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真実 その一

この話は、小分けにしますね。

 ルナが俺の推理の的中を告げる。


 レイスは目を見開き、俺はただ口元に手を当てて思考した。


 予想が当たっていた。としたら、誰がしたのか。どうしてこんな事をしたのか。


「なあ、ルナ。随分と時間がかかっていたようだが、そんなに時間がかかるものなのか?」


「いえ、単純な洗脳であれば催眠状態のように状態異常として見えるんです。ですが、それが無かった。では他におかしな事はないかと全体を見たときに、精神状態に多大なる影響が与えられている点がありました」


「精神状態? ってことは精神操作とかのイメージか?」


「うーん、どう言ったらいいのでしょうか。想いを増幅させてると言えばいいですかね? レイスさんの恋の気持ちがありますよね。それが、極端に高くなってるんです。まるで、好きだと思い込まされてるかのように」


「それは催眠とは違うのか?」


「はい。催眠はこうしろ。ああしろ。という術者の命令です。その為、状態異常を回復する薬などがあれば効果がなくなります。しかし、今回のケースではレイスさん自身の想いを増幅してるんです。その為、状態異常として見てるとわからないんです。これは盲点でした」


 ルナの説明を聞いて、レイスの状態は理解できた。


 やはり何者かの手による介入があったようだ。


「じゃあ、レイスはなにを増幅されてるんだ?」


「はい。増幅させられてるのはソアレさんへの恋の感情。ソアレさんを自身の伴侶と出来るなら人を傷つけても構わないという思い。そして、これがわからないのですが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のです」


「レイアの姉ちゃんを?」


 どういう事だ? レイスがレイカ様を死んだと思い込まされてる?


 思い込まされてるってどういう事だよ。


「なあ、レイス……レイス?」


 とりあえず、話を整理するために、当事者であるレイスに声をかけると、レイスは青ざめた顔をして頬に両手を当てていた。


「……想いの増幅。感情コントローラー。お姉様の力ですわ」


 小さく震える声で呟くレイス。


 その声は戸惑いや恐怖が入り混じっていて、信じられないと叫んでいるようだ。


 それにしても、気になる事を呟いたな。


 感情コントローラーに、お姉様の力?


 って事はもう答えが出たようなもんじゃないか。


 血管がぶわっと沸いていく。


 真相が見つかった。


 今回の真の黒幕は、レイカだ。


次回投稿は3/16の予定です。

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