第六章,そよかぜ
一瞬意味がよくわかrなかった。なんでだ?なんでだ?なにかあったのか?
急いで小雪ちゃんのケータイにかけてみた。五回目のコールでやっとつながった。
「小雪ちゃん大丈夫か何かあったん?」
「はーーーーあ、はーーーーあ、うっつ・・・うっつ・・」
電話口で呼吸が明らかにおかしい音が聞こえて、苦しそうにないているようだ。
途中で電話は途切れてしまい、あせった俺は、無我夢中で小雪ちゃんが働いていると聞いていた喫茶店へ車を飛ばした。
道路の信号機なんてなければいいのに・・・はやく、はやく、彼女の元へいきたい。あせってばかりだった。
車で行けばそんなには遠くはない距離だが、なぜだか焦っているせいか、遠くかんじていた。
頭から車を駐車場につっこんで、急いで小雪ちゃんが働いている喫茶店に入った。
「いらっしゃいませー。」
お店の定員さんが声をかけてくれた。
「小雪ちゃんの知り合いのものですが、何かありませんでしたか?」
そういうと、困ったかを押して
「そうなんです。急に様子がおかしくなって・・・。どうぞ奥へ・・・」
そういうと店の奥へ案内された。
奥のソファーには喫茶店の制服姿でケータイをにぎりしめたまま横たわっていた。
「小雪ちゃん、大丈夫?」
そっと肩をゆすってみた。
「う・・・んん・・・・?」
するとそっと小雪ちゃんの目が開いた。
「こうちゃん・・・。」
少し安心したような表情だったうに見えた。同じように俺も安心した。
「一体どないしたん?具合悪かったんえ?」
手で家をお覆いながら、
「ちょっと・・・。たまにあるんよ。急に呼吸が苦しくなるみたいで・・・。過呼吸になってしまうんよね。そのときはどうしようもなく不安になってしまうん。」
「今日はもう上がってもいいわよ。」
お店のスタッフが声をかけてくれた。
「ほんとうにすいません・・・。」
そっと小雪ちゃんはおきあがった。俺は小雪ちゃんの背中を支えながら、二人で店を後にした。
「車で送っていくよ。」
「もう大丈夫。わざわざありがとう。驚かしてごめん・・・。呼吸が安定したらもう大丈夫なの。病院がすぐそそこなん。ちょっとよってからかえるね。」
そういうと彼女は北のほうへ歩いていってしまった。
俺は両国のほうへ向かった。桜の木下のベンチに腰掛けていた。
彼女にとって俺は何ができるのか・・・。彼女のために何かしたい。やっぱり好きなんだと確信してしまった。
俺は携帯を広げてメールを打った。
「小雪ちゃんに話があるんだ。体調がよければでいいけん、明日夜の9時に両国橋
の桜の木下のベンチでまっとるけん。」
まだまだ外は冷たい風が吹いていて耳がじんじんしていた。