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戦国魔法記―藤堂高虎  作者: 可月フミヤ
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魔法の習得

 ねねの元へ行くとすでに全員いた。


ノブとユタもいるが、ここで一緒に魔法を学んでいる新しく知り合った3人の同世代の青年達がいる。


石田三成、加藤清正、福島正則だ。


この3人はいつも忙しそうに見える。


事あるごとに三成と正則が言い争いをし、その間にいつも清正が入り、2人の仲を仲裁する。

それを1日中繰り返しているのだ。


「お、全員揃ったね。じゃあ今日は実際に魔法を使ってみるけど、その前にこれをやってもらうよ。」


と言ってねねが取り出したのは透明な球体を取り出した。


「じゃあこの球体に1人ずつ触ってみて。」


とねねが言うと予想通りの事が起きた。


「では、俺から触らせてもらうとしよう。」


「なに言ってんだ三成、一番目は俺に決まってんだろ!」


正則が大声でそう言って、三成の胸ぐらを掴む、いつも止めている清正も、この子どものようなやり取りに呆れてその場に座ったままだ。


このまま時間が過ぎていくのが、時間の無駄だと思ったのだろう、ユタが立ち上がって触ろうとした時だった、三成との喧嘩で興奮している正則がユタに向かって襲いかかったのだ、これには清正が急いで正則の腕を掴み、


「正則、いい加減にしろ。ユタは女だぞ、殴ろうとするのは良くない。三成、お前は頭はいいが他人に対する態度が良くない、そろそろ直せ。」


二人とも普段あまり怒らない清正が怒ると、とても怖いのを知っているため2人は喧嘩を止める。


この後全員何事もなく球体を触ったが、一人一人球体の光る色が違った。


俺のは茶色に光った。


ねねの話が始まる。


「魔法には適性というのがあってね、強化魔法、召喚魔法、精神魔法、自然魔法、が魔法にはあるけど、自分の適性ではない魔法は基本的には使えないの。さっきの光った色が橙色だと強化魔法、銀色だと召喚魔法、水色だと精神魔法、それ以外の色は自然魔法が適性なの。自然魔法に色が幾つかあるのは操れる物質の色をしているからだよ。高虎は茶色だったから土を操れるってことだよ。」


なるほど、俺は茶色だったから自然魔法で、操れる物質は土なのか、魔法さえ使いこなせれば、俺は大名になれるだろう。


俺は魔法を使いまくって活躍して、大名になってやる。そう意気込んで練習をやった。


ところが魔法を使う授業になって1週間が経ったが俺にはとてもショックな出来事があった。


俺の魔力の量が他の5人と比べて圧倒的に少ないのだ。


魔法は魔法の名前を言い、その魔法に使用する魔力を放出するという単純な仕組みだったので、すぐに使えるようになったが、8回目の魔法を使おうとしたときだった、さっきまでは操れた土が操れなかった。


ねねに聞くと、


「魔力切れだね、普通の人ならそんぐらいだよ。」


と言っていた。


後で皆に何回使えたか聞くと、ノブ19回、ユタ23回、三成17回、正則17回、清正20回だった。


俺が魔法を使いまくって活躍し、大名になるという、頭の中で思い描いてた空想が、跡形もなく崩れた。








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