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戦国魔法記―藤堂高虎  作者: 可月フミヤ
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官兵衛のもとで

 官兵衛の姿に俺達は驚いた。


足が悪いのか、手には杖を持っており、歩く時には足を引きずって歩いている。


(この人が、極大魔法を使えるのか?)


俺達は全員そう思ったが、官兵衛は話しかけてきた。


「この姿を見て驚いただろう。足が悪くてな、お前達のことはねね殿から聞いている。極大魔法を習いに来たのだろう、だが孫一に苦戦するようでは話にならん、帰れ。」


「しかし、高虎は孫一を打ち取りました。」


「お前は確かユタだったな、だが苦戦したのは同じではないか。」


これには誰も返す言葉が見つからない。


ねねから厳しい人だと聞いていたが、まさか門前払いをくらうとは思っていなかった。


暫く沈黙が続く…


おそらく他の5人も、俺と同じく不安な気持ちでいるだろう。


この沈黙を破ったのは、意外にも官兵衛だった。


「これは言いすぎたな…安心しろ、ねね殿からの紹介だ、無下にはできん、ついてこい…」


そう言うと官兵衛は森の中へ入っていく。


俺達も官兵衛についていく、暫く歩くと、1つの館が現れた。


官兵衛の館なのだろう、官兵衛は館に入っていく。


官兵衛が振り返った。


するとユタが突如気絶し、縄に縛られた。


「お前、ユタに何しやがる!!」


「黙れ正則!この娘は精神が不安定な状態だ、このままでは、極大魔法どころか、小魔法も使えん。何故こんな奴がいる。」


「ユタが小魔法を使えない!?そんなわけがないだろ!」


「知らなかったのか、まぁいい、この娘はお前達が極大魔法を使えるようになるまで、預からしてもらう。」


「極大魔法のやり方をこちらは知らないのだが…」


「そうだったな、まず、魔力を操れるようになれ。」


「魔力を操る⁉」


「そうだ、魔力は普段身体の全体にあるが、魔力を操れるようになると、一点に魔力を集めれるようになる。その一点に集めた魔力を爆発させると、一瞬だが魔力の量が増える。これができなければ話にならん。」


魔力を操る、想像したこともない話だったが、この方法で魔力を増やさなければ極大魔法を使えないのだろう。


それにこのままでは、捕らえられたユタを助ける事ができない。


ヒントとして官兵衛は、


「球体を体内で転がすような感じだ。」


と言っていた。


その通りにやったが、簡単にできるものではなかった。


俺と清正、正則が苦戦する中、2週間後に吉継と三成ができるようになった。


俺と清正も3日後にできるようになり、翌朝には正則もできた。


官兵衛に伝えると、


「1ヶ月はかかると思っていたが…まぁ悪くない。これ程の才能があれば、孫一など瞬殺だったろうに…」


「孫一がこれを使っていたためです。」


俺が魔晶石を見せると、


「孫一はこれに手を出したのか、バカな奴だ…お前達は使ってないだろうな?」


「使ってません、ユタは今どうしていますか?」


俺がそう聞くと、官兵衛は少し悲しそうに、


「ユタはもう魔法を使えない…それだけショックな出来事があったんだろう。」


(ノブの事だ。)


俺があの時に兵を動かさなかったら…


そう思い、俺は自分を責めた。





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