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戦国魔法記―藤堂高虎  作者: 可月フミヤ
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中国攻め4

 「恵瓊殿、織田家としては、高松城城主の清水宗治の切腹、また、毛利家の領国の内、備中、美作、伯耆の3ヶ国の割譲これを呑んで頂けないのであれば、和議は結べません。」


「官兵衛殿、備中、美作、伯耆の3ヶ国は織田家にお渡し致しますが、清水宗治の切腹だけは……」


「恵瓊殿、織田軍には後もう少しで10万の援軍が来ます、こちらには和議を結ぶ必要はないのです。」


「ぐ……一旦、毛利家の当主、重臣で話し合い、決めさせていただきます。」


「分かりました……では。」


この様に和議を結ぶ交渉でも官兵衛の策のおかげで有利な立場になっている。


このまま毛利が織田に降る形で戦は終るのだろう……



 安土


信長は岐阜から、近江の安土に本拠地を移していた。


南蛮寺など色々あり、とても賑やかな街だ。


「光秀、例の一件は順調か?」


「はっ、滞りなく進んでおります、ご安心下さい信長様。」


「そうか、家康は力をつけすぎた、魔法を使えるようになるとは……ここらで消えてもらおう。光秀、お主は下がれ。」


「はっ。」


私の主君の信長様は近くのうちに家康殿を殺すつもりだ、私はその計略の全てを託されている。


だが家康殿を殺した後、信長様はどうする?


きっと長宗我部を攻めるはずだ、長宗我部と私の一族には強い繋がりがある。


長宗我部は数少ない私の味方だ、私が死んだ後も幼い私の子を支え、守ってくれる存在だ、見殺しにしたくない、かといっても信長様に勝てる訳がない。


私が死んだ後、長宗我部がいなかったら明智一族はどうなる?


信長様はその人自身が役に立つか、立たないかで全てを決める人だ、幼い私の子は長宗我部との繋がりでしか当分役に立てないだろう……


だがそこに長宗我部すら無かったら、私の子は文字通りの役立たずだ、明智一族は滅亡するかもしれない……


私はどうすれば?


「大変お困りの様ですな、光秀殿。」


「道満殿ですか……」


「我には光秀殿が何に悩んでいるか分かります……一族の危機を救いたいのであればこの石を使い、信長を討ちなされ。」


「なっ……これは?」


「魔晶石です、光秀殿の魔法を強化してくれます。」


「信長様を倒せる程に?」


「光秀殿の魔法は、普通に使っても強力な魔法、そこに魔晶石が加われば間違いなく、信長を討ち取ることが出来ます。」


「少し考えさせて頂きます、では……」


この魔晶石があれば信長様を倒せるのだろう、道満殿が言うのだから間違いない。


だが私は信長様を裏切るのか?


だが裏切らなければ一族が……


ぐっ……信長様、お許し下さい、私は一族を守る為、あなたを殺す‼




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