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21/58

いざ真夏のプールへ!

遅くなりました!

なかなか進まずこんな時間になってしまいました...“〇| ̄|_


 

 お姉ちゃんが泊まりに来てから2日、いよいよ楽しみにしていた海に行く日がやって来た。


 元々は家からもそう遠くない江ノ島海岸に行こうと思っていたがお姉ちゃんと話して、江ノ島海岸は人が多くて危ないということで場所を変更することになった。


 せっかくならプールも行きたいという僕の希望に沿ってくれて、辻堂海浜公園から辻堂海水浴場に行くことになった。


 矢崎さんにも声をかけたところお昼くらいなら行けるということで海浜公園内でお昼を摂るときに合流しようという話になった。


「3人で出かけるの久しぶりだよね〜」


「確かにそうだな、楓が女の子になったって言うから慌てて会った時を除けばイベントの時かな?」


 いつも通り藤沢駅で待ち合わせた僕達は早速電車に乗り込んで辻堂へ向かっていた。


 辻堂まではものの数分なのだがこの3人で乗る電車はすごく久しぶりに感じて結構楽しい。


 あれからVtuberデビューすることになったり女の子になったりと色々あってほんとに短いようで長い日々だったなぁ…。


「絢斗とはほんとに久しぶりになっちゃうよね…」


「ほんとだよ〜、お前女の子になってから俺と遊んでくれないんだよなあ。南と空さんは誘うくせにな〜」


 そう言って口を尖らせる絢斗。


「うっ…だってショッピングとか誘いにくくて…」


「そうだよ絢斗〜? 女の子には女の子と買い物に行きたい日だってあるんだからね?」


「ちぇっ、楓ってばすっかり女の子だよな〜」


「もう受け入れてるからね…」


 そう言えば絢斗は楓はすごいな〜なんて呟いて窓の外を見ていた。


 絢斗とはPINEでやり取りはしていたものの、ほとんど会えてなかったので僕の変化に戸惑うのも仕方ないかもしれない。


「今日の楓もすっごい可愛いもんね〜。化粧も前より上手になってる!」


「ほんとっ!? えへへ〜、練習頑張ったもん」


「ほんとに女の子だよなぁ…」


「ワンピースも違和感なく着るようになっちゃったもんね!」


「ほんとほんと」


 今日の僕の服は海に行くということであまりにも無難な気がするけど白のワンピースに麦わら帽子を被っている。


 足は膝下までスカートが伸びていて見えにくいが、真っ白で細い腕は肩口から大きく露出している。


 自分でもすっかり女の子になっちゃったと思う。


「でもさ楓、学校はどうするの?」


「学校…? あっ…」


「楓学校のこと忘れてたでしょ…」


 学校には女の子に変わってしまってすぐに親が説明してくれた。


 学校の意向としては僕の意思に任せるというものだった。


 僕が男の子であることを望めば、今まで通り極力男の子として生活できるようにサポートしてくれる。


 女の子になることを望むなら今までとの違いに慣れるまで、場合によっては付きっきりでサポートしてくれるそうだ。


 ギリギリまで悩むだろうと少し小さくなった体に合わせた制服は男女両方が既に用意されて家に届いている。


 あとは僕の意思次第とは言われたけど…。


「学校始まるまで一週間切ってるんだしそろそろ決めないとじゃない?」


「そうなんだけど…僕はもう女の子として生きていくって決めてるんだけど…学校の皆の事考えると少し怖いというか…」


「大丈夫だよ楓、みんながどんな反応したって俺らは絶対楓の味方だからさ、この先の楓の人生は好きなように決めたらどうだ?」


「そうだよね…」


 多分南と絢斗にも迷惑をかける問題だと思う。


 親からは今の学校にいずらいなら転校するのも考えると言われてはいるけど…出来ればこの場所を離れたくない。


「ま、まだ数日あるんだし悩むだけ悩めばいいさ」


「そうだね、女の子として生きていくって思っても難しい部分って出てくると思うし」


「うん、ありがと二人とも…」


「おう(うん)」


 絢斗も南も優しいなぁ…。


 僕はもう女の子の自分を受け入れてるし前を向いていきたい。


 …女の子としてかわいくなりたい…。




 ーーーーーーーー




「おぉ、江ノ島らへんより人少ないなぁ〜」


 海に直通しているエリアに行ってみて人が少ないことに少し安心した。


 これで多かったら落ち着いて遊べないと落ち込むところだった…。


「これなら気兼ねなく遊べそうだね〜。あ、空ねえももうすぐ着くって」


「だったらみんなで迎えに行こうよ!」


 そう言って3人揃って入口の方へ戻ってみればちょうど海浜公園に入ってくるお姉ちゃんの姿が目に映る。


「あ、みんな〜!」


 お姉ちゃんも気がついたようで手を振りながらこちらに走ってくる。


 ちなみに今日のお姉ちゃんは白のシャツにデニムショートパンツ、その上に着ているレースガウンがひらひらと舞っている。


 お、大きい胸も揺れてる…。


「空ねえ! 来てくれてありがとぉ〜!」


「うんうん、楓に言わなかったんだって?」


「えっ、え〜と〜」


「み〜な〜み〜?」


「ごめんなさいっ!!!」


 あ、また頭グリグリされてる…うぅ、痛そう…。


「絢斗も久しぶり〜。いつぶりになるのかな」


「久しぶりです空さん、俺が小学生の時ですかね」


 絢斗がお姉ちゃんと最後に会ったのってそんなに前になるんだ…僕は最近しょっちゅう出かけてた気がする…僕だけお姉ちゃん独占しちゃってよかったのかな…?


「楓は一昨日会ったもんね〜、楓の抱き心地は幸せだったな〜」


「お、お姉ちゃん! それは…」


「「お姉ちゃん!?」」


「ふぇっ!?」


 絢斗と南が同時に声を上げるもんだからびっくりしちゃったよ…。


「ねえ楓、空ねえをお姉ちゃんって呼んでるの?」


「おい楓、抱き心地ってどういうことだおい」


「えっと…」


「こ〜ら、二人とも楓をいじめないの。私が楓にお姉ちゃんって呼べって言ったの」


 詰め寄られる僕に助け舟を出してくれるお姉ちゃんに感謝。


 でもお姉ちゃんは南の従姉妹でお姉ちゃんなわけで…僕が呼んでいいのかな…。


 南はそうなのねうんうんと納得した様子で頷いている。


 その反面絢斗は未だに聞きたいことはあると言った表情で…。


「それで楓、抱き心地ってどういうことだ。まさか空さんとお泊まりでもしてたんじゃないだろうな…?」


「えっと…うちに泊まったかな…?」


「楓の朝ごはん美味しかったよ〜」


「…うっ…くそっ…」


 急に後ろを向いてうずくまっちゃったけど…絢斗はどうしたんだろう…。


「…? そんなことよりプールの方は人多そうだけどここにしてよかったね!」


「うん! お姉ちゃんに言われてなかったら江ノ島に行くところだった…」


「だね〜、江ノ島の方はほんとに人も多いし空ねえの言う通り怖い…」


「…だなー…」


 絢斗は本当にどうしたのかな…。


 お姉ちゃんと合流した僕達は予定通りプールに向かうことになった。


 ここのプールはウォータースライダーがあるから後で滑りたいな…!


 プールセンターの入口をくぐると右に女子ロッカー室、左に男子ロッカー室がある。


 今までなら絢斗と一緒に左に入ってたはずなのに…今の僕がそんなことをしたら軽く騒ぎになってしまう。


 はしゃぐお姉ちゃんと南に早く早くと引っ張られて右のロッカールームへ…一ヶ月ほど前まで男の子として生きてきた僕にとっては非常に目のやりどころに困る光景だけど…ここで逃げる訳にも行かないので意を決して二人に続いた。


 ロッカー室では既に何人か着替えている女性や子どもの姿が見えている。


 ちょうど三つ並んで空いているロッカーの前に立って持ってきたバッグの中から水着やタオルなどを取り出す。


「あれ、楓そっちの水着にしたの? 私てっきりもうひとつのフリフリのやつにするかと思ってたのに…」


「うん…ちょっと挑戦だけどお姉ちゃんと対みたいで揃えたかったから…」


「楓…もうダメ楓可愛い、私とおそろいにしたくてわざわざこっち持ってきてくれたの? お姉ちゃんキュンキュンしちゃう!」


 そう…僕はお姉ちゃんと似たデザインの色違いを持ってきた…正確に言うと胸元にリボンに結んだ紐が特徴のパレオ付きビキニ。


 お姉ちゃんのは膝下まで伸びる長いもので僕のは膝上の短いパレオ、お姉ちゃんみたいに大人っぽくない僕には長いのは似合わないと思うけど短いなら…!


 ちょっとどころじゃなく大挑戦だしものすごく恥ずかしいけど…おそろい…したいじゃん?


「楓も空ねえもずるい…私に内緒でおそろいなんて…」


「だって私が選んだんだし〜…」


「お姉ちゃんのも僕が選んだから…」


「うぅぅぅぅぅ、無理してでも行くんだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」


 南の水着はオフショルダーのフリル付きの白いトップス、水色の下はハイウエストでサイドが大きく開いて編まれている。


「南のもすっごい可愛いよ…?」


「ありがとぉ楓…でもその優しさが辛い…」


「もぉ、二人とも早く着替えないと絢斗くん待ってるんじゃないの?」


「そうだね…楓も早く着替えよ!」


「うん!」


 僕はまず下だけ脱いで着替えて、終わったら上を脱いで着替えるつもりで…ってワンピースで来ちゃったぁぁぁ…やっちゃった…全部脱がないと着替えられない…。


 固まってる僕をよそにどんどん着替えていく南とお姉ちゃん…二人とも上下別れてる服だったからもちろん別々で着替えてる…。


「楓? 着替えないの?」


「そうだよ楓〜、早く着替えないと置いてっちゃうよ?」


「うん…ワンピースだから全部脱がないといけなくて少し恥ずかしくて…」


「なんだそういうこと?」


「じゃあ手伝っちゃう?」


 そう言ったお姉ちゃんと南は両サイドから僕を捕まえる。


「えっ?」


「南、楓脱がせちゃおっか」


「うん、空ねえそっち離さないでよ?」


 えっ、待って…。


 そんな僕の心の叫びは口から出ることなく…当然ながらあっという間にワンピースを脱がされてキャミソールも剥がれれば下着姿の僕の完成。


「楓やっぱり可愛い…一緒にお風呂はいった時に裸は見ちゃってるけど下着姿はなんか…良さがあるよねぇ」


「え、待って、お風呂はいったってどういうこと!? でもわかる…すっごく可愛い…」


「あの…見つめられるの恥ずかしいんだけど…?」


「「早く着替えなかった楓が悪い!」」


 そう口を揃えて言われれば僕も再び硬直するしかなくなって頭の先からつま先の先までじろじろと見つめられてどんどん恥ずかしくなってくる。


 ベンチにペタンと座り込んで無意識に足をすり合わせる頃には南がIvirtualのカメラを起動していたので我に返ったけど…。


 その後は二人に見られながら着替えてなんとも恥ずかしい思いをした…早く着替えればよかった…。




 ーーーーーーーー




 楓は向こうで大丈夫だろうか。


 女の子として生きていくって覚悟を決めていたみたいだけどそれとこれとは別なわけだしもしかしたら辛い思いをしてるかもしれない。


(でも俺に出来ることもないんだよなぁ…)


 そんなことを考えながら本当なら楓とふたりで着替えているはずの男子ロッカー室で一人寂しく着替えていた。


 そうして楓たちのことを考えていたら誰かとぶつかった。…


「あっ、すみません」


「あ、こちらこそ。気をつけてな…大丈夫か? すごい思い詰めた顔してるぞ?」


「はい、すみません。大丈夫です」


「そっか無理すんなよ〜」


 ダメだな俺…楓は前を向くって決めたのに俺が心配して人に迷惑かけるなんて…しっかりしろ。


「ん? 涼大丈夫かー? ぶつかってたみたいだけど」


「あぁ、平気平気。それより大樹も急がねぇと、早く行かないとあいつら待ってるかもしれない」


「女の子の着替えは時間がかかるもんだよー、俺たちの方がきっと先に行くってー」


 さっきのぶつかった人と友達らしき人の会話を聞きながら俺は急いで着替えるのだった。




書ける日と書けない日の差ってものすごくて今日は書きたいことはあるのになかなか書き進まない珍しいパターンでした。

さていよいよプールにやって来ました!

海回海回と言い続けていたのにプール?と思った方もいらっしゃると思います。

実はTwitterにさりげなく投稿したんですが、あまおとも最初の江ノ島行くんでいいかな〜と思っていました。

でも改めて考えたらあそこは人も多いしなかなかおちついて遊べないなというのと、まあ最後の方に出てきた人達を登場させるのも海だと難しいと判断してプール&海と両方行く豪華盛りになりました!


文面だけですけど楓の水着、南の水着、空の水着、皆さんは誰がいいですか??


もうすぐ日付超えてしまいそうなので今日はこの辺にしておきますっ!


今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!!

ブクマ登録、高評価、コメントしてくれると楓の水着の紐が少しずつ緩んでいきます!(いきません!)

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白く一気に読んでしまいました これからも更新頑張ってください 応援しています
[一言] これは涼くんと偶然合流してそのまま一緒に遊ぶフラグですね。わかるとも!
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