表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

107/198

【ユウキ・イチノセ Ⅰ】3-1

男は、ゆっくりとその目を開く。


辺りには少し強いくらいの磯の匂いが漂い、波の音がどこか規則的にそのリズムを刻んでいる。


ここは一体、、

男は先ほどまで自分が居たはずの自室を思い出しながらも、自身の頭の後ろをさする。


…何も怪我していない、、

ふとそこで、自分の両手に先ほどまで()()()()()付いていた血が、綺麗さっぱりなくなっていることに気が付く。


確か、、さっきまであの“クソババア”を殴り殺したところで、後ろから誰かに後頭部を殴られたと思ったんだが、、

あれは夢だったのだろうかと、男はもう一度自分の後頭部をさする。


「おめでとうございますイチノセ様」


するとそこに、奇妙に甲高い男の声が後ろから響く。

声のした方をすぐさま振り返ると、そこには異様に足が長い“ピエロ男”が立っていた。

かなりの高身長であるその男?は、タキシードにシルクハット、メイク等は特にしていないみたいだったが、その端正な顔の鼻だけが赤いボールのようなものとなっていた。


なんだ、、こいつは、、


「混乱されるのも無理はありません」

目の前の男はどこか朗らかな口調で続ける。


「イチノセ様」

あなた様は、この世界に“転生”されました。


…てん、せい、、?


「その通りでございます」

ピエロ男はにっこりと微笑んでいる。


…そうか、、

「俺は、転生したのか、、」


いや、


「…やっと、、やっと転生できたって訳だ」

イチノセは、そのあふれ出る笑いを抑えることができなくなる。


「あははははははは!! やった!やったぞ!!」


本当に出来たんだ!


「…これはこれは、どうやら話が早くて助かります」

目の前のピエロ男は、変わらぬ不気味な笑顔でそう言う。


「てことは、お前は神かなんかって訳か?」

イチノセもその男に向かって笑みを返しながらもそのように尋ねる。

「“チート”にしてくれんだろ? それとも、もう()()()()()()か?」

これまでに読んできた膨大な“異世界もの”を思い出しながらイチノセは、その目の前のピエロに尋ねる。


「…私からあなた様にお渡ししたものは、()()()()()()()()()イチノセ様が獲得された分の“転生ポイント”のみとなっております」


…そう、そうだ、、

イチノセは“前世”の頃の記憶を思い出す。

「確か、“異世界転生ポイント”とか言ったな、、?」


その通りでございますと、目の前の足長ピエロは告げる。


「それでは、時間があまりありませんので説明の方を進めさせていただきます」

まず、、、


その説明は、かつてここと全く同じ場所で、あのコバヤシ・アキラが受けたものと、何一つ変わらないものであったことを、彼は知る由もなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ