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ついに始まる!体育祭!

 


 さんさんと照りつける太陽!


 雲ひとつない青空!


「体育祭だぁ〜!!」


「ウン…ソウダネ…」


 そう、体育祭の準備はあっという間に過ぎていき、体育祭当日を迎えてしまった。


 体育祭日和な最高の天気だとは思うけど、僕の心は逆に沈んでいた。


 理由は言うまでもなくチア服である。


 チアメンバーの中でも一回り背の低い僕は、みんなと同じチア服が在庫切れになってしまいやたらと布面積の狭いチア服になってしまったのだ。


 お腹出てるし…おへそ見えてるし…。


「なんだよ楓、せっかくの体育祭なのに元気ないなぁ」


「仕方ないじゃん…あんなの着たくないもん…」


「海んときは普通に水着着れてたじゃん」


「それとこれとは別なんだよぉ…みんなに見られるし…」


「まあまあ、似合ってたしそこまで気にすることないと思うぞ?」


「うん…ありがとう…」


 着るわけじゃない絢斗に慰められても全然元気になれないよ…。


 まあ頑張れと言って背中を叩かれる。


 チアをするだけでも恥ずかしいのになんでこんなことになっちゃったのかなぁ…。


 チアにコスプレに…うぅぅぅ…こんなことなら女の子になりたくなかったよぉ…。


 コスプレと言えば美咲ちゃんは大丈夫かな…?


 僕のチア服も結構露出度高めだけど美咲の衣装はその比じゃなかった…。


「あの…瀬名さん…委員長さんが呼んでます…」


「あ、ごめんごめんすぐ行くよ」


 美咲ちゃんのことを考えていたらちょうど絢斗を呼びに来ていたみたいで後ろから声をかけられた。


 だいぶ絢斗と話すのも平気になってるみたいだし実行委員になったのは美咲ちゃんにとっても良かったのかな…?


「えっと…楓さん…仮装なんですけどお昼休憩中に着れるものは着てジャージで隠しておいてとのことです…」


「うん…了解…」


 いよいよコスプレかぁ…。


 ちなみにチア服はすでにジャージの下に着ている。


 ほかのメンバーの子で隠さずにチア服で行動してる子もいるけど僕は到底そんな気分にはなれなかった。


 チア服よりコスプレの方がずっと布面積広いからもういっその事ずっとコスプレしてたい…。


「楓さん元気ないですか…?」


「え…うん…チアあるから…」


「あ…楓さんだけ衣装違うんでしたよね…大丈夫ですか…?」


「うん…」


 美咲ちゃんも心配してくれたらしい。


 でもそんなこと言ったら美咲ちゃんの衣装の方が全然…。


「心配してくれてありがと美咲ちゃん…でも美咲ちゃんこそ大丈夫?」


「えっ…?」


「あの衣装…ほんとに大丈夫?」


「えっと……」


「渡辺さーん、ちょっとこっちおねがーい!」


「あ…はい…すみません楓さん、また後できますね」


「うん、頑張ってね!」


 小さくありがとうございますとこぼして、運営テントの方へ走っていく美咲ちゃん。


 最初は実行委員に馴染めるかちょっと心配だったけど絢斗のサポートもあって上手くやってるみたいで安心した。


 なんかお母さんみたいなこと思うね僕…だって美咲ちゃんって心配になるんだもん。


 さて、当日の朝の準備も終えればいよいよ体育祭が始まる。


 僕は絢斗に誘われて早めに来てしまったけど、実行委員じゃない生徒は少し遅れてやってくる。


 ぞろぞろとそれぞれの色の場所に荷物を置いて、指定場所に並ぶと開会式の時間だ。


「それでは、これより体育祭の開催をここに宣言します」


 教頭先生の開会宣言が行われて校長のありがたく長い話を聞くと、次は選手宣誓。


 各色の団長が前に出て宣誓を行う。


 優勝旗変換が行われて開会式が終わると、次はラジオ体操で準備運動をする。


 ラジオ体操を終えて全生徒が一度待機場所に戻ると次は全員参加の徒競走。


 僕は5人中で3番目にゴールして良くも悪くもない結果で残念だったり安心だったり…。


 ちなみに体育祭のプログラムはこんな感じ。



 1.開会式

 2.ラジオ体操


 3.徒競走

 4.駕籠かきリレー

 5.玉入れ

 6.ムカデ競走

 7.チア

 8.カラー対抗綱引き

 9.カラー対抗棒引き

 10.パン食い競走

 11.クラス対抗リレー


 12.お昼休憩


 13.応援合戦

 14.カラーダンス

 15.仮装障害物競走

 16.借り物競走

 17.部活対抗リレー

 18.騎馬戦

 19.カラー対抗リレー

 20.大玉送り


 21.閉会式



 徒競走が終わると直ぐに駕籠かきリレーの招集かかかって、絢斗も俺の出番だと張り切って向かっていった。


 駕籠かきリレーでは男子4人で支える竹棒に女子1人がしがみついて走る。


 絢斗は3走目のグループで1つめと2つめは青組と競りながら2着で絢斗達と交代した。


 この競技は4人の足の速さが同じくらいでないと危ない上に、遅い人に合わせなければならないので足の速い人が勿体なくなってしまう。


 身長もなるべく揃えないと竹棒を持ちにくくなるので、組み合わせなどなかなかに戦略がいる競技だったりする。


 絢斗たちは出場者の中から一番足の早い人たちを集めて、エントリーした中で一番軽い女の子と組んで一気に追い上げる作戦で臨んだ。


 その作戦は上手くはまったみたいで2組目の段階で1位だった青組を抜いて一気に1位に躍り出た。


 そして、2年生、3年生とそのまま1位のまま逃げ切り赤組が1着でゴールした。


 青組は2年生で黄色組に抜かれて3着になった。


 黄色組は2.3年生が異様に速くて赤組のほぼ横まで迫って来たが、最後の直線で赤組が決死の粘りを見せてギリギリ追いつくことが出来ず2着で終わった。


 徒競走の結果に加えて駕籠かきリレーの点が点数板に反映される。


 今のところの結果は1位黄色組、2位赤組、3位青組。


 黄色組は足の速い人が多いのか徒競走でだいぶ点を取っていたので駕籠かきリレーの結果を合わせても大差で1位だ。


 次の玉入れには僕と南と美咲ちゃんが出場する。


 各色の網が用意されてラインがひかれて玉がばらまかれる。


 僕と南と美咲ちゃんで近くによりながら必死に玉を投げまくった。


 美咲ちゃんが背が高いのもあってか思ったより沢山入れて負けじと僕と南も頑張った結果、赤組が一番多く玉を入れた。


 次の競技はムカデ競走、チア以外の女子全員参加で7人ひと組で足首をロープで繋いで走るレースだ。


 あれあんまり好きじゃないからチアでよかったかも…いやいや、チアの方が嫌だよ!


 チア待機場所で準備しながらムカデ競走を観戦する。


 南と真由ちゃんもチアがあるからムカデには出場しないので一緒に観戦している。


 結果は意外にも青組が1着、黄色組が2着で、赤組は3着でゴールした。


 総合点の方も更新されて、1位黄色組、2位青組、3位赤組。


 逆転されてしまったけど黄色と赤の差も縮まってるし青組とは僅差で抜かれただけなので、まだまだ逆転して1位も挑めそうな感じ。


 そしていよいよチアの出番…各組のチアが順番に応援合戦を行う。


 午後の競技の前に応援団がやるように午前中のこのタイミングでチアの出番となる。


「あ、楓ちゃん楓ちゃん」


「はい! なんですか?」


「さっき決まったんだけどね、楓ちゃんだけ衣装が違うでしょ? だから私の代わりに一番前で踊って貰うことになったから」


「えっ!?」


「踊りは変わらないから頑張ってね!」


 えぇぇぇーーー!!!?????


 うそぉ………。


 本来チアリーダーが踊るセンターを僕がやるの…?


 そんなの一番注目されちゃうじゃん…確かに一人だけ衣装が違うからそうなっちゃうのかもしれないけど…。


 本番直前、やっと覚悟を決めた僕に再び爆弾が落とされた瞬間だった。




 ーーーーーーーー




「楓さん…大丈夫でしょうか…」


「なんか一人だけ衣装違うんだっけ?」


「うん…サイズなかったんだって…」


「まあ頑張れとしか言えないよねぇ」


 赤組の待機場所でムカデ競走から帰ってきた私たちは次のチアの話をしていました。


 紗良さんも心配してるみたいなんですけどちょっとワクワクした顔してます…。


「そういえば美咲、仮装平気?」


「うん…大丈夫…」


「楽しみにしてるね!」


「うん…!」


 楓さん…チア頑張ってください…!




 ーーーーーーーー




 いよいよチアの順番が回ってきた。


 クジで順番を決めたから公平なんだけど…間でやりたかったなぁ…。


 まず最初に青組のチア、次に黄色組、赤組はラスト…トリ…。


「じゃあみんな! 頑張ろうね!」


「「「「「おーーー!!!!」」」」」


「お、おぉー…」


「楓ちゃん元気ない! センターなんだから一番元気いっぱいでいかないとね!」


「はい……」


 本当なら南と真由ちゃんと並んで後ろの方だったのに…二人とも僕見て笑ってるし…。


 二人とも困ってる僕を見て笑うなんて酷いよね…!!!


「次は赤組の入場です!」


 あぁ…ついに呼ばれちゃった…。


 先輩の行くよーという掛け声に合わせて走り始める。


 こうなったらもうやけくそだよ!


 思いっきりやってやる!!!!


 …………。


「楓おつかれ〜」


「アリガトウ…」


「楓さん…お疲れ様です…」


「ウン…」


 男子たちの視線を集めて帰ってきた僕を絢斗と美咲ちゃんが迎え入れてくれる。


 やけくそになって思いっきりやった結果、先輩たちにも褒めてもらえたけど羞恥心で今すぐ穴に入りたい気分だ…。


「ま、まあ赤組はみんなやる気貰ったし良かったよ」


「そうです…私も元気もらえました…!」


「ウン…ソレハヨカッタヨ…」


 絢斗も美咲ちゃんも慰めてくれてるのは嬉しいんだけど、今は静かに気持ちを整理したい…。


「楓ちゃん! 残りの競技はこのまま応援して回るから早く来て〜」


「エ…」


「なにしてんの楓ちゃん、さっきの調子で頑張るよ!」


「うそぉ……」


 結局午前中は残りの競技はクラス対抗リレーが終わるまでチア服で応援して回るのだった…。


 クラス対抗リレーは絢斗と南と真由ちゃんが出て黄色組を抑えて1位になった。


 2年生と3年生はどちらも黄色組が1位で赤組は両方2位だった。


 午前中を終えての順位は1位黄色組、2位が赤組、3位青組となった。




 ーーーーーーーー




 さて、場面は変わって赤組チアが入場してきた時の待機場所。


「お、入場してきた!」


「あれ、先頭夢川じゃん!」


「一人だけ衣装違くね?」


「うわ、めっちゃ露出多いじゃん…」


「あれ恥ずかしくないのかな」


「なんかすごく元気だし平気なんじゃね?」


「あいつほんとに男だったんだよな?」


「俺恋していい?」


「可愛いわぁ…」


 元気いっぱいに踊る女子を…主に夢川楓に釘付けの男子たちはいいとこを見せるぞと団結を強めた男子たちだった。


 ちなみに絢斗を除くクラ対出場者の男子3人は楓の応援を受けていつも以上の走りを見せて1位をもぎ取った。




体育祭書くの難しい...というかチアなんかやった事ないからチア視点の部分が書けない...。

というわけではしょりましたごめんなさい!

頑張る楓の姿はみなさまの妄想の中で踊らせてあげてください...。


次はいよいよ仮想障害物競走になります!

楓と美咲のコスプレはどうなるのか!

これはしっかり1話まるまる使って書くのでお楽しみに!


それでは今回も最後まで読んでくださりありがとうございました!

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[一言] とりあえずポニテでポンポンを振りながら元気に飛び跳ねる楓ちゃんが頭に浮かびました 楓ちゃんブースト:味方チームの男性のやる気が3倍になり実力がフルで発揮されるようになる ↑楓ちゃんに応援さ…
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