コジロウの弟子
話はかわるが、コジロウの我流の剣術を受け継いだ生粋の弟子がいる。
孫達はコジロウのみの技術ではなく他からも学んでいるから生粋とは言えないだろう。
生まれつき膨大な魔力を纏いながら一切の魔法を使えない特異な者。
されど剣聖と呼ばれし者。
剣の神に祝福され転生せし者。
孤児でありながら孤高の正義貫く者。
名をルリ=クジョウ
強さこそが唯一の正義。
護るのは友と家族。
燃えるような紅い髪にツインテールの紅い瞳。纏うのは紅い着物に、黒の草履。
清廉された空気に美しくも苛烈な色気。
扱うのは二対の刀。
コジロウが産み出した魔刀と神刀。
魔刀[悪食]
斬る度に生命力を喰らい持ち主に無尽蔵の力を与え持ち主を選ぶ意志ある刀。
神刀[神風]
振るう度に持ち主の力を底上げし、共に戦う者にも不屈の闘志を与える意志ある刀。
「…師の課題を終わらせた」
ルリは静かに目の前の黒い鱗の巨大な龍の骸を見ながらため息をついた。
隣に黒い服をきた、黒い髪を目元までのばした軽薄な男がにやにや笑う。
「爺さんもわかりやすい課題を出したもんだ、まず正義に対する悪を用意する、人に対して脅威となり、なかなか倒す者がいない邪龍をぶったぎる、これで目ぇつけられたな」
「…悪食、お前は人が悪いな、ルリも覚悟の上さ」
白いイブニングドレスを着たどこか儚い白い長髪の美女はため息をつく。
「…うん、悪食、神風、覚悟してるから平気、正義は正直私は仲間や友を護ることだと思う、魔法が使えない、だけど魔力を纏う事ができる、私は剣の道で私の全てを貫く、師匠が出した課題は10年かかったけど、やっぱり私の正義は変わらない、害なすものを斬り伏せるだけ!」
「…見事に脳筋だな」
「まあ、他の難癖ある正義なんかよりも清いさ、造り主殿もだから我らを与えたのだろうよ、さて名もなき森から帰ろうか、ギルドはサリアス自由連盟が近い」
「ちがいねえ、確かリナとカイトもいんじゃねえか」
「…リナと…カイトが…」
「…主、刀とはいえ人化もできるし、人の気持ちもある程度学んでるけど、カイトにいい加減コクれよ、あいつらがガキのときからの付き合いだろうが、年もカイトと同い年だし」
「…よく考えたらルリは16か、造り主殿も、スパルタ指導だな、6つの時から基礎訓練だけさせて邪龍討伐、まあ基礎さえ習えば問題なかったからな」
「…うるさいなあ!私には私の都合があるの!アイテムボックスにしまうからかえるよ!」
そういうとまるごとバックにいれてそのまま走り去る。
「…しかし最年少ランクオーバーがあんなうぶとは皆しらんよな」
「可愛らしいじゃないか、悪食いくぞ、[無双刀姫]の照れ隠しは大変なんだから」
ルリの愛刀悪食と神風はにこりと笑う。
ちなみにコジロウがルリを弟子にしたのは、ただ単に小さい子供が魔法もつかえず、なまくら一本でおおたちまわりをしたのが危ないなあと感じて手解きをしたくらいの感覚なので、正義や悪だとか高尚なものは教えるかんじではないのだが、ルリはルリで色んな価値観を教えてくれていると考えていたらしく、コジロウはまあそれでいいかと長めの課題を出した感じなのだ。
ちなみにリナとルリは姉妹のように仲良く、カイトに関しては恋人未満友達以上な感じでまわりはやきもきしている。




