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番外編2:プールの時の涼くん



(遅い…)


 大樹が飲み物を買いに行ってかれこれ15分ほどの時が経った。


 そんなに混んでいるのだろうか、いくらなんでも遅すぎないか?


「なあ、あいつちょっと遅すぎない?」


「そうですか? 混んでるのかもしれませんね…」


「おにぃ…なんぱとかしていないよね…」


「はぁ…探しに行くか」


 そう言って席を立って大樹が買いに行った方向に歩いていく。


 幸いすぐに飲み物を販売している出店の近くに大樹の姿を発見した。


 大樹の影に小柄な女の子が立っているのが見える。


 ちょうど大樹に被って顔まで見えないがポニーテールで大樹よりひとまわりもふたまわりも小さい、やはりなんぱだろうか…。


 まあ個人の恋愛に鑑賞する気はないがこちらとしてもいつまでもお昼を食べられないので声をかけることにした。


 そう思い近づいて俺は気づく。


(楓…?)


 そう、大樹が話していたのは俺もよく知る楓だった。


 話が聞こえる距離に近づいても二人は気づく気配がない。


「涼達も向こういるけど会う?」


「あ、僕達も向こうだから会いに行こうかな!」


「あいついっつも楓ちゃんの話するから水着拝めて喜ぶぞー」


「そうなの?」


 って、黙って聞いてりゃなんて話をしてんだこいつは…。


 俺は割と思い切り大樹を叩いて止めに入った。


「おー、夢川さん…いって!」


「遅いと思ったら何言ってんだよ大樹」


「あ、水野くん!」


 ようやく気づいた楓がこちらを見上げてくる。


 うっ…この笑顔に見られるとなんか緊張するんだよな…。


「お、おう、夢川さん…」


「歯切れ悪いぞ涼くんや」


「うるせ、余計なこと言う前にさっさと向こう言ってろ」


 余計なツッコミを入れてくる親友に手が出かけて楓の前というのを思い出し留まる。


「へいへい」


 代わりに思い切り睨むとしょうがねえなぁとでも言いたげな顔で飲み物ををもって席の方へ帰っていく大樹を確認して楓の方へ向き直る。


「その、久しぶりだな」


「うん…久しぶりだね?」


「その、似合ってるよ…水着…」


「えっと、ありがと…」


 なんでだろう、楓の前だとやはり口が自由に喋らない。


 楓も不思議に思うだろうな…。


 楓の水着は可愛いけど大人っぽくて妙に色っぽく見せている。


 多分色んな人が楓を見ると思う。


 それはなんか嫌だな…。


「元男がこんな水着着てたら変かな…?」


「そ、そんなことないだろ…前の夢川さんがどうだったかとか知らないけど…少なくとも今は女の子なんだからいいんじゃないのか?」


「そうかな…ありがと!」


 だから笑顔が眩しいって…。


 やっぱり誰にも見て欲しくない。


「おう…だけどこれ羽織っててくれない?」


 そう言って俺はは着ていたラッシュガードを脱いで楓に押付けた。


 これで隠せば少しはマシだろ。


「え、なんで…? やっぱり変かな…」


 いや、変な誤解を与えてしまった。


「いや、そういう事じゃなくて…なんか…あー…そんなんじゃ色んな人に見られるだろ、だからこれでも着とけって」


「え、うん…? ありがと…?」


 あまり理解してないのか頭にはてなを浮かべながらラッシュガードに手を通していく楓。


「ちゃんと前閉めろって」


「う、うん…」


 楓は俺の言うままにに前を閉めればだぼっとしたラッシュガードが太ももまで隠して少しマシになった。


 これなら見られることも減るだろ。


 覗いている足が強調されてこれはこれで色っぽい。


「夢川さんは…その…可愛いんだからすごい見られてると思うからさ…なんか嫌で…」


 言いたいことは言えないくせに楓の不安そうな顔を見ると口は勝手に本心を漏らす。


 恋人じゃないのに何言ってんだろうか…楓に引かれたかもしれない…。


「えっ、うん…ありがと水野くん…」


 それでも笑ってお礼を言う楓にダメだなぁ俺と思ったのであった。







 …それにしても…なんでこんな水着選んだかなぁ…。


 この水着は誰かに見せたくて着てるとかだったらやだな…。

番外編!

半分寝ながら書きましたプールの時の涼くんです!


天羽ジュネっていいよね。

(なぜ突然プリリズの話を出したかはわかる人にはわかる...これもヒントだったりする)


最新話に番外編があるとしおりが機能せず読みにくいというお声を頂いたので各章の最後にまとめることにしました!

大変貴重なご意見ありがとうございました!!



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