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何度死んでも諦めない一寸法師

作者: しいたけ

 昔々、あるところに、一寸法師と言う名のとても小さな若者がおりました。



 ──プチッ


「あら? 何か踏んだかしら……?」


 残念! 一寸法師の冒険はココで終わってしまった!!



「おお! 一寸法師よ! 死んでしまうとは何事だ! そなたが次のレベルになるには、24の経験値が必要だ! ココでセーブするか?」


「だが断る」



 昔々、あるところに、一寸法師と言う名のとても小さな若者がおりました。

 若者はお爺さんとお婆さんに大切に育──プチッ


「おろ? 何か踏んだかのぅ……?」

「お爺さんや! 一寸を踏んでますよ!!」


 残念! 一寸法師の冒険はココで終わってしまった!!



「おお! 一寸法師よ! 死んでしまうとは何事だ! そなたが次のレベルになるには、7の経験値が必要だ! ココでセーブするか?」


「だが断る」



 昔々、あるところに、一寸法師と言う名のとても小さな若者がおりました。

 若者はお爺さんとお婆さんに大切に育てられ、とても元気に育ちました。

 ある日のこと、一寸法師はお爺さんとお婆さんに言いました。

「都に行って武士になりたいので、お椀と針と漕ぐ物を下さい」

「おお、直ぐに準備するぞい」

 お爺さんとお婆さんは、一寸法師にお椀と針とアイスのへら(パナッ〇とか食べる時の長いやつ)を渡しました。

「それでは、都に行って武士になってまいります!」

 一寸法師はお椀を引きずり出掛けました。


 一寸法師が川へ辿り着くと、お椀に乗り、川を下り始めました。

「フレッシュミート!」

 キャッチアンドリリースで繁殖しまくったブラックバスが一寸法師を狙いました。

「やらせない!」

 一寸法師が針を突き立て応戦します。


 ──パクッ


「うまし!」


 残念! 一寸法師の冒険はココで終わってしまった!!



「おお! 一寸法師よ! 死んでしまうとは何事だ! そなたが次のレベルになるには、128の経験値が必要だ! ココでセーブするか?」


「だが断る」



 昔々、あるところに、一寸法師と言う名のとても小さな若者がおりました。

 若者はお爺さんとお婆さんに大切に育てられ、とても元気に育ちました。

 ある日のこと、一寸法師はお爺さんとお婆さんに言いました。

「やりたいことあるから色々くれ」

「おk」

 お爺さんとお婆さんは、一寸法師にお椀と針とガリ〇リ君の棒(外れ)を渡しました。

「それでは、都に行って偉そうな武士になってまいります!」

 一寸法師はお椀を引きずり出掛けました。


 一寸法師が川へ辿り着くと、お椀に乗り、川を下り始めました。

「フレッシュミート アゲイン!」

 キャッチアンドリリースで繁殖しまくったブラックバスが一寸法師を狙いました。

「見える……!!」

 一寸法師がするりと躱し、針を突き立て応戦しました。

 そして、無事に都へ辿り着くと、大きな屋敷へ出向きました。

「たのもー!」

「? 誰も居らぬではないか」

 門番が辺りを見渡しますが声の主は見付かりません。

「下に居るぞ!」

「おお! なんと小さな奴! 一体何用だ!?」

「求人を見て応募しました」

 一寸法師はその屋敷の家来として働き始めました。


 その屋敷には美しい姫がおり、姫は一寸法師を可愛がり、一寸法師も姫が好きでした。

 ある日、姫と一寸法師が寺参りをした時の事、なんと寺に大きな鬼がおりました!

「ぐへへ! 姫をよこせ!」

「姫に近寄る奴は許さん!」

 鬼が一寸法師に向かって襲ってきました。

「あ、多分ココで一回は死ぬからセーブ! セーブさせて!!」


  ──ピロン!


 一寸法師はセーブ3に上書きしました。


「金棒を喰らえ!!」

 鬼が金棒をブンブン振り回します。


 ──プチッ


「弱し!」


 残念! 一寸法師の冒険はココで終わってしまった!!



「おお! 一寸法師よ! 死んでしまうとは何事だ! そなたが次のレベルになるには、2417の経験値が必要だ! ココでセーブするか?」


「だが断る」


 一寸法師はリセットして鬼戦からやり直しました。



 Now Loading…………



「金棒を喰らえ!!」

 鬼が金棒をブンブン振り回します。


 ──プチッ


 「弱し!」


 残念! 一寸法師の冒険はココで終わってしまった!!



「おお! 一寸法師よ! 死んでしまうとは何事だ! そなたが次のレベルになるには、2417の経験値が必要だ! ココでセーブするか?」


「だが断る」


 一寸法師はまたリセットして鬼戦からやり直しました。



 Now Loading…………



「金棒を喰らえ!!」

 鬼が金棒をブンブン振り回します。


 ──プチッ


「弱し!」


 残念! 一寸法師の冒険はココで終わってしまった!!



「おお! 一寸法師よ! 死んでしまうとは何事だ! そなたが次のレベルになるには、2417の経験値が必要だ! ココでセーブするか?」


「だが断る」


 一寸法師はリセットして鬼戦からやり直しました。



 Now Loading…………


「ロードが長い!!」


 一寸法師はキレました。


「金棒を喰らえ!!」

 鬼が金棒をブンブン振り回します。


「見える……!!」

 一寸法師はギリギリで金棒を躱しました。

「小癪な! ならば食べてやる!!」

 一寸法師は軽々と捕まれ、口の中へと押し込まれてしまいました。

「いて! いてててて!!」

 すると一寸法師は鬼の腹の中で針を突き立て、鬼はその傷みに耐えかね一寸法師を吐き出して逃げてしまいました。

「ふん! 参ったか!!」

 一寸法師は鬼を倒して姫と無事に帰りましたとさ──


 おしまい。





























「……あれ? 打ち出の小槌は?」


 一寸法師が攻略サイトを調べます。



【打ち出の小槌:鬼が1/12580の確率でドロップ】



「……(´・ω・`)」



 ──ピッ


 Now Loading…………


 一寸法師と物欲センサーとの勝負が始まりました。

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― 新着の感想 ―
[一言]  こんな時こそ、神に頼んでチー〇コードをぶち込みましょ……。  ドロップ率上げなきゃ、一生出ないパターンですよ(汗
[気になる点] 小槌のドロップ率ェ……。 果たして鬼を『逃げさせず』に『倒す』ことは出来るのか⎯⎯
[一言] 折角鬼から取ったのに他の敵からだと割と高確率で落ちたりしそう。(昔の攻略本ってネタバレ防止で情報が制限されてたなぁ)
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