セレスとルミエール
セレスという神は結局の所戦バカなのだ。元が人間である魂から産み出されたものであるし、人間に近しい神ではあるが。
戦う事に特化してるために男女の恋愛には疎く、ルミエールを嫌いになれないが故にその都度封印してきた。
人類の敵対者であるとはいえそのまま神の敵とはありえない。
この世界の歴史の中で神とダンジョンマスターの恋愛は記されていて稀にだが人類の守護者として転生した事象もある。
「ダンジョンマスターとはなかなかおかしな存在じゃのう」
「…おじいさんもなかなかね、私達同族は戦うのが常なのに」
「種族特性なぞしらんよ、わしはわしのやりたいことをする」
「貴方は不老、いえ不死の特性もあるわね、今まで会ったことないわ」
玉座の前で黒いスーツを纏う老人にルミエールは声をかける。
「お前さんも珍しいのダンジョンマスターの次世代に会うのははじめてだ」
ダンジョンマスターは基本的には長寿であり、よほど波長があうものでなければ次世代の子としては成り立たない。どのような仕組みになるのかはまだ解明はされないが、稀に人と交わるダンジョンマスターもいるが年代を重ねるうちに特殊な魔法を持つ人間として子孫は変質していく。
だからこそ正規の手段で継承されるダンジョンマスターは貴重なのだ。
恋はどの種族をも狂わせる。
神と交わる場合はどのようになるかはもう記録には残っておらずこの世界では知るものはいないはずだが。
「神とダンジョンマスター両方の力を受け継ぐぞ、創造神にきいたし間違いはないな」
コジロウはニコニコ言う。
「わしは別にルミエールさんの過去などどうでもいいしの」
「あら、貴方は人類の守護者ときいたのだけれど」
「たまたまじゃよ、孫をまもっていたら、たまたまじゃ」
「そのたまたまが恐ろしいわね、じゃあおねえさまを排除しないのかしら」
「同化しとるお主の先代かどうもせんよ、生まれながらの破壊者ではないようだしの」
「…」
「それに男女の恋愛にお節介をするのもじじいの役目、じゃろ?羅刹くん」
いつの間にか現れた黒い着物の僧兵に声をかける。
「やれやれ[昼行灯の狂翁]は相変わらずだな」
「[空白の僧侶]の君もな」
コジロウはニコニコと話す。
「で、彼女はどうするんです?悪神に近い風評ですよ」
「知らんよ、お互いに好きならどうにかするじゃろ、なあセレスくん」
「確かに」
黒い髪を流しながら黒い服を着た刀を持った美青年がにこやかに笑う。
「じゃ頼んだぞ」
「銀次郎に声かけたんだがな」
「言葉で終わるならよい」
コジロウは肩を竦め
「たまには戦以外の終わりもよかろうて」
クスクス笑う。




