ミケとコハク
銀次郎と別れたあと、ミケとコハクは街中を歩く。
「来た頃と違ってこの街並みもかわったもんだなあ」
最初の頃を思い出しながらミケをにやにやと笑う。
「ミケ兄、そんな顔をしてるとまたおかしく思われるぞ」
「いいんだよ、俺はヘラヘラしてるくらいがってそう思うだろ?姉さんも」
「おやまあ、気配消してたのに」
街娘の格好をした気立ての良い女性がにこにこと笑う。
「俺以外にも気づかれてるぜ、一応この国は将軍様のお膝元だからな、んでダンジョンマスターの眷族が何の用だい」
「…新しいダンジョンマスターの身内を知りたくてね、やはり主の障害になりそうなものはね」
「…うちのじいちゃんは人畜無害さ、身内を刺激しなけりゃね、とりあえず」
街娘に扮した別のダンジョンマスターの眷族ににやりと笑うと
「酒でものむか、美人に酌してもらいたいんでね」
「…あらお誘いにのってもよいのかしら」
クスクスと女は笑う
「珍しいな、ダンジョンマスター、お前は中立だったんじゃないか?」
とある居酒屋で酒を飲む銀次郎に黒い僧服を着たスキンヘッドの男がにこりと笑う。
「…面倒な恋患いの同族が目覚めてな、面倒になりそうだからな」
目の前に座りながらちびちびと日本酒を飲む。
「[空白の僧侶]のお前さんがいうんだ、相当だな」
「[風来坊]と呼ばれるお前は自由すぎる、この国の王だろう?」
「いいんだよ、俺は顔のない王と言われて民は顔すら知らん、平穏を民と謳歌する者もいてよいだろう」
銀次郎はにやにや笑う。
「だが有事の際は」
「立つね」
「ルミエール…」
銀次郎がため息をついて
「…ヤバイやつだな」
肩をすくめた。




