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【浜辺から】1-5


ざざぁー・・・


ようやくあたりの景色が再び見える程度の明るさに戻り、浜辺に打ち寄せる波の音も復活したみたいだ。

変わったのはさっきまで目の前に立っていたあの奇術師男の姿が消えたくらいか。

コバヤシは再び辺りを見渡し、とりあえず情報を整理することにする。


①実はやっぱりこれがいつか目覚める夢のケース

②なにやら不思議なことが起きてはいるがここが地球であることには変わりないケース。この場合、現在地は地球のどこかしら

③あの奇術師男の言っていたことが全て本当だったケース


そして最後に、

④現実の自分の頭がおかしくなってしまっているケース


最後のだけはやめて欲しいが、、


どちらのケースにしろ、いまの自分が所持している情報だけでは判断できないことだけは分かっている。


もう少し情報を集めてみないとか、、


まずは、いまだ視界にずっと映っているこの“メニュー”について調べてみることにする。


Off、On、、、


やはり先ほどと同じように、考えただけで表示のOn/Offを切り替えることが出来る。

コバヤシはARにあまり慣れ親しんだことが無かったのでこれは新鮮な経験だった。

もっとも、なぜこうなるのかなどはあまりにもファンタジー理論なのだろうが、、


次に、メニューに表示されているそれぞれの項目をチェックしようとする。

しかしここで、遠くから狼のような鳴き声が聞こえてきた。


そういえば魔物?とやらが居る世界とかって言っていたっけか、、

ここは安全なのだろうか、、


他にも何か聞こえないか見えないかと、目と耳をよく澄ませてみる。


そこでskillの表示が点滅しだしたことに気づく。


なんだろうこれはと意識をそれに向けてみると、今度は【skill一覧】という画面表示が目の前に広がった。

そこには一つだけ《索敵》という表示と、よく見ると上部には『SP 0』とも表示されている。

さらにもう少しそこへと意識を向けると、


『《索敵》skill Lv 1/10』と表示される。


これはこのスキルレベルとやらを上げると身に付けられるということなのだろうか、、

一体どうしたらそれが出来るのかと思っていると、目の前に


<SPが足りません> と表示が出る。


どうやらこのSP?というのが必要らしい。

試しにこの《索敵》のスキルレベルを0へと逆に下げることは出来るのか試してみる。

するとそのとおりになるが、SP残量は特に変化しなかった。試しにもう一度レベル1に戻してみてもやはりSPの増減は確認できない。どうやらスキルレベルの0から1に上げるにはSPを必要としないということなのだろうか、まだなんともいえないが、、


それにしてもこの索敵スキルを1から0に変えたところで、体感としては特に何の変化も感じない、、

そもそもこれをたとえレベル10のMAXにしてみたところで何がどう変わるのだろうか。

いずれにしてもこのSPとやらが増えないことにはその検証もしようがないか、、

他の表示も見てみるか


とりあえずコバヤシは、視界の左上に表示されているメニューから順に調べていくことにする。


“status”

心の中でそうつぶやくと、目の前にいくつかの情報が表示される。


・アキラ コバヤシ

・『   』

・Lv1 ・HP100 ・MP0 ・STR10 ・VIT10 ・DEX10 ・INT10 ・AGI10 ・LUC10


ふむ、、

ここ数年はゲームに費やす時間がまるで無かったコバヤシでも、これらの表示のいくつかには見覚えがありまた、馴染み深いものもあった。


あの奇術師男の言ったように、本当にまるでゲームのようだ、、

これが自身のステータスを示しているのだとしたら、この数値が高ければ高いほど強くなるとでもいうのだろうか。いくつかの表示がなにを示しているかは分からないが、、


検証は後でするとして、この二つ目の表示欄にある『 』の空欄は何なのだろうか。

そう不思議に思うやいなや今度は目の前にまた違う画面が表示される。


『称号一覧』


なんだこれは、、称号?

更にその下には二つほどの単語が表示されている。


・異世界転生者 ・非魔力人


これは、、もしかするとこの空欄に付けられるようなものなのだろうか、、(必要性は全くわからないが)


しかし異世界転生者とやらはまあ、まだ分からなくもないがこの非魔力人というのはなんなのだろうか。

魔力、、statusのMP0が関係しているのだろうか、、


あまりにも分からないことだらけだな、、そういえば、あの奇術師男が説明していたcall機能でも使ってみるか。


“call”


てれてってってってって♪てれてってってってって♪


急にどこかで聞いたことがあるような音楽が流れてくる。なんだこれは、、


いや、自分には確かに聞こえているが、これは不思議なことにどうやら自分の頭の中に直接この音楽が流れているみたいな感覚だ。まあすでに十分ファンタジーだからもうなんでもありなのだろう。。人間は慣れる生き物である。


ガチャ


『はい、こちら異世界サポートです。』


女性の声? てっきりさっきの奇術師男に繋がるのかと思ったが、、


『コバヤシ様の考える奇術師男というのはわたくしのことでお間違いないかと』


? というよりまたしても考えていることがそのまま伝わるのか、、

相手の声?も自分の頭の中に直接響いている感覚だ。先ほどの音楽の時と同じか、、


『このシステムですと、顧客のご要望をより汲み取りやすいものでして』


そうですか。それよりあなたの声が明らかにさっきと違うというか、なんなら性別も変わっているような気がするんですがね、


『私達はいくつもの個体が活動を行っておりますが、そのどれもが私達自身であり、個でありまた全でもあります』


なにか、どこか理解しがたい話が始まってしまった。


『ゆえにコバヤシ様が先ほどおっしゃっていた奇術師男なる個体も、いまここでこのように会話を行っている個体も同様なのでございます』


・・・。


わかりました。

わからないですがわかりました。それで、いくつか聞きたいことがるんですが、、


『私どもの応えられる範囲であれば』


どれから聞くか、


「まずは、この称号?というものの意味とかってあるんですか?」

今度は言葉に出してたずねてみる。


『称号は、それぞれがそれぞれ独自の効果を有しており、自身に付けることによってそれらの効力を得ることが出来ます。それぞれの効果は各称号欄に説明がございます』


ふむ、、なるほど、、後で確認してみよう。

次にコバヤシは自身のステータスについていくつか聞くことにする。


「この、レベルというものはどうすれば上がるのですか?」

『主としては魔物や人と戦うことによって上がっていきます。他にも知識を得ることによって上がることもございます。あとどれぐらいでレベルが上がるかどうかは、自分のレベルに意識を向けてみれば自身の経験値を確認することが出来ますので』

「経験値」


ほんとにゲームみたいなんだな、、


『コバヤシ様の元居た世界ではとても人気であった仕様だそうですが』

いったいどういう人たちに人気なのだろうか、、


「あの、このレベルってやつが上がれば自身が強くなっていくという認識で間違いないですか?」

『そのとおりでございます。レベルが上がれば自身のステータスも上がり、コバヤシ様にとってはその世界での生活がより楽になっていくでしょう。』

『またステータスはSPを使って上げることも可能です。』


“えすぴー”か、、


『コバヤシ様はまだSPを取得していないかと思われます。商店を通してこれは購入が可能となっておりますのでどうぞ後でご覧にでもなってください』


「このSPというのはスキルに使うことも可能なんですよね?」

『はい、そのとおりでございます。』


「スキルというのはいくつもの種類があるんですか?」

『スキルの数は各世界によって種類・数は異なりますが、最低でも1万種類以上はございます。』

『スキルはそれぞれの習得条件を満たせば自身のスキルメニューに表示されます。』


一万て、、なるほど、、とりあえずいくつかの疑問が解決してはきたが、、


次に何を聞くべきだろうかと考えていると、


『あ、申し訳ございません。そろそろ本日の営業時間が終了となりますのでこれで失礼いたします』


え、


『またのご利用お待ちしております』


ガチャ


・・・営業時間。

まあそういう仕様なのであれば仕方ない。気分を切り替えコバヤシは仕入れた情報の整理を行いながら検証を開始する。

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