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絵は既に在ります航宙駆逐艦ありあけ等の発進シーンとしての、助走シーンでする。
観測班班長が駆け付けたばかりの俺に会釈しつつ、暗いモニターを指差す。
「先程、陰にある居住区域で点滅信号を観測しました!」
「生存者がいるのか!」
「判りません…。短文を繰り返すのみですので、中の情況は判断しかねます。」
うむ…。あわよくば、生存の確認を期待していたのもあって、胸に不安の雲がかかりつつモニターの信号を読み取る。
通信が途絶した為、予想通りに外部アンテナ類の破損を眼に入れ、居住区域には大きな破壊を見つけずに済んだ事から淡い希望に何とかすがりながら眼を凝らす…。
閉鎖区域となる元坑道積み出しベンチに何やら異物が覗いている。
旧小惑星鉱山に、何が?
「一度、波長域を替えた観測画像と重ねてくれ!」
「判りました…。何やら、熱源とそれを隠そうとする作用からか、曖昧なシルエットが在るようです…。」
今回の強行観測で、何とか情況を打開する手懸かりを拾う事は叶ったようで胸を撫で下ろす。
定期哨戒航路軌道から外す事なく画像の取得を目指していたものの、部署を越えて便乗した甲斐があった。
観測室を出て、低重力通路を通り艇長の元へ向かう。
「どうやら、なにかしら観測出来ましたか?」
「ありがとうございます。急な要請にも関わらず便乗させて下さったお蔭です。」
「フォボス公用観測所からですと、陰側でしたそうですし協力させていただくのは当然です。光学通信らしき点滅も在ったそうですね…。」
「はい、緊急避難を示すQRを観測しました。」
「ふむ…。それでは、本艇は空間基地に帰投いたしますので、観測データをお渡しします。」
「ありがとうございます。」
定期哨戒軌道を描きつつ火星の重力井戸の翔びつつある航宙哨戒艇で宛がわれた狭いカプセルの側で解析を進めるのだった…。
カプセル、カプセルホテル宇宙版~♪航宙駆逐艦フレッチャーにてデザインしています。
ハニカムブロックに、艦艇要員のベッド兼サバイバルカプセルとしての機能を纏め、ハニカムブロックそのものがバイオスフィアを簡易に構成する設計です。床下に水の再生ユニット、カプセル毎にも一定の航宙サバイバル機能を持たせており、気密を保つ構造に成っています。
ピクシブタグ、#ユニバースフリート にて是非♪
この後の結末はイメージしていますが、展開が解らない!