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収益化と楓クッキング

 


(楓…収益化できるんだけどしないの?)


(その声…かえでだ! なんか久しぶりだね)


(うん…だって楓忙しそうだったからあんまり現れない方がいいかなって)


(そっか…ありがと)


(今日はすごく落ち着いてたみたいだからお邪魔しちゃった)


(あ、お姉ちゃんに甘えたからかな…)


(ゆっくり眠るのはいいこと…)


(それでさっき収益化って言ってたけど)


(うん…収益化の条件はだいぶ前にクリアしてる…伝えるの遅くなっちゃってごめんね…)


(ううん! 教えてくれてありがと! 起きたら見てみるね!)


(うん…じゃあそろそろ朝だから起きないとだよ楓…またね…)


(うん、またねかえで!)




 ーーーーーーーー




「あ、ほんとだ…収益化の条件とっくにできてる…」


 お姉ちゃんがうちに泊まって一晩中抱きしめてもらった僕は、今までにないくらいスッキリとしていた。


 カーテンの隙間から覗く照りつけるような夏の太陽に目を細めながら、さっそくかえでに言われた通りVtubeのチャンネル画面を確認して呟いた。


 この様子だともう随分と前に達成していたようだが全く気づかなかった。


「かえ…でぇ…すぴー…」


 お姉ちゃんはまだ寝ているのだが…寝相が悪いのか程よく脱いでしまうくせでもあるのか、以前矢崎さんのところで電話をかけた時と同じように胸元を大きくはだけさせ、下はいつの間にか消えていた。


 下着は残ってるからいいもののやはり目のやり場に困る…。


 でもそろそろ9時を回る時間だしいい加減起きた方がいいと思うんだよね…。


「お姉ちゃ〜ん…起きて〜」


「…んん…」


 うーん…起きる気配がないなぁ…。


 朝ごはん作ってたら匂いにつられて起きてきたりするかな…。


 そう思った僕はさっそく朝ごはんを作りにキッチンに向かった。


 いつもなら目玉焼きにパンとヨーグルトって感じにシンプルで簡単なものになっちゃうけど今日はお姉ちゃんもいるしちょっと気合い入れちゃおうかな!


 料理は昔からお母さんを見てきたし、たまに手伝うついでに習っていたから同年代の男子よりはできる自信がある…今は女の子だから同年代の女の子と比べると…ちょっと自信ないかも…。


 朝から作れる卵料理…前に料理勝負のアニメで作ってたのとか作れるかな…スペイン風オムレツなら作ったことあるからそれにしてみようかな…!


 でもその前に一緒に食べれるスープとか用意しないと…。


(あ、朝ごはん作る動画とか投稿したらみんな見てくれるかな…)


 思い立ったら吉日、という訳でさっそく撮影できるビデオカメラとスタンドを手にキッチンに向かう。


 ここかなこっちかなと試行錯誤してちょうどいい場所にセット出来たらさっそく料理に取り掛かっていく。


 声は後で入れればいいから今はとにかく朝ごはん作っちゃお!


 スープなんだけど朝から食べるならあんまり重くないのがいいから野菜多めのミネストローネとかにしてみようかな。


(お姉ちゃん野菜嫌いとか言わないよね…?)


 まずはベーコン、玉ねぎ、にんじん、ズッキーニ、セロリ、プチトマトを用意してそれぞれを適したサイズに切っていくよ!


 具材が用意できたら鍋にニンニクとオリーブ油を入れて、ニンニクに色がつくまで軽く炒めていくよ!


 ニンニクにが綺麗なきつね色になったらベーコン、玉ねぎを入れて火を通し、他の野菜も入れて軽く火を通して行くの!


 次に水とトマト缶、コンソメスープを入れて中火で煮込む…あくが出てくるからちゃんとすくって取ってね!


 30分くらい火を通して野菜が柔らかくなったら塩胡椒で味付けして完成!


 今は待ってる間に他のメニューも用意しなきゃだから次の料理に行くよ!


 次はスペイン風オムレツを作るから、まずはボールに卵を入れて少し牛乳を入れて混ぜるよ!


 そしたらキャベツとソーセージ…あ、オクラがあるからこれも入れちゃおう!


 野菜とソーセージを食べやすい大きさに切ったら卵のボールに入れて軽く混ぜてなじませる!


 混ぜたら充分に温めたフライパンに流し込んで焼いていくよ…この時は火加減を上手くやらないと焦げちゃうからちゃんと弱火にしてっと…。


 フライパンに入れたら軽く形を整えて蓋をする、焼くのにちょっと時間がかかっちゃうからオムレツと一緒に和えるサラダも用意してみようかな!


(なんか野菜ばっかりになってる気がする…まあいいよね! 健康的…だと思うし!)


 ベビーリーフとサニーレタスを食べやすくちぎってミニトマトを切って載せたらシーザードレッシングとチーズを振り掛けるよ!


 焼きあがったまん丸のオムレツを四等分に切ったら2切れずつサラダと一緒に盛り付けて完成!


 ミネストローネもそろそろいい感じになってきたから塩胡椒で味付けして完成!


 トースターに食パンをセットして、テーブルクロスを引いたらお箸とスプーン、フォークも出して並べる!


 お姉ちゃんはコーヒー飲むと思うからコーヒーメーカーにセットしてあとは自分の牛乳…。


 テーブルに向かい合わせに全部並べたらちょっと頑張っちゃった朝ごはんの完成!


(お姉ちゃんは…あれ、ソファでこっち見てる…)


「…って! 起きてるなら教えてよ!!」


「え〜、だっていい匂いすると思ったら楓がテキパキ動いてるからちょっと見てようかな〜って思って〜」


「も〜、手伝ってくれたら良かったのに〜。とにかくご飯できたから食べるよ!」


「はぁい。わぁ〜、なんかすっごい豪華な朝ごはんだね?」


 ソファの背からキッチンの方に顔を出していたお姉ちゃんははぁいと声を上げてテーブルに歩いてきた。


 はだけていた服装はきちんと部屋着に着替えられている、と言っても夏らしく布面積の狭い服なので胸元には谷間が覗いてるし、足はショートパンツスタイルなので綺麗なおみ足が覗いている。


「だってお姉ちゃんも一緒だからちょっと頑張ろうと思って…もしかして野菜苦手とかある…?」


「ううん、野菜は大好きだよ。ありがと楓、すっごい嬉しい! もうほんとに私の妹になって欲しいくらい!」


「良かった〜、お姉ちゃんの妹になれたら毎朝大変そう…」


「う…否定は出来ないかな…」


 お姉ちゃんが座ったタイミングでコーヒーが出来たようでカップに入れてお姉ちゃんに出したら揃って手を合わせる。


「「いただきます!」」


 すぐにトーストも焼きあがってバターを伸ばせばこんがりと美味しそうな朝の匂いが漂ってきた。


 ミネストローネはあっさり食べやすくて朝から喉を通りやすく作れた、オムレツも前に作った時より上手く焼けてサラダとの相性もバッチリでとっても美味しくできたと思う。


 料理って作るのは時間かかるし大変だけど食べるのってあっという間なんだよね…料理作ってくれる人には感謝しないとね!!


「美味しかったぁ…さっき撮った写真ぱいなったーに上げてもいい?」


「え? 朝ごはんの写真? 僕は全然平気だけどそんな写真どうするの?」


「甘夢かえでが朝ごはん作ってくれた〜って自慢するの」


「べ、別に構わないけど僕の朝ごはんなんて自慢にならないよ…?」


「そんなことないよ〜?」


 そう言ってしばらく目の前を操作すれば僕にも見えるようにIvirtualの画面を飛ばしてきた。


 ーーーーーーーー


 星空 月夜 @hoshizora_moonnight


 かえでちゃんに朝ごはんご馳走になっちゃった!

 美味しかった〜(≧∇≦)


【朝ごはんの写真】


(リプ)29(RT)509(♡)926


 ーーーーーーーー


「えっ、今上げたんだよね?」


「そうだよ〜?」


「反応すっごい早いね…さすがお姉ちゃん…」


 投稿して一分も経ってないと思うのだがあっという間にRTもいいねも伸びてリプも沢山届き始める。


[は!?星空先生羨ますぎるんだが!!!]

[かえでちゃんの朝ごはんとか最高すぎだろ]

[わぁ…写真見るだけでヨダレ出てきそう…]

[かえでちゃんめっちゃ料理上手じゃね?朝ごはんから凄すぎ]

[いいなぁ]

[かえでちゃん今度僕にも作ってください!]


 それ以外にもたくさん…。


「すごいね…?」


「ね? かえでの朝ごはんはみんな食べたいんだから盛り上がっちゃうよ〜」


「今日の朝ごはん動画にしようと思ってるからみんなも食べれるよきっと…!」


「楓の手作りがいいんだけどね…私は幸せものだぞ〜!」


 そう言うとお姉ちゃんは僕をぎゅーと抱きしめて頭をなでなでしてくれる。


 僕としてはこうしてもらえるのは嬉しいんだけど今に限ってはお姉ちゃんの胸に顔を突っ込む形になっていて息苦しいのと心がバクバクしてくる…。


 うぅ…柔らかい…。


「お、お姉ちゃん…息苦しい…」


「え、あっ、ごめんごめん。これなら平気かな」


 僕が少し顔を横に向けて何とか息ができるようになると頭を撫でてくれるのもあって心地よくなってきて、次第に意識が遠のいていった。


 結局朝ごはんの片付けも忘れて目を覚ましたのはソファで一時間ほどたった頃だった。


 今はお姉ちゃんに膝枕してもらっているらしくお姉ちゃんの柔らかくひんやりした太ももを感じている。


 細くて余計な肉の付いてない綺麗な足だけど女性らしい柔らかさがあってなんとも心地よい…。


「って片付けしてない! 食器洗わないと!」


「あ、それなら楓が寝てる間に私がやっといたよ〜。ご飯作ってもらっちゃったからそれくらいはね!」


 テーブルを見ると並んでいたお皿はもちろんテーブルクロスも綺麗に畳まれて片付けられていた。


 キッチンの方も掃除までしてくれたらしくいつもより綺麗になっている。


「あ、ありがとう…でも起こしても良かったんだよ〜!」


「それなら楓だってご飯作る時起こしてくれても良かったんだからね??」


「起こした…」


「えっ…ごめんね?」


 てへっと頭に手を回したお姉ちゃんにも〜と言って忘れそうになっていた収益化の作業を思い出す。


 お姉ちゃんはIvirtualでなにか作業をしてるみたいだったので僕も自分のやることやっちゃおう!


(収益化の条件、登録者、再生数とかは全部クリアできてるからあとは申請するだけだと思うんだけど…)


 一応やり方を調べて間違わないように収益化申請を送って…。


(これでいいのかな…)


 さくっと作業を終わらせてパソコンの電源を落として今に戻ったら今度はお姉ちゃんがソファでうたた寝していた。


 無防備に手足をだらーんとさせて背もたれに寄りかかっているお姉ちゃんは改めて見ても本当に美人ですごく綺麗…。


(よーし、さっきは僕が膝枕してもらったからお返しに…)


 そっと起きないようにお姉ちゃんの横に座って身体をこちらに引き寄せれば、コテンと落ちるように身体が倒れてきて、手で支えながら頭を膝に乗せる。


 亜麻色でふんわりカールのかかった髪にゆっくり手を通すとサラサラと指を通っていくので、少し楽しくなってしまう。


 お姉ちゃんの表情も少し笑った気がして気持ちいいのかなともっとと指を通せばむぅとお姉ちゃんの口から声が漏れてくる。


 しばらく撫でていると僕まで眠くなってきて、結局そう時間もかからず意識を手放すことになるのだった。




 ーーーーーーーー




 562:名前:名無しのご主人様

 さっき上がった料理動画見たか


 563:名前:名無しのお嬢様

 >>562

 星空先生がぱいなったーに投稿してた朝ごはんよね、美味しそうだったわ


 564:名前:名無しのご主人様

 なにより腕が綺麗で可愛かった


 565:名前:名無しのご主人様

 >>564

 それな!


 566:名前:名無しのご主人様

 >>563

 星空先生が羨ましいわ...


 567:名前:名無しのお嬢様

 私もかえでちゃんの朝ごはん食べたい...


 568:名前:名無しのご主人様

 さらにかえでちゃんが起こしてくれるんだろ?

 最高じゃねえか


 569:名前:名無しのお嬢様

 >>568

 わざと起きなくて膨れるかえでちゃんとか想像しちゃった...


 570:名前:名無しのご主人様

 >>569

 なんだそれは...天使か!?


 571:名前:名無しのご主人様

 ともあれ諸君、我々もいつかかえでちゃんの朝ごはんを食べられるように精進しようではないか


 572:名前:名無しのご主人様

 >>571

 頑張ろうぜ!


 573:名前:名無しのお嬢様

 動画みたらお腹空いてきちゃったわ...


 574:名前:名無しのご主人様

 >>573

 俺もお腹減った...


 楓が微妙な時間帯にアップしたせいで飯テロ動画化した朝ごはん動画はあっという間に再生されていくと共に掲示板の民に空腹と夜食を振りまいたのだった。

かえでの3分クッキング〜絶対見ます。

実際は3分じゃなくてもう少し長い動画だとは思いますけどなんか想像したらお腹減ってきました...ぐー...。

楓が投稿した動画は作っている時の心の声をそのまま録音した感じの動画です!


私がこの話を書くにあたって影響を受けた先生とTwitterでお話出来て凄く嬉しいあまおとです!


さて、今回は忘れていた収益化を楓にも思い出してもらって申請しました。

申請とか実際にはわからないのでちょっとカットでやっちゃいました...。

それから楓の朝ごはん美味しそうでした...(*´﹃`*)


それでは今回も最後まで読んでくれてありがとうございました!

ブクマ登録、高評価、コメント頂けたら楓がご飯作ってくれますよ!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 楓ちゃんの朝ごはん…なにそれご褒美ですか!? いやそれよりも起こしてもらえる方がむしろ最高なんですが?しかもこれ結婚したら毎日続くんですよね…?楓ちゃん+結婚=幸福な日々……ママ…。 ( ゜…
[一言] かえでちゃんの朝ごはんはどこに行ったら食べれますか?
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