掌編 西の青の山脈のオーク・ライダー、アルカイの独白 on 魔狼の背中
掌編です。
仲間を皆殺しにされたものの、彼自身は『伝言役』としてたまたま鎌倉武士 矢三郎に助命されて生き延び、たまたまタイトルで名前が判明した若きオーク、『アルカイ』の独白エピソードであります。
たまたま生きのびた彼はこの後、鎌倉武士 矢三郎と彼が誕生させたゴブリンの魔王 アルファ、そして第三勢力が大変化をもたらす異世界でどのような役目を果たすのでしょうか。
ダァロチクショー!チックショー!
なんだあの野蛮人はよぉ!
なんで俺がこんな目に遭わなきゃなんねーんだ!? 仲間は皆殺しにされちまうし、生首の塊にされちまうし、トコトン良いことねぇ!
…いや、まあ、そりゃあよ、あのシライシヤサブローのバケモンが魔狼を 「お主の棟梁への使いにしてやる故、この鹿毛の大狼をくれてやる。白石が棟梁の下賜ぞ。今生の名目とせい。」
とかなんとか、俺の上司の魔狼なのに何でか自分からのプレゼント扱いでコイツを寄越してくれたお陰でくれたから 徒歩の若造の俺が騎乗サマになれたってんだから悪ィことだけじゃねぇかな?
…いやいや、でも、お頭へのメッセンジャーなんて、死なねぇほうが無理かもしれねぇな?
あの、デカくて強くて超悪いワイバーン殺しのゴブリン王の倅で、何より大の冒険者嫌いのお頭によ、
四十の手下と魔狼を冒険者に皆殺しにされて、そのうちの三十は訳わかんねー青い変な鎧の蛮人一人に首を切り飛ばされて死にました〜 …
な〜んて報告したら、前のお頭みてーにブチ切れた今のお頭に俺のお頭が握り潰されてぶっ殺されちまう。俺みてーなアホアホでもわかるぜ?
…ったく、どうなることやら俺の人生!