな…。


 僕と小雪ちゃんは並んでスタートラインに立つと早速よーいの呼び掛けと共にスターターピストルの音が鳴り響いて僕と小雪ちゃんは走り出した。


 まずはネット…僕も小雪ちゃんも何か引っかかりやすい羽とかはないからスムーズに進んでいく。


 気をつけないとスカートの中が見えちゃうから気をつけたけどね…さすがに見せパンを履いたけど見られたくないし…。


 小雪ちゃんは相変わらず運動神経いいみたいで僕より先にネットを突破して待ってくれてる。


 最後はネットを持ち上げてもらってなんとかくぐり抜けたら、次はぐるぐるバット。


 3本しかないバットを取り合うようになっているんだけど既に1人がバットを使っていて僕達も残りの2本を獲得する。


 後ろを見るとちょうど1人がネットを出るところでもう1人は衣装の羽がネットにかかって進めなくなっていた。


 急がなきゃとバットにおでこをつけてぐるぐる回る。


 10回と回れば僕も小雪ちゃんもフラフラとした足取りになってバットを置いて歩き出す。


 すぐにスプーンにピンポン玉を乗せて走り始めるんだけどぐるぐるバットのせいでフラフラしててすぐに落としてしまう。


 小雪ちゃんも同じように落としてしまって二人で拾って乗せて走る。


 途中から身体が慣れてきて残りはちょっとペースをあげれた。


 スプーンゾーンを越えると次は三輪車、幼稚園とかに置いてある小さな三輪車にまたがって漕いでいく。


 これに関しては僕も小雪ちゃんも小さいからほかより速い…ことも無くさすがに小さすぎて少し苦労しながら何とか2位を維持しながら次の跳び箱へ。


 待ってよ…思ったより高いんだけど…。


 跳び箱の一番下には10という文字が書いてある…僕と小雪ちゃんの身長より高い跳び箱…。


 小雪ちゃんを見るとさすがの小雪ちゃんも予想以上の高さにびっくりしたみたいで圧倒されていた。


「小雪ちゃん…どうしよっか…」


「ひとりが登って…引っ張る…?」


「じゃあ僕が先に登って小雪ちゃんを引っ張るね!」


 そう言って僕は小雪ちゃんに支えてもらいながら跳び箱の上に上がった。


 跳び箱の向こうは跳び箱の上から50cmしたくらいの高さまで高飛び用のマットが重ねられているので落ちても心配はない。


 僕はマットに降りて跳び箱の向こう側の小雪ちゃんに手を伸ばす。


 小雪ちゃんは跳び箱の溝に上手く足をかけながら僕に引っ張られて上へ登ってくる。


 あと少しと思い切り小雪ちゃんを引っ張る。


「あっ…」


「わっ…」


 勢い余って跳び箱を越えてそのまま転ぶ形になった小雪ちゃん、そして引っ張ったままバランスを崩して後ろへ倒れる僕。


 形としては小雪ちゃんが僕を押し倒す形になるわけで…ラ〇がレ〇を押し倒す形なわけで…。


「「うぉぉ〜!!!!(きゃぁぁ〜〜!!!)」」


 当然会場はもう最高に盛り上がっちゃったわけで…僕は恥ずかしさから顔を真っ赤にしていた。


 すると小雪ちゃんが体勢を落として僕の耳元に口を近ずけて囁く。


「楓ちゃん…こしょこしょ…」


「えっ!? さっきのやるの!?」


 当然歓声はさらに盛りあがって…顔を上げた小雪ちゃんはほのかに赤くなっていて小悪魔な表情も相まってすごく妖艶に見えた。


「も、もういいでしょ小雪ちゃん…!」


 そう言って無理やり小雪ちゃんを持ち上げて次に進もうとする。


 マットから降りると次は平均台、一本しかないのでまずは小雪ちゃんに渡ってもらって後ろから僕もついて行く。


 落ちてしまったらやり直しなので慎重に進んでいく。


 まあ跳び箱で時間かかっちゃったから、他の人はみんな先行っちゃって僕が最後なんだけどね…。


『さあ、最後にゴールにやってきたのはレ〇ちゃんとラ〇ちゃんですね!』


 ゴール前で立っていた女性の先生が事前に提出した誰の仮装をするか書いた紙を元に実況する。


 ちなみに担任の清水先生は…えっ、なんかすっごいニヤけてこっち…というか小雪ちゃんを見てる…。


『それでは2人にインタビューしていきますよ〜』


 会場もお〜と盛り上がりを見せる。


『それではまずはコスプレの紹介をお願いします!』


「れ、レ○です!」


「ラ○よ…!」


 かわいい〜、似合ってる〜、こっち見て〜、なんて観客席の方から聞こえてくる。


 レイヤーさんも皆こっちを注目してるし生徒席も保護者席も皆こっちに注目してる…小雪ちゃん…ほんとにあれやるの…?


『では2人にはポーズをとって一言決めゼリフを言ってもらいます!』


 先生にそう言われて小雪ちゃんが僕の手を取る。


 そのまま手を持ち上げて両手ともいわゆる恋人繋ぎで指を絡めると体を寄せあって客席の方を見る。


 うぅ…恥ずかしい…。


 客席はもちろん大盛り上がり…きゃぁぁとそれはもうものすごい盛り上がり…。


 先生が僕と小雪ちゃんにマイクを向けて…。


「ね、姉様姉様。どうやらすこし混乱されているみたいですお客様」


「レ○レ○。何やら頭がおかしくなっているみたいねお客様」


 そのあとの観客の反応は…言わなくてもわかるよね…。


 倒れる人もいたらしい…なんかごめんなさい……。




 ーーーーーーーー




「次は私たちの番ですね〜。騎士王さんも準備おっけ〜ですか?」


「ええ、いつでも」


 よーい…パンっ!


 次は美咲ちゃんの番だ。


 なんか僕達の知らないうちに胡〇しのぶのレイヤーさんと勝負することになったみたいで美咲ちゃんの目が燃えている…。


 合図とともに走り出す2人。


 他の人とも争うながらネットを潜り、スプーンを運び、三輪車を漕ぎ、跳び箱を超える。


 平均台を渡ったら二人で全力ダッシュ。


 平均台が一本しかない関係でそこまでに先にたどり着いた胡蝶し〇ぶのレイヤーさんが先に平均台をクリアした。


「ふふ、私の勝ちですかね〜」


「くっ…今回は負けてしまいましたが次は負けません…!」


「ええ、私も負けませんよ〜。参ります」


「受けて立つ」


 ゴールテープはもう少し先なんだけど…持っていた剣と刀を抜いて一気に距離を詰める二人。


 矢崎さんの作り上げた剣はしっかりと金属製でそれでも重くないように工夫されたもの、それに対してレイヤーさんの刀もしっかり金属製で剣と刀が交差した瞬間甲高い金属音が響き渡る。


 事前に打ち合わせしたにしても完成度の高い剣戟を繰り返す2人には会場は大盛り上がり。


 セイ〇ーを応援する人に胡〇しのぶを応援する人…もちろん僕は美咲ちゃんを応援するよ!


 あ…清水先生がソワソワしてる…先生も剣道強いらしいからなぁ…混ざりたいのかな。


「ふふ、なかなかやりますね」


「あなたこそ」


 再び剣を打ち合わせる2人…胡〇しのぶって直接刀で剣戟しなかったと思うけど…まあこれは仕方ないよね…二人とも楽しそうだもん…。


 堅実な剣筋で戦う美咲ちゃんに対して蝶のように舞うように踊るように刀を振るうレイヤーさん。


 そのまま剣戟を続けながらゴールテープを着った2人はそれぞれインタビューを受けて会場を盛り上げて僕達のところに来た。


「美咲ちゃん! すごくかっこよかったよ!!」


「楓こそ、とても可愛かった」


「美咲ちゃんも…可愛かった…!」


「ふふ、お友達?」


「ええ」


 美咲ちゃんはまだ取り憑かれてるみたい…いつ戻るのかな…?


「可愛いメイドさんにも自己紹介するね。私は野咲(のざき)(らん)っていうの。よろしくね」


「よろしくお願いします!」


「よろしく…お願いします!」


「ところで3人の衣装…それって自分たちで作ったの?」


「いえ…えっと…」


 矢崎さんの名前って出していいのかな…。


 すごいデザイナーさんだからこうやって名前出すとそれは問題がある気がする…。


 と思ったところにちょうど矢崎さんがやってきた。


「3人ともお疲れ様」


「矢崎さん!」


「とても良かったよ〜。こちらは?」


「えっと、美咲ちゃんと一緒に走った野咲蘭さんです!」


「初めまして野咲蘭で……す…!?」


「おや…?」


「矢崎……郁…」


 蘭さんの顔が急に曇ったかと思えば青ざめていく。


 あれ…もしかして知り合い…?


 でも蘭さんのこの様子は…。


「久しぶりだね、野咲蘭」




寝坊しました...。


しの〇さんは名前と顔以外わからない人間なのでとある人にこんな感じ?って聞きながら書きました。

まあコスプレなのでこれで許してください。

剣戟しないって話ではあったんですがまあそこはノリとコスプレということで見せるとしたらやらせるしかないかなと...し〇ぶさんファンで不快になったならすみません...。


ラ〇がレ〇を押し倒すとか最高ですね!?


それでは今回も最後まで読んでくれてありがとうございました!

ブクマ登録、高評価、コメントしてくれたら嬉しいです!

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― 新着の感想 ―
[一言] 美咲ちゃん…。えっ、あなた…誰…?キャラになりきりすぎでしょ。溶け込みすぎてて違和感無さすぎて怖いわw。ほんとになんでこうなったんだよw 楓ちゃんと小雪によるあのリ〇ロのワンシーンのロリバー…
[良い点] 美咲ちゃんのセイ〇ーが脳内再生余裕レベルで好き [一言] こんな感じで走った後に一言コメント残すしたら学校の目玉競技になるだろうなぁ 果たしてアー〇ャーさんは今後出てくることはあるのだろ…
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