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26話 「登録完了」

カウンターへと向かう八木。

カウンターを見るその表情はあまり良くはない、先ほどの何とも言えない加賀の様子、それを見るにあまり良い対応はされなかったのであろうと予想がついたからだ。


(さてはて、どんな対応されるのやら…)


警戒しつつもカウンターへと近づく八木。

それに気が付いた職員が顔をあげ八木へと視線を向けた。





「…と言うわけでぇ、バーキンさんかマンフレードさんの所がおすすめですよぉ~」


「あ、はい」


受付嬢の八木への対応は常時笑顔で行われた。

八木からの質問に対しても嫌がるそぶりなど見せず、むしろ楽し気である。

今も特に聞いてもいないおすすめギルドのことを饒舌に語っている。


(なんか予想してたのと違う)


当初警戒していた八木であったが、こうにこやかに対応されると自然と硬い態度もほぐれてくる。

さらに先ほどからちらちらと視線を受付嬢の胸元に向けており、デレデレと鼻なの下を伸ばす様子を隠しきれていない。

当然、対面している受付嬢にはバレバレであったのか、口元に小さな弧を描きさらに体を前に傾ける。

胸元に注がれる視線はもはやチラ見というよりはガン見である。


(おぉぉ…っといかんいかん、あんま見すぎると気づかれる)


ちら見しているのを気づかれてはまずい。

そう思った八木は視線を上へと上げ、ふと受付嬢と目が合う。


(ん?)


感じたのは違和感。

元となるのは受付嬢の視線、口元に浮かぶ笑みに対しその視線は笑ってはいなかった。


(なんだろ?)


加賀に対してはあっさり終わったやりとり。

それに対しこの八木への対応、この違いは何だろうか。

少し考えた後、ある考えに至る。


(あー…そゆこと?)


何かに気が付いた様子の八木、連れを待たせてるからと断りをいれ席を立つ。

受付嬢が何やら引き留めようとしていたが、軽く手を振ると二人が待つテーブルへと向かった。




「…と、まあ受けるのは何でも良いし、まとめて受けても小分けにしても良い」


「なるほどー…小分けにすると月一ぐらいかぁ」


八木がテーブルに戻ると二人はだいぶ砕けた感じで雑談しているようだった。

バクスは腕を軽く組み椅子にもたれかかるように座り、加賀は相槌を打ちながら残り少なくなったコップを傾けちびちびと舐めるように飲んでいる。


「3か月に一度は受けないといけないけどな…む? 終わったか、八木」


「あー、お帰り~。結構時間かかったねぇ」


「お待たせしやした、無事カード貰えたぜえ」


軽く言葉を交わすと3人はギルドを後にする。


ギルドをでて少し歩いたあたりで八木が口を開いた。


「そうそう…あの受付嬢だけど、昼間しかいないらしいぞ」


「へー……」


「だから次いくなら早朝か夕方にすると良いんでない?」


「……うん、そうすることにするよ、ありがとね」


受付嬢と聞いて疲れた様子で立ち止まり、返事を返す加賀。


再び歩き出した加賀を後ろで見つつバクスが口をひらく。


「大丈夫か? あれ」


「自分だけあの塩対応だからなあ……まあ、理由はなんとなく分かったんで後で様子見つつ話しておきますよ」


「ふむ……」




商業ギルドを目指し歩くこと十分ほどたっただろうか、道が少し開けたあたりで先を行くバクスが二人へと振り返る。


「ついたぞ、あれが目的の建物だ」


「おぉ…かなり立派、統合ギルドと遜色ないんじゃね?」


「うん…うん…なんか不安になってきた」


バクスと八木はためらうことなく扉を潜っていく。

加賀はというとさきほどの件をまだ引きずっているのか扉をみるその表情は不安げである。

だが、自分だけ入らない分けにもいかない、意を決した加賀扉へと手をかけるのであった。




「すごいまともだった」


「あれが普通だからな?」


二人のギルド登録はバクスの紹介もありあっさりと終えることができた。

二人の手元には鈍く光る金属プレートが握られている。

八木が加入したのは建築ギルド、加賀が加入したのは宿屋ギルドだ。

見習いであれば登録後どの親方の元で従事するかなど決めて行くことになるが、八木は見習いでは無いので誰かに従事するのではなく、自ら作った設計図を基に仕事を委託するという形になりそうだ。

加賀についてはバクスの宿屋で働くつもりでいたので、バクスに従事することとなる。


「そんじゃ、登録も無事できたことだし戻るとするかね」


バクスの言葉に頷く二人。

ギルドの登録も無事終わり、行きよりも幾分軽くなった足取りで家へと向かうのであった。

ちょっと見直しとか出来ていません……

プロローグ~1話の手直し含めて、時間とって一気にやりたいと思います。

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