天の邪鬼な猫
東の果て和国
遊郭が建ち並ぶ陥落街に一人の男がいた。猫のような瞳に頭頂部には猫の耳、中性的な美しい顔に幼い雰囲気であるが若々しい青年のような雰囲気。名はミケ、年はわからず、猫の獣人の青年であるように思われ、実際は猫又なのだが。
「相変わらずだねえ、ミケさん、そんな子達をいっぱい連れてきてどうするのさ」
きらびやかな着物を纏いかんざしを着けた美しい遊女が声をかける。
「かまわねえさ、金はあるからね、おまんま喰うにも一人じゃあじけねえさ」
「この店やあの店や全体の店の遊女に好かれる男はやることも粋だねえ」
カラカラと笑う遊女をみながらミケは肩をすくめる。
「なあに、面倒みる女がいるからな」
「はは、そうさね、ギルドマスターはお優しいから」
遊女に手を振りながら片手にだき寄せる赤子を見ながらミケはくすりとわらう。
和国ギルド[村正]
瓦屋根に大きな屋敷、庭があるどこか大名屋敷のような場所にミケはのんびりと足を運んでいた。
ガヤガヤと強面な者から優しげな雰囲気の者、様々な人種がいるギルド。
そこになかなか居そうにない小さな子供達、この子供達はギルドマスターが全て引き取り育てている。
「やれやれ、探偵さんがまた子供をつれてきたね」
「まわりのバカに話をしてくれよ、この国でバカしてんのは殿様なんだからさ」
「違いないね」
ギルドの奥、ギルドマスター室にいる老獪な雰囲気を持つ妖艶な年に似つかない金髪の長い髪の美しい女がにこやかに出迎えた。
「キュウビ、相変わらず変わらないな」
「妖のわたしらが変わるなんてそうそうないさ、まあ子供を育てるなんてこともしはじめたのは少しだけ変わったことだがね」
クスクスとキュウビと呼ばれた女は笑う。
「あんたが探偵として現れてもう10年か、[天の邪鬼な猫]」
「まあ俺はきまぐれだからね、たまには主人から遠出したくなるもんさ」
「長い遠出だねえ」
「じいさんなら大丈夫さ、のんびり屋だからな、定期的に頼りは出してるからな」
「今度連れてきなよ」
「そうするさ、んで、また面倒なことだろ?」
「わかるかい」
ミケは肩を竦め
「また大方お前さんに惚れたあのバカ二人だろうよ」
「あんたが私の愛をきかないから」
「ばかいえ、気まぐれな猫に愛をとうんじゃないよ」
ミケはキセルをとりだすと匂いのよい香草を燻す。
「心配しなくてもガキには害はねえよ」
そう言いながら目の前の女にため息をつく。




