プロローグ
初めて書いてみました。
苦手、合わない、嫌いと思った方はすぐブラウザバックをお勧めします。
少しでも楽しんでもらえたら幸いです
「はぁ…」
黒のロングコートを着て、手袋をはめ、長いマフラーを首に巻きつけ防寒対策をしっかりとった男がビルから出てきた。
昨日の夜から降り続いていた雨がやみ、雲がはれ綺麗な月を見ながら、今日もまた何も起こる事なく一日の四分の三が終わった。
同僚から同情され後輩からは嘲笑を浴びる、そんな事を思い出した男は深い溜息と一緒にでた白い息とともに気持ちがまた沈んだ。
明日から連休だと気持ちを切り替えたいが、入社して仕事にも慣れ暫く経った後、偶然知った上司の不正を上層部に訴えたが会社ぐるみの隠蔽だと気づいた時にはすでに遅く、仕事も何もない部署に飛ばされ、そして会社では無の時間を過ごしていた。
辞めればいい、辞めて次の仕事を見つけよう
いつまでも変わらない考えのまま数年、男が三十路にさしかかる年齢になるまで無駄な年月を過ごしていた。
後はいつものように帰路に着くだけ、しかしその日だけはいつもと違う方向へと向かう。
男は家に着くはずのない電車に乗り、時間をかけ何度も乗り継ぎをし、電灯が心許ない薄暗い知りもしない駅で降りた。乗り継ぎ途中何かに急かされるように駅のコンビニで売れ残りの大量のおにぎりや弁当を買う。
そのまま駅前に停車していたたった一台のタクシーの運転手に山の方へと伝えた、なぜこんな事をしているのか不思議にも思わずラジオから流れてくる古い曲に耳を傾ける。
深夜と呼ばれる時間になった頃に、ここでいいです。と言った後、怪訝そうな顔をしている運転手に死ぬつもりはないと言わんばかりの笑顔と一緒にお金を支払う。
それでも疑いの目をやめない運転手に、大丈夫ですよ。ともう一度笑顔で別れた。
タクシーの光が消えて無くなる頃には男の姿は車道になかった。人よりも獣の気配が濃そうな、道なんてない山を使い慣れた傘をスティック代わりに使い力強い足取りで歩き続ける。革靴にもかかわらずなぜか疲れもしない、それは不自然だが些細な事であり一度も休む事なく何かに取り憑かれたかのように、山を上がっては下りを繰り返しそれを朝日が顔を出しさらに日が頂点に達するまで続いた。
タグはこれでいいのか不安で一杯
特にほのぼのとシリアスの部分
そうなってくれたらいいと期待を込めてのタグです。
日本語って難しいですね。