悩みと想い人
長いです
海にやってきた俺たちは湘南の砂浜に座っている。
浅瀬では空さんを除いた女性陣が水を掛け合って遊んでいる。
「きゃっ、小雪ちゃんお返し!」
「ひゃっ…楓ちゃんにも…」
「わわっ、やったな〜!」
「きゃあっ、楓さん私にもかかってます!」
空さんは呼ばれたと言って矢崎さんと椎名さんの所へ行ったらしい。
「なあ涼…絢斗…こういうのっていいよなー」
「こういうのって?」
大樹の呟きに涼が呆れたように聞き返していた。
「いやさー、女の子たちが水を掛け合う姿を見てられるなんていいよなー」
「お前オヤジ臭い…」
「まあ分からない気もしないけどな」
「おー、絢斗はわかってるなー。涼は男じゃないんじゃないかー?」
大樹は割とこういうことをすぱすぱ言う。
俺も比較的正直に言ってしまう性格だけど…。
対して涼は興味はあるようだがあまり表には出さない、もしくは意中の相手でもいて認めたくないのか…。
「あんまりジロジロ見るのも失礼だと思うけどな」
「やっぱ涼は男じゃないなー。絢斗は誰がいい」
「え? 俺は…空さんかな」
「おー? これは匂うなー」
「な、なんだよ」
「まあ後で聞かせてもらうとして…」
意中の相手といえば俺もそう変わらないか…。
「そういう大樹はどうなんだ?」
「俺? 俺は…南ちゃんかなー、可愛いしスタイルいいし」
「南に言っとくよ」
「やめろ?? 涼は?」
「え、俺は……夢川さんかな…」
「楓?(楓ちゃん?)」
「なんでもない、忘れてくれ」
「あ、これは本気だなー、おい話聞かせろ涼ー」
ちょうどそこに矢崎さん達が色々荷物を抱えて砂浜にやってきた。
「あれ、男子は暇そうだね〜」
「うん、手伝ってもらおうかな」
「絢斗達〜、手伝ってくれる〜?」
どうやら呼ばれているらしい。
あの荷物を見る限りテントとかパラソルとかだろうか。
ならここは男子組の出番と言ったところだろう。
声をかけてくれれば俺が手伝いに行ったのに…。
「テントですか?」
「うん、テントと葵が持ってるのはバーベーキューセットだね」
「じゃあ食材はここ置いてくね〜! 私も遊んでくる〜!」
持っていた食材を置いて膨らんだ浮き輪を持った空さんは楓たちのところに走っていく。
その後ろ姿を見つめていると入れ替わりに涼と大樹がやってくる。
「じゃあまずはテント組むの手伝ってもらおうかな」
「「「はい!」」」
5年振りの空さんはすごく綺麗になっていてずっと胸に秘めていた想いは今日一日で爆発しそうなほど高まってしまっている。
もちろん伝えることは無いけど目で追ってしまうくらいは許されていいと思う。
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「楓〜!」
「お姉ちゃん! 向こうはテント?」
「そうだよ〜、色々お楽しみあるから楽しみにしててね〜!!」
お姉ちゃんも加わって5人で波に揺られながらもう少し深いところまで泳いでいく。
お姉ちゃんが持ってきてくれた浮き輪と南が引っ張ってくれたおかげでのおかげで僕も溺れずに深いところまで来れた。
小雪ちゃんも泳げてるのに…僕だって全く泳げないわけじゃないよ?
でも苦手なんだもん…静かなプールでマイペースに泳ぐなら平気だけど海は怖いから念の為の浮き輪だからね!?
お姉ちゃんも浮き輪を持っているが僕みたいに必要としてる訳では無く小雪ちゃんにと持ってきてくれたものだった。
小雪ちゃんが泳げると断られてそれでも一応持っているだけ…つまり本当に必要としてるのは僕だけ…。
何度か南が潜ったりして海の波に流されてぷかぷかするのも気持ちいい。
しばらくして疲れた小雪ちゃんが浮き輪の上に座ってぷかぷかしたり。
お姉ちゃんと南の勝負がはじまったり。
僕と小雪ちゃんで水の掛け合いをしたり。
時間はあっという間にすぎて浜に戻ってきた僕らは絢斗達と合流してビーチバレーをすることになった。
最初は男子メインでチーム分けは矢崎さんと水野くん、椎名さんと清水くん、絢斗は審判をしている。
まずは椎名さんのサーブ…え、待ってなんか後ろの方から助走つけて…。
ばこぉぉぉん!!!
ふ、フローターサーブ……。
「葵本気だね?」
相当強かったと思うんだけど軽々受け止めた矢崎さんは涼くん!と声掛けして水野くんがトスを上げると助走をつけた矢崎さんが跳躍…。
どこぉぉぉぉぉん!!!!
す、すごいスパイク…なにこれ…。
清水くんの方へ飛んだボールを清水くんが受けれないと判断したのか反対サイドから飛び込んでボールを受け止める椎名さん。
清水くんがトスを上げるとすぐさま立ち上がった椎名さんが入り込んできてスパイク!
もう何が何だか…水野くんと清水くんは受けきれないとトスをあげるのに徹していてほとんど矢崎さんと椎名さんの勝負になっていた…。
絢斗も絶句しているし女性陣も…お姉ちゃん以外絶句していた。
お姉ちゃんだけやれやれ〜、頑張れ〜なんて言ってるから慣れてるのかな…。
結局勝負は1点差で矢崎さんのチームが勝利、椎名さんは崩れ落ちて悔しがっていた。
なんかオーバー…。
次は女性陣の番、チーム割りは僕と南、妃更さんと小雪ちゃん、お姉ちゃんは審判。
「じゃあ行きますね!」
さっきまでの男子の試合とは比べ物にならない平和なバレー…そうだよ遊びのビーチバレーならこうじゃなくちゃ…!!
僕も何度か相当優しいサーブと相当優しいスパイクを打ったりして楽しんだ。
結果としては僕達は負けてしまった…いやね、妃更さんは普通だったの…小雪ちゃんが…小雪ちゃんが…。
「えへへ…勝てた…」
あの小柄な体のどこからあんなパワーが出てくるんだろう…矢崎さん達には遠く及ばないにしても小雪ちゃんはものすごくバレーが上手かった。
次はお姉ちゃんと絢斗チーム対矢崎さん椎名さんチーム。
この勝負はお姉ちゃんから言い出したもので最初全員が反対していたけど絢斗がペアを組むことになった時にやろうと言い始めたので試合決行。
勝負は当然矢崎さんと椎名さんが…あれ…?
「強いなぁ…」
「くそっ…」
試合は意外な展開に向かっていた。
いいとこ見せるぞと意気込んでいた絢斗だったが結局トスに徹していた。
なんなのお姉ちゃん…矢崎さんと椎名さんを一人で圧倒してる…。
「絢斗いえーい!」
「い、いえーい…」
無邪気に笑うお姉ちゃんと苦笑いでハイタッチする絢斗…。
まあこれは苦笑いになるよね…。
試合結果はお姉ちゃん絢斗チームの圧勝、矢崎さん椎名さんチームは一点も取れずに沈んでいった。
「ふふーん、私がMVPかな〜!」
ーーーーーーーー
ビーチバレーをしたあとはまた海に入って各々別れてそれぞれ海を楽しんでいた。
僕は小雪ちゃんと水野くんと一緒に深い方までやってきた。
2人で使えるサイズの浮き輪に僕と小雪ちゃんが入って水野くんが押してくれている。
「水野くん大丈夫?」
「ん? 平気平気、気にせず海を楽しんで」
大きめの波がざばーんと浮き輪を揺らすと僕も小雪ちゃんも浮き輪にしがみついて水野くんが支えてくれている。
「海っていいな…近くにあるのにこうやって遊びに来ると良さがわかる」
「ほんとだよね…波に揺られるのほんとに楽しい」
「小雪も…楽しい…!」
時刻はもうすぐ5時半をすぎる頃だと思う。
あと数時間すれば真っ暗になってしまう、夏といえど7時くらいには暗くなり始める。
暗くなったらみんなでバーベーキューをすることになっているけどそれまでは沢山遊ぶよ!
その時突然僕の足を誰かが掴んだ。
「きゃっ、誰っ!?」
「え? あ、南さんいるよ」
「え!?」
「ぷはぁ、バレちゃった」
浮き輪の横に浮上してきた南はてへっと可愛らしく顔をこてんとさせる。
「清水くんが小雪ちゃん呼んでたから迎えに来たよ〜」
「う…ん、じゃあ…小雪は…先に戻るね…!」
「夢川さんはどうする?」
「あっちまで行ってみたいかな!」
「了解」
小雪ちゃんと南が泳いでいくはまのほうにかえっていく。
沖の方に残った僕達は水野くんに押してもらいながら波をぷかぷか進んでいく。
そういえば水野くんはこうして女の子になった僕と変わりなく話してくれるけど…こんなふうに女の子になった僕を気持ち悪がってないのかな…。
普通突然性別が変わったのに僕みたいに平然としてたら…平気ではなかったけど受け入れたから…とにかくこうやって女の子でいようとしたら気持ち悪いと思うんだよね…。
「ねえ、水野くんは僕が女の子になったって聞いてどう思ったの?」
「どうしたんだよ急に、どうって言われてもなぁ…元々女の子にしか見えなかったし」
「ま、まぁ、うん…否定はしないけど…」
「夢川さんが本当に男の子で俺と会って後に女の子になってたとしても夢川さんは夢川さんじゃん。前も言ったと思うけど別にそんな事で嫌いになったりしないよ」
テラ〇モールの時と同じこと言われちゃった…。
確かに水野くんはあれからも変わらずPINEをくれるし僕が何か言うとすぐに反応も返してくれる。
直接会う機会は少なかったけど最初の頃から何も変わってない…こんなこと聞いて失礼だったよね…。
「ごめん…水野くんは前にもそう言ってくれたのにこんなこと聞いたらダメだよね…」
「いや、まぁ、夢川さんが女の子に変わったとしてそれを受け入れてるのは周りから見たら変かもしれないよ。だから夢川さんがそうやって心配するのはわかる。でも俺はあんまり気にしないし気にするやつはほっときゃいいよ。味方はいるだろ」
「うん…ありがと…」
水野くんは僕の悩みをわかった上で受け入れてくれてる。
僕にはこんなふうに味方になってくれる人がいる、それだけで先に進める気がしてきた。
僕が新学期に向けて悩んでる大きな悩み…水野くんはすごいなぁ…こうやって人の悩みを晴らしてくれるんだから…。
優しさに直面してそう思えば勝手に涙が溢れてくる。
あれ…最近強くなったと思ったんだけどなあ…涙が止まらないや…。
「あ、また泣いた。夢川さんってよく泣くよね」
「な、泣いてなんかないよ…海で濡れてるだけだもん…」
「嘘だぁ…前の時も初めて会った時も泣いてたよ」
「き、気の所為じゃないかな?」
「いやさ、泣いていいんじゃない?」
えっ?
泣くのは恥ずかしいことで…子供だから許されることで…。
「辛いことがあったりしたら誰だって泣く権利くらいあるだろ。もちろんみんなの前でみっともなく泣けなんて言わないけどさ、どうせ泣き顔見てんだから俺の前くらい無理しなくていいんだよ」
そう言って浮き輪の外から水野くんが僕を抱きしめる。
体重に耐えきれなくなった浮き輪の一部が腹の下に沈んで僕と水野くんを密着させる。
なんでだろう…こうして抱きしめられると今まで堪えていた蓋が一気に外れるように涙が止まらない。
「そっか…僕こんなに泣きたかったんだ…うわぁぁぁん…ぅぇぇぇぇ…」
女の子になったストレス、それは僕の中で間違いなく溜まっていたらしい。
きっと気持ちで誤魔化してた部分、今まで気が付かなかった部分、表に出さずに堪えてた部分、でもさっきみたいに聞いちゃうことこそがストレスに感じてたからなのかもしれない。
新学期の問題はわかりやすく直面したひとつだったけど多分それだけじゃない。
本当はどう思ってるんだろう、本当は嫌なんじゃないかな、関わりたくないんじゃないかなとか色々考えていたのかもしれない。
水野くんに抱きしめられて不思議と自分でも知らなかった自分がさらけ出されていく。
「気が付かないだけで無理してることって結構あるからさ、それに夢川さんは最近Vtuber活動に力入れすぎてたんじゃないかな。だから泣けなくなってたんだと思うよ」
「うん…ぐす…」
「ま、俺はいつでも相談乗るからさ、何かあったら電話でもなんでもかけてこいよ。絢斗だって南さんだって、俺だって楓の友達なんだから頼っていいんだぞ」
「そうだね…今度何か悩み事があったら電話かけるね」
「おう、待ってるよ」
しばらくそのまま水野くんの胸をかりてわんわん泣いた僕は出せる涙全て流しきって落ち着いていた。
こういう時の海の波の揺れってすごく落ち着く…。
「あ! そういえば夢川さん海来てからこれ脱いだろ」
突然思い出したようにプールの時まで僕が借りてたラッシュガードをつまんで見せる。
そういえばさっき海に来た時に脱いで置いてたんだった、気がついたら水野くんが自分で着ていたらしい。
「う、うん…だって人も減ったしせっかくの水着だから…」
「まあいいけど…あんま見せたくないと思ったんだよ…あぁ、なんか変だよな恋人でもないのにこんな事言うの……その、すごく似合っててかわいい…」
「うん…ありがと…水野くん」
海の上に二人だけだとちょっと不思議な感じがする。
水着をみんなにほめて貰った時の嬉しいとはまた違う感覚、心がドキッとするというか…。
「んー。それ、そろそろやめない?」
「え?」
「水野くんって他人行儀で嫌だ…」
「水野くんだって夢川さんじゃん…最初みたいに楓でいいのに」
「まあ…そうなんだけどさ…」
しばらくの沈黙。
沈黙と反対に心臓は速くなっていく…理由はわからないけど。
少し経ってゆっくりと口を開く水野くん。
「うぅん…じゃあ……楓…これでいいだろ」
「えっ、うん…」
「ちゃんと楓って呼ぶから俺のことも呼び捨てでいいよ」
「…でも呼び捨ては…歳上だし…」
「敬語じゃないし今更だろ」
ま、まあそうなんだけどね!?
なんか…り、涼くんって呼ぶのは少し恥ずかしいというか…。
「楓が名前で呼ばないなら俺も夢川さんって呼ぶよ」
「えっ…わ、わかったよ…」
その言い方はずるいと思う。
海の上の二人の時間、この間がどれだけ長いかはよくわからないけど水野くんはずっと待ってくれている。
「………り、涼くん…?」
「っ…おう…その方がずっといい」
「…よかった…?」
「もっと呼んでみてよ楓」
「り、涼くん、涼くん、涼くん涼くん涼くん…」
涼くん涼くん涼くん…もうそろそろ慣れてきたかな…?
呼ばれた涼くんは少し顔を赤くしている。
「そんなに呼ばれるとさすがに恥ずい…」
「えと…ごめんね?涼くん」
「楓ってたまに小悪魔だよな」
「そうかな〜、涼くん?」
「小悪魔だ…」
小悪魔なんて初めて言われたけどそうなのかも?
たしかに今は何となく困る涼くんを見たい気がする…小悪魔なのかな?
涼くんが顔を下に向けてしまうので覗き込むように涼くん?と呼べば、涼くんはもうやめろってと言って浮き輪を押し始めた。
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「二人とももう焼き始めるよ〜」
「楓たち遅いよ〜」
「ごめんね…?」
「涼もおせーよー」
「ああ、ごめん」
僕達が沖の方から戻ってくると丁度火がいい調子になってきて椎名さんが肉を準備していた。
お姉ちゃんも野菜を並べ始めていよいよバーベーキューが始まった。
みんなでVtuberのことを話したり今日のことを話したり、そろそろ学校が始まるなんて話したり、気がついたら辺りは暗くなっていてお腹もいっぱいになってきた。
肉も野菜も終わって最後はマシュマロ。
みんな割り箸にマシュマロを刺して火で炙っている。
「楓、これ食べる?」
「いいの? 涼くんが作ってたのに…」
「まあ、楓のために焼いてたし食べてよ」
「う、うん。ありがと!」
涼くんから受け取ったマシュマロは丁度いい感じに色がついて溶けかけていた。
一口かじればとろっと溶けたマシュマロが甘みと共に口の中に拡がっていく。
「美味しい…」
「そっか、よかった」
「うん! ありがとね、涼くん!」
「涼くん?」
お礼を言うと涼くんは次のマシュマロを焼きに火の方へ戻っていった。
丁度同じくして焼けたマシュマロをかじっていた南が隣に腰掛けてくる。
南は僕が涼くんと呼んでいるのを少し不思議そうにしていた。
「え、えっと、夢川さんってよそよそしいから名前でいいよって言ったら代わりに名前で呼べって…」
「ふ〜ん…二人仲良いよね…」
「えっ!?」
「なんか水野くんの楓を見る目もなんかこうね…楓も楓で水野くんのこと呼ぶ時他の人と違うような気がするんだよね…昼まで普通だったのにさてはさっき二人で泳いでた時何かあったでしょ!」
「そ、そう? とくに何も無かったと思うよ?」
泣いてきました…とは言えないもんね…。
それにしても涼くんを呼ぶ時だけ違う…そうかな…でも呼ぶとちょっとドキドキしちゃうかも…。
「え〜? 何も無いことはないと思うんだけどな〜。呼び方変わるくらいだし…でもこれ以上は聞かないし言わない!」
「う、うん…?」
どういうことだろう…?
「じゃあ〜、はいこれ!」
「マシュマロ…?」
「うん、楓の分焼いてきたの! 食べて食べて!」
「いただきます…はむ」
南が焼いてくれたマシュマロにかじりつくとこちらも程よく解けたマシュマロがじわっと口の中に拡がってとっても美味しい。
あれ、混んでるから後で焼こうと思ったら僕の焼く番来ないのかな…?
「美味しい! ありがと南!」
「そっかそっか〜、良かった〜…」
「南…?」
「ううん、なんでもないの、じゃ私向こう行くから!」
「え、うん…」
最後お礼を言った時に南の表情がすごく暗くなってた…僕何かまずいこと言っちゃったかな…。
後でちゃんと謝らないと…。
ーーーーーーーー
楓にマシュマロを焼いたら思った以上に喜んでくれたようでよかった。
喜ぶ楓の顔を見れて次のを焼こうと火に戻ってくる。
あれ、なんで俺は楓に喜んで欲しかったんだろう…。
「涼…ちょっと…いい?」
「小雪? いいよ」
小雪に呼ばれて少し離れた椅子の方へ移動する。
並んで腰掛けたところで小雪が口を開いた。
「涼は…楓のこと…どう思ってるの…?」
「えっ? どうって…友達…?」
「嘘…正直に…なった方がいいよ…」
「正直って…?」
「取られても…知らないから…」
「取られるって…」
それだけ言うと小雪は火の方に戻っていった。
俺が楓をどう思っているか?
ちょっと今まで出会ってきた女の子とは違う感覚を覚えるくらい。
元々男の子だって言ってるけど本当なのかはわからない。
友達以外ある訳……。
ーーーーーーーー
そして夏休みの残りもあっという間に過ぎ去り…。
「学校…うぅ…緊張する…」
「いい加減心決めろって…」
「私たちは味方だから頑張ろ…ね?」
「うん…」
長いようで短い夏休みはあっという間に過ぎ去って、いよいよ今日から二学期が始まる。
恋ってきっと何回会ったら好きになっていいとかないと思う。
お互い運命を感じて最初から不思議な感じがする、2度目には気になって仕方がない、3度目からは何となく自覚し始める。
キューピットがいれば尚更二人は自覚してくはず。
書きたいこと多すぎてまとまらなかった2章最終話です!
途中の展開速すぎて自分でも納得いかない部分ではありますがいつか調整するかもです!
本当は明日投稿するはずの話だったんですが我慢できなくなりました笑
予定より楓と涼の会う回数が減ってるので違和感を覚えてます...これからもっと絡み増やします...。
最初の頃すぐ泣いてたのに最近泣かないな〜と思ってた方!
実は無意識に堪えて強くなって見えただけでした...。
というわけで次回からは新学期が始まりクラスのみんなは受け入れてくれるのか!という感じで予告とします!
というわけで今回も最後まで読んでくれてありがとうございました!!
ブクマ登録、高評価、コメントお待ちしてます!!
次は3章でお会いしましょう!