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謎の写真撮影...!?

 



 新学期初日の始業式の日、帰りのHRを終えて南と教室を出たところで遠藤さんと鈴木さんに捕まった。


 ちなみに絢斗は終わると同時にどこかへと連れていかれた。


「楓ちゃん! このあと時間ある?」


「あたしらとお昼食べに行かない??」


「えっと…南はどうする?」


「私は構わないけど…」


「え、南も来るの…?」


「私抜きの話だったの!?」


「当然〜、南がいると楓ちゃんを思い通りにできないじゃん」


 なんか恐ろしい話が繰り広げられている気がする…。


「僕は南が来てくれた方がいいな…」


「だって! 楓がこういうんだから仕方ないな〜。それに楓が好き勝手いじられるのはとめなきゃいけないもんね!」


「南…ありがとう…」


「ちょっと南、集合」


 ひそひそひそひそひそひそひそひそ…。


 形としては僕と南が並んでいて向かって遠藤さんと鈴木さんが並んでたんだけど、南が連れてかれて向こうで3人で丸くなっている。


 しばらく何かを話してから3人いっせいにこちらを振り返って…なんか目がキラキラしてるんだけど…。


「楓、さあ行こっか。大丈夫私たちに任せて」


「え、南…どうしたの…?」


「楓ちゃんは怖がらなくていいからね〜」


「さあ気にせずあたしに着いてきてね」


「みんな怖いよ…!?」


 なんか…唯一の味方が寝返ったような気が…気のせいだよね…?


 大丈夫だよね…?


 僕大丈夫かな…。




 ーーーーーーーー




 というわけでJK4人…うち1名は元男の子…は藤沢から移動して原宿にやってきた…え、原宿!?


 いつの間にこんな所まで…。


「楓ちゃんは来るの初めて?」


「うん…南はきたことあるの?」


「そりゃ何回も来てるよ〜」


「う…南が眩しい…」


「そりゃJKですから〜」


「楓ちゃんももうJKなんだからね〜」


「そ、そうなんだけど…」


 す、すごいなぁ…若い人が沢山いる…男性もいるけど学校帰りらしき制服女子が沢山いる…。


 僕も制服なんだった…制服でこんな所まで来るの初めてだなぁ…。


「じゃあまずはお昼にしよう、楓ちゃんの希望を聞こうじゃないの」


「うんうん、楓ちゃんは何食べたい?」


「え、僕? うーん…僕はなんでも…」


「それはだーめ、ほら決める!」


「え、えーと…じゃあ…マ〇ク?」


 みんなが静かになった…え、今まで絢斗と学校帰りのお昼とかマ〇クよるくらいだったから…。


「ぷっ、ふふふ、、あはははは」


「み、南!?」


 他の2人も笑っている。


「え、なにかおかしなこと言った!?」


「ううん、全然、でも男の子だな〜って思ったの。よく絢斗と行ってたもんね」


「ごめんね楓ちゃん、南の言う通りで笑っちゃった…」


「大丈夫大丈夫、あたしもマ〇ク好きだし」


「うん…」


「でもね楓ちゃん、私たちはJK! 原宿まで来たんだからもっと可愛いお店に行こう!」


「南、私たちで決めちゃおっか」


「その方がいいね、楓に色々教えてあげないと!」


「えっと…よろしくお願いします…?」


 マ〇クだっていいのに〜…でもここまで来てマ〇クというのが勿体ないのもわかるけど…僕知らないし!


 結局笑われるだけ笑われて南が決めたお店に入った。


 僕にはよくわからないカラフルで可愛らしい店内は初めて来る雰囲気で少し落ち着かない。


 メニューもよく分からず南と同じものを頼んで食べた。


 …よくわからなかったけど…。


 とりあえずJKなら可愛いお店にいく、覚えとこう…。


 お昼を済ませた僕達は食べた後にも関わらず別のお店に入っていた。


「これがタピオカ…」


「ここのお店がおすすめだから楓ちゃんも覚えておくこと!」


「う、うん…」


「南もここよく来るんだっけ?」


「うん、私もココがオススメかな〜」


 タピオカかぁ…数年前にものすごいブームになってしばらく落ち着いてたけど、最近になってまた再燃してブームになってるんだよね。


 僕は初めて食べるからちょっと楽しみだ。


 黒糖タピオカ…いただきますと呟いて太いストローを口に含む。


 少し吸うと丸いタピオカと一緒に液体が流れ込んでくる。


 甘い…タピオカは噛めばふにっと潰れて柔らかくて面白い。


「どう? 楓初めてでしょ」


「うん…ちょっと不思議な感じ…でもすごく美味しい!」


「よかった〜、楓ちゃんこれも飲んでみて!」


「え、うん! いただきます…はむっ、ちゅ〜」


 これはミルクティーかな…?


 甘くて美味しいけど黒糖の方が好きかも…。


「楓こっちも飲んでみて」


「うん…いただきます、はむっ、ちゅ〜」


 こっちも美味しい…なんかすごくみんなに見られてる…。


「えっと…」


「楓は可愛いな〜」


「同感、楓ちゃんほんと可愛い」


「はむっ、ちゅ〜だって」


「南、あたしが楓ちゃん貰ってもいい?」


「だ、だめだよ!絶対だめ!」


「うん…? えっと、美味しかったよ?」


「よかった!」


「じゃあ次はあたしの飲んでみよっか!」


「いただきます…」


 なんか餌付けされたみたいにみんなのタピオカを貰ってニコニコ眺められる…。


 ちょっと…というか結構恥ずかった…。




 ーーーーーーーー




 タピオカ店を出て原宿を歩き回った僕達は渋谷の方へ移動してきた。


 時間はそろそろ4時くらいだから、次行ったら帰るくらいかな…。


 南も遠藤さんも鈴木さんも色々教えてくれて楽しいところを沢山回ってすごく楽しい。


 JKっていいかも…?


「じゃあ次はちょっとここ行こっか楓ちゃん」


「ふふふ、行こうね〜」


「楓、私たちに任せてね!」


「え、えっと…」


 とある建物の前で立ち止まった僕達は振り向いた3人にものすごく不安になるフォローを入れられて建物に入っていった。


「南…ここは何をするの?」


「うんうん、楽しみだね〜」


「答えになってないんだけど…」


「大丈夫だよ〜、きっと楽しいからね〜」


「う、うん…」


 建物に入って2階に上がるとどうやら写真スタジオのような場所に出た。


 うん…なにここ…。


 あれ、あそこにいるのは…。


「椎名さん!」


「あ、海のときぶりだな…」


「椎名さん今日はお願いしますね!」


「ああ、星月の頼みだから…」


「えっ、どういうこと?? 南?」


 遠藤さん達は少し後ろで並んで立っている…。


 どういうこと…?


「えっとね、私が空ねえにお願いしてた椎名さんの時間とってもらったの」


「ちょっと待って全然わかんない…」


「南に楓ちゃんを着せ替え人形にしたいって話してたらこうなったの」


「ね〜、あたしもびっくり」


「でも楽しみ〜」


「すごく他人事…え、僕どうなっちゃうの…?」


「楓は椎名さんの言う通りにすればいいの…じゃあ向こうでお着替えしよっか」


「え…」


 待ってどういうこと…椎名さんは奥の部屋で手招きしてるし…とりあえずここには味方いないみたいだから椎名さんに聞いてみようかな…。


 椎名さんが手招きしてる部屋の方に向かっていく。


「えっと…僕全然わかってないんですけどこれってどういうことですか…?」


「わからん…星月から突然夢川にコスプレさせて写真を撮ってくれと頼まれた…」


「コス…プレ…」


 部屋の中にはハンガーにかかった様々な衣装が並んでいる…。


「…まあ俺としても好都合だったからな…よくわからんが頼まれたから引き受けた…とりあえずこの人が着替えとメイクやってくれるから…」


 そう言って椎名さんは戻っていった…。


 えぇ…整理すると最初遠藤さん達は僕をショッピングに連れて行って着せ替え人形にするつもりだったんだよね…?


 そこに南が混ざってお姉ちゃんに連絡がいってこんなことに…。


 あ、後できちんと話し聞かせてもらおう…。


「じゃあ夢川さん、ここに座ってくれるかしら」


「えっと…はい…」


 そして僕はばっちりメイクされてまずは制服でとスタジオに戻された。


「よし、メイク終わったな。夢川、とりあえずそこ立て」


 あ、仕事モードになってる…。


「はい…」


 僕はとぼとぼ歩いて白い背景のところに立つ。


 向こうで並んでニコニコしながら見てる3人も見える。


 後でたっぷり怒ってやるんだから…特に南!


「夢川、表情が硬い。それとそんな直立で写真撮る奴がいるか。もう少しポーズつけろ」


「はいぃ…」


 ポーズと言われても…。


「はぁ、じゃあまずはこうしろ」


 とりあえず椎名さんの指示に従ってポーズを取っていく。


 椎名さんの指示通りに動いていると気がついたら3人の存在が気にならなくなり集中出来てきた。


 椎名さん曰く表情も自然になってきたみたい。


 何枚も撮ったところでメイクルームに戻って衣装に着替える。


 こ、これは…メイド服…しかもこれかえでのメイド服じゃん…!


 あ…タグにIKUYAZAKIって書いてある…お姉ちゃんと矢崎さんの仕業だこれ…。


「うん、似合ってる。このウィッグをかぶせてって言われてたけどこのままでもいい気がするな…」


 先程からメイクをしてくれているお姉さん、菊池さんにそう言われてスタジオに戻ると4人がわぁと盛り上がった。


 急に視線を感じ初めて恥ずかしくなってきた…。


「夢川、じゃあそこに立て。ウィッグは?」


「菊池さんがいらないって…」


「郁からウィッグも撮れと伝言があったと星月に言われている。菊池、用意しとけ、両方撮る」


「了解〜!」


 あれ…矢崎さんに頼まれてるの…?


 ちょっと待ってこれってなんで僕ここでこんな写真撮影してるんだろう…?


 南だけのせいじゃない気がしてきた…。


 と、とりあえず着替えちゃったんだし撮るしかないよね…。


 そして僕はかえでと同じピンクを採り入れた可愛らしいメイド服で沢山ポーズを決めた。


 2時間ほど撮影して撮った写真はその場で現像してもらった。


 データとしても貰ったから確認出来る…ってなんで南達にも配られてるのかな!


「いや〜、楽しかったね〜」


「南ほんとナイスだよ!」


「楓ちゃんの可愛いとこ沢山見れておなかいっぱい!」


「でしょ〜、空ねえに頼んでよかった〜!」


「…」


 3人で楽しそうにして…僕は大変だったんだからね!?


 意味もわからずポーズ強要されて写真撮られまくって…もぅ…。


 新学期初日から波乱の一日をすごした楓だった。




 ーーーーーーーー




「矢崎さん…服のデータありがとうございます!」


『お、喜んでくれたならよかった。配信で使ってね』


「はい! そうだ…今日の椎名さんのとこでの写真なんだったんですか!!」


『ああ、元々連絡入れようと思ってたんだよね。そしたら南から連絡が来たって空から聞いてね、ちょうどいいと思って葵にお願いしたんだ』


「どういうことですか?」


『ん? 今度IKUYAZAKIで大規模なイベントをやるからね、楓にもぜひ出てもらいたいと思ってるんだ。制服の写真はついでだけど甘夢かえでコスプレはその時の衣装だからね、そのための写真だよ』


「…なんにも聞いてないです…」


『あれ、空から南に伝言頼んだって聞いたんだけどな…僕の方からもメールはしたんだけど気が付かなかった?』


「…南に伝言頼んでも絶対言わないです…ほんとだ、メール来てました…」


『そっか、伝わってなかったのほんとごめんね…』


「いえ…大丈夫です…それでそのイベントで僕は何をすればいいんですか?」


『甘夢かえでのステージを用意してるんだ、もちろんステージに立つ時はアバターを使ってもらうけどね。ステージの時間以外は基本的にコスプレで会場内を宣伝して欲しい』


「なるほど…って、ステージですか!?」


『うん、僕が初めてデザインした3Dアバターだからね。是非ステージをやって欲しい』


「それは…すごく楽しみです! でもコスプレで宣伝…」


『やっぱり難しい? 冬コミで顔出しするなら平気かな〜なんて思ったんだけど』


「顔出しは…まあ変なことに使われないなら平気ですけど…」


『メイクはするしウィッグはつけてもらうし、悪用されないように最善の注意を払うよ』


「わかりました…頑張ってみます!」


『うん、ありがとう。詳細はまた送るから』


「はい!」


 IKUYAZAKIブランドの大規模イベントにおいて甘夢かえでのステージが決まったのだった。



本日2話目の投稿になります!

本当なら改めて呼び出すつもりだったんですけど南たちに連れてきてもらいました。

楓はネット上には顔を出さない方針でオフラインイベントのみ顔出しする予定です!


あ、コメントで頂いた質問箱やマシュマロは配信回でかえでに読み上げてもらいます!

これからもどんどん募集するのでどしどし送ってくださいね!!


...思ったんですけど楓って疑いながらも結局着いてっちゃいますよね...大丈夫かなこの子...。


今回も最後まで読んでくださってありがとうございます!

ブクマ登録、高評価、コメントお待ちしてます!!

コメントにてかえでや他のVtuberへのマシュマロや質問も募集してますのでどしどし送ってください!!歌枠のリクエストとかもお待ちしてます!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 男の娘がTSするところが性癖詰まってて最高です。 [気になる点] 特に無いです!!! 気になると言えば続きくらいのものです。 [一言] やっと追いついたと思ったら新話が更新されてました!!…
[一言] 南は楓ちゃんが着せ替え人形になれるよって言葉に買収されたんだなw このまま楓ちゃんはクラス女子の共有財産になりそう(小並感 このステージが1話冒頭に繋がるのかな?
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