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青い星にて戦士は往く  作者: Agaric
第0章
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第0話

 宇宙の外側。

 数多の宇宙が揺蕩う、無とも有ともいえぬ場所。

 そこでは、数多の宇宙が常に生まれ、また、消えていく。

 星々を内包し、生命を得るほど安定した宇宙は、そもそも時間の概念が宇宙外の場所にあるかは置いておくとして、悠久ともいえる時間存在し続ける。

 安定しきれなかった宇宙や小さすぎた宇宙は、星を一つも持つこともなく、生命を内包することもなく、潰れ、霧散し、消えてゆく。


 その場所に、新たな宇宙が生まれた。

 小さな、小さな、赤い宇宙だ。 


 もしこの場に観測者がいれば、見逃していただろう程、特徴のない宇宙であった。

 あまりにも普遍的なもの。色も、大きさも、形も、何も変なものは無い。

 赤い宇宙も、青い宇宙も、巨大な宇宙も、微小な宇宙も、平坦な宇宙も、多次元な宇宙も、無限にも等しい数、あるのだ。

 だが、その宇宙は、決してよくあるものではなかった。

 それは、このままだと己が消えると、理解していた。

 そして、意思か本能か、それは、己を永らえさせる手段も、知っていた。


 故に、喰らったのだ。


 いや、喰らうという表現は正しくないかもしれない。

 それは、厳密な意味で食べたとは言えないだろう。

 だが、自らを肥大させ、崩壊を防ぐという点では、ヒトの食事と何ら大差はなかった。

 

 たとえその食べたものが、ほかの小さな宇宙だったとしても。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最高に面白かったです! [一言] これからも追ってまいりますので、執筆頑張って下さい!!!
2023/07/09 15:47 退会済み
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