【ユウキ・イチノセ Ⅱ】3-2
様々な説明を一通り述べた後に、ピエロ男は「バチン」という音と共に消えてしまった。
すごい、、すごいぞ、、本当に異世界に転生したんだ俺は、、
「くくく、ふふはは、、」
イチノセはこの状況に嬉しさのあまり笑みを漏らす。
“status”
これが、、俺のステータスか、、
目の前に広がるその表示を見て、彼の笑顔はよりいっそう広がる。
本当にゲームみたいだ、、
彼は、これまでに読み、そしてけなし、そして自分だったらばと何度も夢想しては読み捨てていった多くの小説を思い返す。
本当に、、“異世界転生”はあったんだ、、!
よし、“異世界転生モノ”でやりたかったことを全部やろうと、彼はこれまでにずっと「自分だったらば」と考えていたことを頭の中でピックアップしていく。
“market”
それからイチノセは“ナーロゥ商店”なるメニューを開く。
確かTPでここにある商品を購入するんだったな、、
そこに並んでいる(書かれている)商品のどれもが、イチノセにとってはまるで宝のようにその目に映る。
すげえ、、すげえすげえすげえすげえ、、!!
気づいた時には、目に付いて気になったものを片っ端から購入していく彼であった。
チートだ、、これで俺もチートだ、、!
「くくくく、ふくくははははは!!」
すると、
『所持TPが足りません』
そこで彼は、ようやく自身が所持していた“TP”を全て使い切っていたことに気づく。目の前にそのような表示が出現する。
あ、、?
「んだよ、、もう無くなったのか、、」
イチノセは、とりあえず“market”で購入した様々なものをチェックしてみる。SPもずいぶんと購入していた。
…すげえ、、ほんとにすげえぞこれは、、!
自分のステータスやスキルを事細かにチェックする。ステータスやスキルの調整は頭で考えるだけで“操作”することが出来た。数多ある小説と同じだな、、
やっぱこうじゃなくっちゃなと、彼はその結果に満足しながら考える。
しかし、、
“ナーロゥ商店”には、まだまだイチノセが購入したい商品で溢れていた。自身のステータスも、全ての項目がカンストするというようなレベルにはまだ程遠く、彼が想像していたような“チート”にはまだまだ達していないと思えてならない。
どうせ“レベル”を上げたらステも上がるんだろうが、、
“call”
イチノセはこの“機能”をついでに試してみることにする。
とぅるるるるるる、とぅるるるる…
頭の中にコール音が響く。
がちゃ
『はい、こちら異世界サポートでございます』
…“異世界サポート”ねぇ、、
「おい」
イチノセは自分が聞きたかったことを尋ねる。
『…なんでしょうか』
「このTPってやつは今から増やす方法はねえのか?」
『…ございません』
そちらは転生者がこちらへと転生される前に決まっているものでございますので、、
「ちっ、使えねえな、」
分かってはいたことだったが、彼はそうして悪態をつかずにはいられなかった。
「んじゃまた何か聞きたいことあったら聞くわ」
『…またのご利用をお待ちしています』
がちゃ
まあステータスはレベルをこれから上げてけばいい。どうせこれでも十分に最強なんだろうけどな、、
彼は自身のステータスとスキルを眺めて再びにやける。
そこには、レベル1とは思えないほどの高ステータスと、数え切れないほどの種類のスキル、そして“アイテムボックス”の中には、神話に登場するような名前の武器がいくつか入っていた。
“box”
なるほど、、これがアイテムボックスか、、
イチノセは、目の前に広がる(浮かぶ)不思議な“黒い布”のようなものを見て考える。
そして彼は、まるで最初からその使い方を理解していたかのように、そこから一つの“剣”を取り出す。
《鑑定》
『聖剣トルキス』
目の前のその剣の横には、そのような表示がポップアップする。
彼はその剣をしばらくの間見つめる。
その剣は、いわゆる両刃の剣であり、大剣というほどの大きさではないにしても、常人が片手で持つのはかなり難しいだろうと思われるようなサイズであった。
その刀身には不思議な模様が描かれており、なぜかその剣はぼんやりと全体的に薄く光り輝いている。
イチノセはその剣を軽々と片手で持ち上げながら、近くの木へと向かって歩いていく。
「ひゅん」という風きり音とともに、その木が縦に真っ二つされる。彼はそこまで力を入れていないかのようであった。
これが、、俺の聖剣やステータスの力、、
この世界に来てから何度目になるだろうか。彼は再び高笑いをあげる。
なんて、、なんて楽しいんだ、、!
彼はその“全能感”に包まれながらもそれを大いに楽しむ。
この世界でなら俺は、、
そう、あっちの世界は“間違い”だったんだと今では思える。
こっちの俺が、こっからの俺こそが、本当の俺なんだ、、
年齢も若返っている。これもよくある“異世界もの”の通りだった。
あれだけその種の小説を読んで、前世では引きこもりがちだった俺も、ついに転生することが出来た、、
やったんだ、、
「俺は、選ばれたんだ」
どうやら転生者は自分以外にもあと三人はかつて居たらしいが、そんなのはどうだっていい、、
もし邪魔するようであれば容赦はしないということをイチノセは心に決める。
どうせ俺が一番最強に決まってる、、
彼は、自分が転生者として選ばれるよう、これまでに重ねたいくつもの“努力”を振り返る。
あの変なサイトとソシャゲにありったけ、親の年金も貯金も注ぎ込んでたからな、、
ゲームの内容自体はクソだったが、今となってはそんなことどうだって良い…
まああれで転生できなかったらどうせ死ぬつもりだったしな。
だが、
“努力”が報われたんだ。俺は、選ばれたんだ、、、あははははははは!!
こんなことを理解できなかったあのクソ野郎共は、俺に毎日毎日小言を言ってきやがって、、
たぶん俺を殺したのはあのクソ親父だろう、、
彼にはなんとなくその記憶があった。
うっかりババアの方は殺しちまったが、、まあそれも今となってはどうでもいい。
俺はもう、これまでの俺じゃないんだ、、
俺が、、、俺がっ!
俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が
俺tueeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!




