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『interlude 2』

“メリエの悲劇”が起きる、ほんの少し前の話。


ここ、メリエにあるギルドで、今日も一日元気に元気に働いている、ある一人の受付嬢が居た!


「はぁ、、、なんっっで私には誰からも声がかからないの、、」

隣の受付嬢(自分よりも若い)に愚痴っているこの受付嬢(そろそろ○○歳)こそが、ネリネ・ノルフェシアその人である。


― どうせみんな私を置いて結婚してしまうんだわ、、はぁ、、

表面上はなんとか平静を保ちつつも、彼女の内面はこのようなダークサイドに陥っていた。


―このままだといずれこの内面が外にあふれ出して、私もあのコバヤシとかいう冒険者のように恐ろしい目つきになってしまうに違いないわ、、


「はぁ、、」

ネリネはなんとも勝手で失礼なことを半ば本気で考え始めていた。


― そういえばあの人たちは今頃王都に行ってるんだっけ、、


「良いなぁ、王都、、」

彼女は、ずいぶん昔に行ったことのある、あの非常に都会的な街並みを思い返していた。


― ちょっと休みを取って今度私も行ってみようかしら、、独りで、、ふふふうふふ


がちゃり


そんなことを考えていると、ギルドの扉が開き、新しい人間が入ってくる。


ネリネは初め、コバヤシがもう帰ってきたのかと一瞬錯覚した。なぜなら新しく入ってきたその“男”の着ていた服が、コバヤシの着ていた服と少し似ていたからだ。


― 珍しい服装だわ、、

ネリネは彼を見てそう思う。

黒い上着の下に白いシャツ(これがコバヤシの着ていたものと非常によく似ていた)、そして下に穿いているものも、ずいぶんと不思議な形で、ネリネは見たことの無いようなものであった。


()はギルド内に入ってくると、ぐるりと辺りを見回し、そして大きな声でこのように言った。


「へぇ~、ここが“ギルド”ねえ、、」


()を公式に確認したのは、これが最初であったと記録されている。

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