ハロウィン記念コラボ!前編!(あまおと)
「失恋したのでVtuberはじめたら年上のお姉さんにモテました」の二兎凛先生とリレー形式でコラボさせていただきました!
こちらはあまおとが担当した前編になります!
ハロウィン!
元々は…古代ケルト人が起源とされてて悪魔とかサフィンを…崇拝して生贄を捧げる宗教的な…意味合いのある行事で…。
現代では今ではアメリカで民間行事として定着していて…って、この説明いる??
詳しくは〇ikipediaを見てね!
と、とにかく!
子供たちがお化けとかの仮想をしてトリックオアトリートって言うとお菓子を貰えるイベント!
そんなハロウィンに盛り上がって疲れた僕は直ぐに眠りについた…んだけど…。
「ここ…どこ?」
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「Happy Halloween!! おやすみなさいご主人様!」
深夜まで続いた甘夢かえでハロウィンパーティ配信を終えて、結構疲れちゃった僕はすぐに寝る支度を済ませてベッドに入った。
今日もたくさんの人が来てくれてとても楽しい配信だったなぁなんて思いながら瞼を閉じたらそのまますぐに夢の世界に誘われた。
気がついたらジャックオランタンやいかにもハロウィンな感じの飾り付けをされた場所に立っていた。
ハロウィンで盛り上がったからそういう夢を見てるのかな…?
(それにしても随分とはっきりした夢…)
どうやらどこかの庭にいるようで目の前にはハロウィン風に飾られたおどろおどろしい雰囲気の洋館が佇んでいる。
庭も伸びきった草木の間からジャックオランタンが輝いていたり、壊れた噴水がある。
広めの庭は鉄柵で囲われていて辺り一面紫のモヤが出ている。
(うーん…結構雰囲気あるなぁ…)
夢の中だし、と恐怖心より好奇心が勝った僕は、とりあえず目の前の建物に入ってみることにした。
庭から数段階段を昇ったウッドデッキのテラスがあって建物の中に続く扉が一枚ある。
鉄柵に囲われたそこには丸テーブルと机が設置されている他に、やはりハロウィンの飾り付けがされていた。
光を放つ窓を覗き込んでみても不思議なことにオレンジに光るだけで中の様子はわからない
両開きの木製の扉はすぐに壊れてしまいそうな古めかしい印象を受ける。
取っ手を引いてみればキィーと不気味な音を立てながらゆっくりと開いていくが中の様子は光に包まれて見えない。
「うわぁ…不気味……眩しい……っ…きゃぁぁぁ!!」
その瞬間、僕は開いた扉に吸い込まれた。
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ベッドに入って寝たはずが気がついたら立っていた不思議な庭。
ジャックオランタンやロウソクで不気味に装飾されててコウモリも飛んできた…紫のモヤも辺りに広がっててすごくホラー…。
でもバイ〇VRの時みたいにグロくなければホラーは平気な僕は、結構リアリティあるなぁくらいに思って目の前の建物の扉を開いた。
と思ったら吸い込まれて、気がついたら応接間みたいなところに倒れていた。
「うぅ…びっくりしたぁ」
ゆっくりと身体を起こして辺りを見渡した。
部屋は真ん中に机、それを囲むようにソファがあって壁際にタンスと鏡が置いてあるくらいと、一枚だけ扉のあるシンプルな洋風の部屋って感じ。
天井からはロウソクの付いたシャンデリアがぶら下がっている。
壁の窓からは先程の庭が見えていて、扉に吸い込まれて建物の中に入ったみたい。
そこで僕は気づいた…いつもより視点が低い…不思議に思って下を向くと…。
「なんで裸!?!?」
見下ろした自分の身体は華奢でまるで女の子のよう…二本の足の間にあるはずのものは無くなっていた。
しかも下を向いた際に垂れてきた髪の毛が白とピンクのグラデーション。
慌てて壁に立てかけられた鏡の方を見てみれば、映っていたのはVtuberとしての僕の姿だった。
11歳くらいの見た目に白とピンクのグラデーションになっているハーフアップの髪、庇護欲をそそられそうなその姿は間違いなくボクとしてのアバター。
なにか着るものはないかと慌てて部屋の中を見回すと、ソファの上にドレスらしきものが掛けてあるのを見つけて駆け寄って手に取る。
それは黒を基調とした魔女ドレスと大きな魔女帽子。
それに加えて下着からタイツから靴から装飾の飾りまで綺麗に一式置いてあった。
勝手に着てしまっていいものか周りをキョロキョロ見回したり、手の中のドレスを見つめたり。
そこで気がついたのがドレスの下に下着まで用意されていたこと、見る限り今の僕に丁度よさそうなサイズのそれを取って手に広げてみる。
透き通るような純白のブラとショーツ、胸元の部分やショーツの前部分に小さく可愛らしいリボンが付いている。
(背に腹はかえられないよね…これは仕方なくだよ…)
自分に何度もそう言い聞かせて、まずは片足にショーツを通していく。
両足を通して上まであげるとぴったり密着する感覚がして不思議と落ち着く。
(うぅ…でも…女の子の下着着るの恥ずかしいよぉ…)
セットのブラも慎重につけて後ろ手にホックを止めれば目の前の鏡には下着姿のボクが立っている。
次に畳んであった黒のタイツをゆっくりと足に通していく。
下の肌の色が透けていつもより色っぽい自分の足にちょっとドキドキしながら、ワンピースになっているドレスに袖を通す。
黒を基調としたドレスは、首元と肩が黒のレース生地で下の肌が見えている。
丁寧に揃えて置いてあるパンプスも部屋の中だということも気にならずそのまま履いてしまう。
海外なら部屋で靴を履く文化もあるし…ここは洋館だし…夢の中だし大丈夫だよね?
最後に机の上に置いてあるつばの広い魔女帽子を頭に乗せて、すっかり魔女のボクが完成する。
「可愛い…」
全身を包む黒の魔女ドレス、膝丈のスカートはふわっと広がって部分部分にフリルやレースを使って飾っている。
下着まで着ることはないけど最近女装も慣れてきちゃってるなぁなんて思いながら鏡の前で動いてみる。
軽くポーズを取ってみたり、クルクル回ってみたりして遊んでいると、突然部屋にひとつだけあった扉が音を立てて開いた。
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突然扉に吸い込まれた先は洋風の寝室のような場所だった。
部屋にひとつだけあるベッドで裸になって寝ていたのはびっくりしたけど…。
さすがに裸は落ち着かないので何か着れるものがないか期待して壁際の洋服タンスの扉を開くと、中にはドレスが一式入っていた。
下着も上下一着ずつ用意されていて勝手に着ていいものか少し悩んだけど、さすがに裸でいるよりマシなのでお借りすることにした。
ドレスなんか着たことないはずなのに、特に困ることなく全てを身につけて姿見の前に移動する。
「かえで…?」
着ている時は気が付かなかった白にピンクのアクセントが入ったロングヘア、その姿は間違いなく僕のVtuberとしての姿である甘夢かえでだった。
フリルとレースで飾られた黒のロリータドレス、黒とグレーの縦縞タイツ、リボンの着いたロリータパンプス。
腰から伸びる先のとがったしっぽと背中から生えた小悪魔の羽。
鏡に映る自分はまるで悪魔のお嬢様とでも言いたげな姿をしていて自然と身体が動き始める。
スカートをつまんでクルクル回ってみたりポーズを取って少しにやけたり、初めて着る服にワクワクしていた。
そうしているうちに部屋に唯一の扉が音を立てて開いたので、静かで物音一つしない廊下に踏み出した。
(外よりは怖い印象ないけど…不気味だよね…)
廊下の先は下に降りる階段があるだけで、途中にあった扉は鍵がかかっているのか全て開かなかった。
薄暗い階段を落ちないように手すりに掴まりながら、慣れないドレスを引きずらないように降りていくと再び廊下が現れる。
上の階と同じようにいくつか扉が並んでいて真ん中の扉が一枚少し開いているのかうっすら光がこぼれている。
その扉以外は全て固くしまっていて光をこぼす扉の前にやってくる。
(また吸い込まれたりしないよね…?)
そう願いながら、ドアノブを握ってゆっくりと押し込んだ。
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扉を出た先は長い廊下でいくつか扉が並んでいた。
一枚ずつ開くかどうか試して見たけどひとつを除いて開くことは無かった。
唯一開いた扉の向こうは広いリビングのような空間で、たくさんのハロウィンの飾り付けがされている。
先程の応接間よりずっと明るい印象を受けるその部屋は洋風なのは間違いないのだが、あのおどろおどろしい外観からすると想像できないほどポップな空間だった。
(あ…この飾りかわいい…)
庭とは違う可愛らしいジャックオランタンの置物、壁にもたくさんの装飾が所狭しとぶら下がっている。
暖炉に向かって大きなソファが設置されていて、ハロウィンらしいお化けやかぼちゃなどの形をした可愛らしいクッションが置かれている。
白いお化けのクッションを手に取ってソファに腰かけてみる。
ふかふかなソファは座った途端、僕や身体を優しく受け止めてくれてとても座り心地がいい。
そうして一息ついて、ふとひとつの疑問が頭に浮かんでくる。
(そういえばここってどこなんだろう…)
そう思った瞬間だった、暖炉のパチパチという音以外全くの無音だった空間に扉の開く音が鳴り響く。
いくらホラーが平気な僕もさすがにびっくりして飛び跳ねそうになったけど、音のした扉の方を見て胸を撫で下ろした。
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一応警戒しながら扉を開けると目の前は外とは随分と印象の違うポップで可愛らしい装飾のされた部屋に出た。
最初に入ってきたのは目の前のソファに腰かけてこちらを見つめる魔女の姿をした可愛らしい女の子。
白いお化けのクッションを抱きしめて、びっくりした表情でこちらを見つめている。
もしかしてここの家主さんかな…だとしたら勝手に服来ちゃったこと謝らないと…。
「あの、勝手に服お借りしました! えっと…ここの家主さんですか…?」
「勝手に服借りちゃってごめんなさい! ボク気がついたら裸になってて…」
「「えっ?」」
僕と同じタイミングで目の前の魔女さんも頭を下げてきました。
話を聞いてみると、この子も気がついたら裸で倒れてたらしく服を借りたらしい。
というかこの子…。
「「あっ! 白姫ゆかちゃんですよね!?(あっ! 甘夢かえでちゃんだよね!?)」」
11歳くらいの見た目のこの子は白姫ゆかちゃん、僕より1ヶ月ほど前から個人で活動している男の娘Vtuber。
当初は女の子として売り出していたみたいなんだけど、配信中に自分から男の子って言っちゃったんだって…。
僕も矢崎さんの所に所属しているとはいえ、ほぼ個人勢のような立場としてゆかちゃんの活動は参考にしてきた。
どうしてこんな所で…会いたくて夢に出てきちゃったのかな…?
「えっと…ゆかちゃんはどうしてこんな所に?」
「え、かえでちゃんこそどうして…というかここどこなのかな…ボクはいつも通り寝て気がついたらここにいて…」
「僕も…ハロウィン配信して終わってからいつも通り寝たらここにいて…」
今はゆかちゃんの隣にお邪魔して2人でソファに座って並んで、可愛いデザインの悪魔クッションを抱きしめている。
このソファとクッションをふかふかで気持ちいい…。
「えっと…一応自己紹介する…?」
「じゃあ…しよっか!」
「じゃあボクからするね。んんっ………ボクは白姫ゆか、Vtuberをやってるよ! かえでお姉ちゃんと同じで個人勢で活動してるんだよ!」
これがゆかちゃん…さっきまでと雰囲気が変わった…。
それにしてもお姉ちゃんかぁ…普段言われないからちょっとドキドキしちゃうなぁ…。
「えっと…次かえでお姉ちゃんだよ?」
「えっ、あっ、うん。じゃあ自己紹介するね! 僕は甘夢かえで、ゆかちゃんにも甘くて幸せな夢を届けます!」
「わぁ…直接聞けたぁ……」
「そう言ってくれると嬉しいな…」
ゆかちゃんの自己紹介をこうして目の前で聞けるなんてと思ってたら、ゆかちゃんも僕の自己紹介に喜んでくれたみたい!
こういうのちょっとテンション上がっちゃうなぁ…。
あれ…でもこれは夢の中なんだよね…夢の中でも会えたのは嬉しいけどやっぱりここってどこなんだろう…。
そう思った時ひとつの考えが僕の中で浮かんだ。
「あのね、ゆかちゃんと僕ってそれぞれ同じようにしてここに来たんだよね?」
「うん…場所は違ったけどボクもかえでお姉ちゃんも扉に吸い込まれて裸で倒れてたんだもんね」
「もしかしたらだけど、ここで会ったってことはなにか意味があると思うの。例えば二人揃ってたら廊下の扉が開くとか…」
「なんかゲームの世界みたいだね…?」
そう、僕もゆかちゃんもここまではそれぞれで行動しててここに来たわけだけど、これで終わりとは思えない。
夢は覚めないままだし、もしかしたら二人なら他の部屋に行けるようになったかもと思ったのだ。
「じゃあこの家の探索してみよっか、ゆかちゃん怖くない?」
「うん! ボクホラーは平気だよ!」
そうして僕達は二人揃って廊下に出て、ひとつずつ扉を開こうとして回ってみたけどひとつも開くことは無かった。
「開かないね…」
「うん…二階も行ってみよっか」
「二階もあったんだ…」
「そうだよ、ここに…あれ?」
僕はゆかちゃんを連れて降りてきた階段の所にやってきた…のは良かったんだけど降りてきたはずの扉はなくて一枚の扉に変わっていた。
「ここの扉の先に階段があるの?」
「えっと…確かにここに階段があったと思うんだけど…」
頭に疑問符を浮かべる僕を他所に気にせずドアノブを回して押し込むゆかちゃん。
すると中からは覚えのある光が広がって……。
「ゆかちゃんそれ…っ」
「えっ、うわぁぁぁ………!!!」
「ほらぁぁぁぁ……やっぱりぃぃぃぃ……!!!」
僕とゆかちゃんはそのまま光に飲み込まれた。
気がつくとそこは一枚の扉がある小さな部屋だった。
ひとつの机に配信機器が一式並んでいて、僕とゆかちゃんは先程のソファより随分小さい二人がけのソファで並んで寄り添っていたみたい。
「ゆかちゃん、大丈夫…?」
「…んん…か…えで…ちゃん? これは…?」
「わからない…でも配信してってことなのかな…」
「かえでちゃんとコラボ配信ってこと?」
「うん…せっかくだし僕ゆかちゃんとコラボしたいな…! いいかな…?」
「もちろんだよ!」
そうして夢の中だけどゆかちゃんと僕のコラボ配信をすることになったのだった。
ちなみにドアを開けようとしてみたけどうんともすんとも言わなくて、配信しなきゃ出れないのかな?って2人で結論付けた。
ハッピーハロウィン!あまおとです!
この度はハロウィン記念コラボということで、あの二兎凛大先生の白姫ゆかちゃんとコラボさせていただきました!
前後編のリレーハロウィンということで前編は私、あまおとが書かせて頂きました!
ゆかちゃんの可愛さを余すことなく伝えたくもなかなか技術が追いつかない...そんな私とコラボしてくれて本当にありがとうございます!
二人が出会うまでをそれぞれの視点で書いたのでもしかしたらどっち?となってしまったかも...(二兎凛先生も間違えた...)
最初は楓?と思いきやゆかちゃん視点からスタートです!
前後編2話をあまおと、二兎凛先生のページで同じものが公開されています。
二兎凛先生の作品「失恋したのでVtuberはじめたら年上のお姉さんにモテました」
もしもまだ読んでないという方は是非読んでみてください!
可愛さ溢れる男の娘のゆきくんがゆかちゃんとしてVtuberとして成長していく素晴らしい作品です。




