表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鎌倉武士は異世界へ 〜武士道とは鬼畜道と見つけたり〜  作者: くらんくしゃふと
序章 鎌倉時代における武士とありかたと日常生活
2/61

第一話 エンジョイ!もののふライフ!

序章では平均的な鎌倉武士の棟梁とその郎党たちの日常を描きます。

 

 ーーーーー 教訓その1


 家よく作りては、何かはせん。庭草引くな、俄事のあらん時、乗飼にせんずるぞ。馬庭の末に生首絶やすな、切り懸けよ。


(家を継いだからには心がけねばならない。戦時に馬の餌にするのだから庭草はボーボーにしとけ。調練場の端には生首を常に絶やすな、人殺しも忘れるな)


 教訓その2


 此の門外通らん乞食・修行者めらは、益ある者ぞ、蟇目鏑にて、駆り立て追物射とせよ。


(門前を横切ろうとする乞食・坊主の類はとても有益なものだ。逃げ足が早いから弓の的として活用すべし)



 教訓の総評…若者共、政澄、武勇の家に生まれたれば、其の道を嗜むべし。


(武士と生まれたからには上記の道を守って生きていくべし。)



 …鎌倉武士、それを端的に表す言葉、それは「蛮族」である。





 ーーーーー 鎌倉時代のいつか 日本列島の一応は幕府の支配の及んでいるどこか



 どかかっ、どかかっ、ざざざざざ



 馬の蹄の音と十数人の足音、彼ら全員の甲冑の鳴る音が細い道を通ってこちらに向かってくる。


 ざわざわと鳴り渡る風と共に姿を現した馬に跨った青い大鎧と鹿皮羽織の男は腰に佩いた太刀を抜き、



 ーーー 吼えた。



「行けぇえぇええぇ!!!!!突っ込めぇえええい!!!!!」



 ーーー 続いて地を走る郎党たちが吠える


「「「おおおおおおおおおおお」」」




 この物語の主人公、小さな小さな土地を治める地頭家である白石家の現当主、白石矢三郎(しらいしやさぶろう)経久(つねひさ)は今日はなんだかお隣の山下さん家がうるさいので郎党を引き連れて皆殺しに来ました。


 鎌倉時代における地頭じとう荘官しょうかん郡司ぐんじ郷司(ごうじ)保司ほじなどとは幕府に代行して守護の下で土地の開墾・管理などを行う武士の棟梁を指す名詞ですが、この時代ではその棟梁同士で勝手に殺し合い・抗争は茶飯事、彼らはホントに「今日は隣がうるさい」「なんかむしゃくしゃする」ぐらいの理由で抗争を始め、一族皆殺しにしたりします。幕府の支配は遠国には及ばず、上司の国司も上納金さえきっちり渡しておけば気にしません。



『何か問題が起こっても、相手の一族を皆殺しにしたあとなら問題にならない。だって告訴してくる相手が全員死んだ後だから』


 …こんなルールがまかり通っているのが鎌倉武士社会!



 鎌倉武士の平均より少し働く矢三郎の脳みそから考え出された行動はこれを機に山下さんの一族を皆殺しにして領地を頂くことでした。(うるさくて腹立ったのが大きなウェイトを占めているけど。)



 ーーー さあ、ここでもう一度。


『何か問題が起こっても、相手の一族を皆殺しにしたあとなら問題にならない。だって告訴してくる相手が全員死んだ後だから。』


 そんなルールを知った凶悪なる若き確信犯、白石家当主 矢三郎経久とその郎党は館の柵を破壊し、隣の地頭、山下六郎長治の屋形の中庭に突っ込んでいったのでした。


評価等頂ければ幸いです。


下のは矢三郎の風体を描いたイラストです。顔は各々好きな野蛮そうな顔を入れて脳内再生してみてください。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ