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【深部へ】1-29

ここならある程度の敵もちょうどよく居るし、人目に付くことも無いだろう。


コバヤシは、ドラコの戦闘能力をきちんと知っておくためにも、敵を見つけたら自由にしていいとあらかじめ伝えておくことにする。


「ドラコ、がんばる」


さて、こっちはこっちでこれを試さなくてはだった、、

コバヤシはぶら下げていた鞘から短剣を取り出す。


果たしてこれは斬れるのだろうか、、

コバヤシは試しに軽く振ってみる。


短剣?を何かに向かって振るなどという動作は、現代日本人にはあまりなじみが無いものといえる。あるとしたら達人か狂人である。

コバヤシは何度か振ってみたあとで、スキルに《短剣》というのが表示されたのでこのレベルを上げておくことにする。


そのとき、ふしゅるるるという、蛇の鳴き声のようなものがドラコの方から聞こえてくる。


・マーダースネーク

・Lv6

・脅威度 弱


そこに居たのは、コバヤシがこれまで見たことのないような大きさのどすぐろい大蛇であった。

「ドラコ!」

大蛇は完全にドラコをターゲットにしていた。

しまった、、スキルの確認で索敵を少し怠ったか、、ッ


「だいじょうぶ」


しかしドラコはそれだけ言うと、大きく息を一瞬で吸い込む。


周りのものが吸い込まれるかのような勢いであった。しかし次の瞬間、

ドラコは大蛇に向かって大きく息を吹きかけた、かと思うと、とてつもない勢いでオレンジ色の炎がドラコの口からあふれ出し、瞬く間に大蛇とその周辺を覆ってしまった。


・・・すごすぎる、、


これはステータスの援護なんて要らなかったんじゃとか、というか火吹けるのかとかどんな仕組みだとか、いろいろ思いはしたが、ドラコがこちらを向きにっこりと笑うので、コバヤシはただ一言

「…すごいな、おまえ」

と言って頭を撫でるのだった。


それからも迷宮内ではいくつもの魔物に遭遇するが、全て『脅威度 弱』または『脅威度 無し』であり、コバヤシとドラコが苦戦するような生物には出会わなかった。


そうこうしているうちに下の階層へと行ける階段のようなものを見つける(もっとも最初からマップで場所は分かっていたが)。


さっそく下に行ってみるかと、階段へ進もうとする。しかしそこでドラコが

「コバヤシ、そこ、罠」

と言って階段の真ん中付近を指差す。


そうか、、そういえばダンジョン迷宮には罠もあるとギルドの受付嬢も言っていたな、、


「ドラコ、どんな罠だかわかるかい?」

コバヤシはドラコに尋ねてみる。

「ん。落ちる」

ドラコはコバヤシの目を見ながらそれだけ言う。


落ちる、、落とし穴か、、?


コバヤシは試しに落ちていた小石を階段へ向けて転がしてみる。


かこんっかこんっかこんっ・・・


小石はそのまま階段の下へと何事も無く落ちていった。


重さが無いと反応しないものだろうか、、


「ドラコ、この階段を飛び越えちゃえば大丈夫かな?」

「ん。大丈夫」

そういうことならと、コバヤシはドラコを抱え、一足飛びで階段の下までジャンプする。


「痛くなかったかい」

着地してからドラコをおろすと、コバヤシは念のため尋ねる。

「痛くなかった、今の好き」

そう言ってドラコはにっこりとコバヤシに笑いかける。


どうやらドラコは罠を感知できるみたいなので、自分がそういったスキルを獲得するまではドラコ頼りで行こうと決める。


階層を降りても魔物の数や種類はそんなに変わることはなかった。

後でギルドに報告しなければならなかったので、コバヤシは鑑定で得ていく知識を忘れないようにするのが精一杯だった。


メモ帳とペンのようなものが欲しい、、


何体かの魔物をコバヤシとドラコが倒していくうちに、お互いレベルがいくつか上がっていた。


ドラコのスキル?に関してもだんだんと理解出来てきた。


まず、最初に見せた龍炎(コバヤシ命名)と、手と足を龍のように変形させる龍モード(コバヤシ命名)は、どちらもMPを消費しているらしく、龍炎の方が龍モードよりもMP消費は激しいみたいであった。


MPを使用するということは魔法の一種なのだろうか、、?


自分は自分で、短剣スキルを上げてからは武器の使い方自体には困らなくなったものの、この短剣の切れ味が恐ろしいほど無かったために、突くか潰すかの使い方に途中から変更した。


特に苦戦するということも、残念ながらお宝を見つけるということも無く、二人は最深部へと繋がっている階段の前へとたどり着いた。


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